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22/22

その日 2 

 二人の証人は互いに見つめ合う

 彼らの見つめる先は未来

 涙で霞む未来

 霞む向こうにかすかに見えるのは

 二人の永遠と選ばれた民たちの未来


 遠く丘の上に立った二つの人影

 彼らは最後に何かを語ろうとした

 それを吹き飛ばしたのは

 六六六(ハニカム)模様の兵士たちと

 丘に立った荒らす憎むべき首領


 二人は語る前に地から断たれた

 それを丘の占領者たちはあざ笑う

 彼らは勝ち誇って喜び歌い、

 食い散らかしのみ散らかす

 挙句に不特定多数が乱れ絡み合う


 騒ぎ乱れる嬌声は 不気味に響き

 祝砲と聞きまごう乱雑な砲声は

 絶望さえ覚えさせる

 離れて見守る聖者はそれにより

 天の怒りの近いことを悟った

 

 かつて神殿の丘に響き渡った雷鳴

 復活した証人の二人

 同時に、大地を滅ぼす預言が現れた

 大地と全てが焼き尽くされると

 選ばれた地だけがそれを逃れ去ると

______________________________________


 一撃で神殿の丘に集結していた軍団は溶け去った。ガラスの表面のような地平に、二人の人影が輝きに包まれながら、佐美たちの許に帰ってきた。彼らは、迎えに来た子ロバたちにまたがって、ヘルモンを見る水辺の村へと帰って行った。

______________________________________


 荒らす憎むべき者は倒された

 それでも戦いは終わらない

 選ばれた民たちの村は

 大地と切り離され

 地に降りかかる大火から逃れ去った


 そして、遠い遠い未来

 あとに残された(Left Behind)者たちもまた

 大火から大地を、地球を逃れさせようと

 様々に仕掛けを作り上げた

 大地たる地球を動かす仕掛け

 逃げようとする仕掛けだった


 赤巨星へと拡大し始めた太陽

 懸命に逃げ出そうとする地球

 待ちきれずに大地を飛び出す飛翔体

 既に安全な位置から見守る聖者たちの前で、

 大地の者たちは逃げられなかった


 それが最後だった。

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