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第21話 作戦会議

ハンターギルドからは軍の車で司令部に移動するのだが、途中でジャンクヤードに寄り道をしてもらいジャンクヤードに備え付けてもらっている荷物置き場のロッカーから取り出すふりをしてインベントリからAMR(Anti Materiel Rifle)を取り出す。

いやー、ゴルゴ張りのアタッシュケースを作って入れておいてよかった。流石にむき身のAMRを持って軍人さん達の本拠地に行く勇気はない。


軍司令部に着くと最初は外部からの来客用の待合室のようなところでしばらく待たされ準備ができ次第会議室に移動となった。

そこで、ここ三日間で集められた敵の情報が共有される。どうやら午前中に2時間ぐらい午後も2時間くらいずつ移動して後は休憩しているらしい。進行速度はおおよそ時速8kmで徒歩の倍くらいらしい。そりゃーハンボーホとヤリタの間の距離がが大体120km位しかないのに三日も四日もかかるわけだ。

それでもこのまま進めば、明日にはハンボーホの西門の目視圏内に入ってくる。まあ、そのまま馬鹿正直に突っ込んでくるかは、わからないけど戦力差を考えると力押しで来る可能性も否定できない。


「ということは、猶予は今日一日しか無いってことですか?」


「まあ、明日の午前中までだな。」


思ったより余裕がない。侵攻速度が遅いのは、MAだけだろうから明日辺りから比較的速度が出る魔道車での索敵やら威力偵察を仕掛けてくる可能性も考えられる。そうなると思わぬところで出会いがしらの遭遇戦になる危険性が出てくる。


「高速な軽車両による偵察とかは、今までなかったのですか?」


「侵攻開始の初日に先行してきた軽車両がこちらの偵察部隊と衝突してな。こちらも結構な被害が出たのだが、こちらからの反撃で魔導銃や魔導杖のファイアーボムやランス系の魔法攻撃でも軽車両なら多少なりとも損傷を与えられることが分かったのだ。」


ほうほう。歩兵の携行兵器でも軽車両ならいけるのか。それならAMRの狙撃でも装甲を打ち抜けるのかな。


「もっとも、損傷したのは外に出っ張っている目玉のような装置やら背面の装置が見えている部分だったりだけで正面や側面の装甲部分には殆どダメージを与えられなかったのだが、相手もまさか損傷を受けるとは思っていなかったのか反撃しつつ慌てて本隊まで後退してな。」


なんとまあ。それもそうか。となると狙撃するには弱点を攻めるしかないわけだけど、歩行中のMAの関節部分とかに当たるかな。


「まあ、それで調子に乗って敵の本隊にも威力の高い魔導銃や魔導杖を使った攻撃をかけたのだが、中型以上の走行車両には全く歯が立たなかった。しかも何らかの探知系の魔法が使えるのか物陰に隠れているこちらの兵士に対して正確に反撃してきて敗走せざるを得なかったのだが、作戦に参加した兵士の半数以上が帰ってこれなかった。」


うーむ。敵に上手く引き込まれたのか?そんな雰囲気でもなさそうなのだが。


「今考えると、一部分でも壊されると修理する部品も無いので損傷するのを恐れて後退したのでは無いかという意見もある。」


そうか。俺が見つけた修理工場の様な場所でもなければ、予備部品なんてそんなに用意されていないから壊れちゃったら修理できないのか。そういえば、こないだのスタンピードでキヌタシティーのMAも壊れて修理できないみたいな話を聞いた気がする。


「それ以降は、向こうもこちらの接近を警戒するようになり侵攻速度が遅くなったのが唯一の戦果だな。」


「こちらも無駄に兵力を損失するわけにもいかないので初日の衝突以降は、付かず離れずでの偵察に留まっている状況だ。」


どちらもひと当てして痛い目にあったからそれ以降はにらみ合いって感じか。本格的な戦闘は、ハンボーホの街に着いてからになるのか。


「あー、大体理解しました。ちなみに向こうの索敵範囲とか確認できました?」


「報告によれば、森林地帯で500m、廃墟で300から400m程度の距離まで近づくと見つかるらしい。」


「思ったよりも広いですね。攻撃の射程距離はどうでしょう?」


「最大は不明だが、戦車砲だと開けたところだと1-2km離れていても見つかれば普通に攻撃されるな。」


「うーん、射程2kmだと一撃離脱しないと見つかったら戦車砲の餌食にされそうだ。」


「どういうことかね。」


聞かされた相手の戦力状況からどう攻撃しようかと思案していた時に漏れたこちらの独り言を拾って軍人さんが聞いてきた。


「えーと、こちらが今回使用する予定の対物ライフル、AMRになります。」


そう言って持ってきたアタッシュケースを開けて中身の魔導銃を集まった軍人さんたちに見せる。


「そこそこ大きな弾を凡そ1500から2000m位の距離で撃ち込めるのですが、手動装填で連射が効かないのと装弾数が5発しかないので1台、まあ2台に損傷を与えられれば上出来な感じですね。」


「そんな装備でどうしようというのかね。」


そうなんだよね。この銃一丁で戦車部隊を蹴散らすなんて芸当は到底無理な話だ。


「そうですね。戦車や装甲車の類の撃破は、まず無理でしょう。なので、MAを1台。出来れば2台ともに損傷を与えて行動不能にすれば、一時的にでも侵攻を止められるかと。」


「確かにMAに損傷を与えられれば、暫くは侵攻を抑えらるかもしれない。」


まあ、聞いた戦力差を考えると戦車部隊だけでハンボーホの街は蹂躙できそうなので動けなくなったMAを 一旦その場に残して戦車隊だけで侵攻する可能性も否定できないんだけど。


「後は戦車の一台でも破壊できれば、戦車に乗ってぬくぬくしている兵士にも自分たちが攻撃を受けて死ぬ可能性が出てくるので兵器の威力を頼りにした侵攻なら止めることが出来るかもしれません。」


そう。自分達だけが持っている旧文明の超兵器による一方的な蹂躙を想定しているところに相手の反撃を受けて自分も死ぬ可能性があるとわかって、MAの力を自分の力と勘違いした連中がビビッて引いてくれないかなーというのが今回の作戦だ。


「うむ。1台でも敵のMAが行動不能になる可能性があるならやってみたまえ。」


「何かこちらで出来ることはあるかね。協力は惜しまないつもりだが。」


こちらとしては何処か相手が見通せるところから5発撃ち込んだらトンズラするつもりだから単身の方が動きやすいんだよね。


「攻撃事態は一人の方が動きやすいですし見つからない様に移動しますので援護も護衛も不要です。それよりも今日奴らが野営しそうなポイントとか予想できますか?出来れば、その周辺の地理も教えてほしいのですが。」


「なるほど。狙撃ポイントを探すのか。周辺の地形図があったはずだ。」


見せてもらった周辺の地形図と敵部隊の現在位置および進行速度から凡その野営ポイントに当りを付けて狙撃できそうなポイントを絞る。


「移動中は狙いが定まらないので出来れば野営のために留まったタイミングで仕掛けたいところです。」


「おそらく奴らは、街から12km程離れたこのあたりの開けた所を今夜の野営ポイントにするかと思われます。」


「開けたところの方が遠くまで監視が届くのか、昨日も開けたところで野営をしてました。」


そうなると射程距離から考えてこの南の丘陵地帯の何処かか街との間にある旧文明都市の廃墟のどちらかからなら射線が確保できそうだ。

ようやく作戦方針らしきものが決まったので狙撃できそうなポイントに移動したいのだが、やれ戦果の確認だとか連絡要員だとかの理屈をこねられて監視要員を一人、付けられることになってしまった。


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