閑話3 あの日のミリエラさん
少しにおわす感じで性的表現が入っております。
ダメな方は、このお話と次のお話は飛ばしちゃってください。
どうも、絵美里改めミリエラです。
ソシャゲで遊んでいたら何故か弾頭ミサイル攻撃に巻き込まれた挙句に異世界転生する事になったと思ったら急転直下で転移者となりましてこの世界でミリエラさんの体を乗っ取る形で目が覚めました。
右も左もわからない異世界でわずかに残ったミリエラさんの記憶を頼りに身の振り方を決めないといけないのです。どうやらミリエラさんも直前に爆発事故に巻き込まれた被害者みたいでしばらくは入院生活を続ける必要があるのでその間に暫く考える時間は、取れたのですが、取れる選択肢が少なすぎて泣けてきました。
冒険者まがいのハンターになるか、体を売って稼ぐかの二択しかないなんて。
爆発に巻き込まれた私は、全身やけどの状態で病院に担ぎ込まれてそのまま魔装体化治療を受けて全身魔装体化となりました。
魔装体自体は、この世界で大けがを負った人の治療の手段として一般的なんだそうなのですが、なぜか差別対象となっていて職業選択の自由が無いのだそうです。あははー。
事故の被害者との扱いで、治療費も入院費用も事故を起こした会社の負担で退院後も暫くは生活の保障を受けられたのは幸いでした。
ただ、いつまでも生活保護を受けられるわけでもなく、その受けられる保護も最低限の物だったこともあり何とかできる仕事を探すことにしました。
元々魔装体は、昔の戦争で兵士のために用意された戦闘用の物だったのですが、その技術の流用で家庭向けの家事ロボットなど一般用途にも使われていたものが、人類文明が衰退するうちに管理が曖昧になって、やがて人様でない筐体も人の治療用途としてリサイクルされるようになったそうで、今回私に割り当てられた筐体が、戦闘用ではなく一般家庭用の物だったそうです。
それでも魔力で動作する魔道具の筐体なので、頑張れば一般成人男性の倍くらいの出力が出せるのですが、5倍10倍出せる戦闘用の筐体とは比べようもなく一通り経験させてもらったハンター仕事ですが、転生前のゲームで覚えていた銃の取り扱い以外は体力的に付いていけませんでした。
暫く落ち込んで、部屋でふさぎ込んでいたのですが流石にこのままニートという訳にもいかないと思い、担当管理官のモニカさんに相談することにしました。
モニカさんは、事故後の魔装体への換装作業から入院中のリハビリや退院後の住居、ハンター仕事の体験の手配などなど、担当管理官としてお世話になりっぱなお姉さんです。お姉さんと言っても見た目は、社会人3年目だった転生前の私と同じくらいなのでいうほどお姉さんではないと思いますが、何といいますか人生経験の厚みが違う感じがしたので心の中でお姉さんと認識しています。
それに今の私の外の人であるミリエラちゃんは、18歳だそうで未成年で仕事しているのにビックリしましたが、この世界では15歳で成人すると何らかの仕事に就くのが、当たり前なのだそうで、ミリエラちゃんも私と同じ社会人3年目でした。
「ミリエラさん、久しぶりですね。」
「ご無沙汰してます。モニカさん。」
「ハンターのお仕事のあっせんをした依頼かしら。どう、仕事の方は?」
「それが、やはりハンターのお仕事は、体力的な面で難しいそうです。」
体力というか、筐体の出力的なものというか、街の外に出て討伐依頼のあるウサギやら猪やらをハントするところまではゲーム感覚で何とかなったのですが、仕留めた獲物をお肉のために街まで持ち帰るところで、残念ながら力が足りなくて運べないという現実にぶち当たりました。
「そうなるといよいよ男性相手のお仕事も検討してもらわないとなんだけど...やっぱり難しそう?」
「はい。何ともこう、踏ん切りがつかないと言いますが、思い切れないといいますか...」
「んー、ちょっと待ってて。同僚の子に相談してみるから。」
そう言って面談をしていた部屋から一旦モニカさんが退出したのですが、暫くすると管理官の同僚だというマリッサさんと二人掛かりで、見た目パッとしないフツメンの若い男の子の両脇を抱えて戻ってきました。
「とりあえず、見学してもらって段々慣れていきましょうか?」
なんかえらいこと言われているような気がしないでもないし、目の前で凄いことが展開されている。
モニカさんとマリッサさんの二人掛かりで服をひん剥かれた男の子が、まるで2頭のライオンのメスに狩られたリカオンの子供の様に二人掛かりで蹂躙されている様子を見せられている。
「じゃあ、次は実践してみましょうか?」
これが同調圧力というものだろうか?その場の雰囲気に酔っていたのか二人掛かりで蹂躙される男の子とみていて興奮していたのか、そのまま知らない男の子に女の子の大事なものをささげてしまいました。しかもその日のうちに3度もしてしまった。
お母さん、ごめんなさい。私汚れてしましました。
でも、初めてだと痛いだけだと聞いていたのですが、この体のせいなのか、その場の雰囲気のせいなのか...癖になりそうです。
その男の子は、ユージレン君という名前だそうで、よくよく話を聞いてみると同じようにあの爆発事故に巻き込まれた被害者なのだそうです。
そう言われると、爆発前の最後の記憶で受付対応した人でした。まあ、ミリエラさんの記憶なのでほとんど覚えていないのですが。
結局その日は、そのままその彼にお持ち帰りされました。
3回もやってしまったという既成事実の元、ユージ君との専属契約?とやらを結んで彼だけにご奉仕するだけの簡単なお仕事だとモニカさんに説得されてしまったのです。
そうして連れていかれた彼の部屋で初対面の男の子と二人っきりというシチュエーションに緊張してガチガチになっていた私の様子が余りにも酷かったのだろう。
まずは、甘いものでも食べて緊張をほぐしてと言われて出されたお饅頭と緑茶にほっこりしていたらなぜか転生者とバレた。げせぬ。
結局、転生者とバレて前世や転生時の話をほとんど全部話してしまった。まあ、聞かれて困ることはないのだけれども。でも、饅頭も緑茶もこの世界にないものを一体全体どこから手に入れたのだろうか?
それってつまり彼も転生者ってことなんじゃないの?
「ユージ君も転生者なの?」
「ふふ、それはどうかな。ご想像に任せるよ。それよりもその白い空間でのスキルの割り振りの時の話なんだけど...」
なんか誤魔化されてしまった。まあ転生者ってのは間違いないだろうから別にいいんだけど。
その後はスキル取得の様子からポイントが貯まったままなので今からでもスキルに変換出来そうなことと取得可能なスキルについての注意を受けた。魔法スキルは避けた方がいいのか。魔法、ちょっと使ってみたかったんだけどな。
確かにもう少し現状を確認してからでも遅くないかな。しかしこの人なんでこんなにステータスとかに詳しいのかしら。やっぱり転生者なのだろうけど、自分からは言わないのかしら。
その日は、買い足した新品のマットレスを用意してもらってそこで一人で寝ることになった。小さいながらもお風呂に入ることもできたのでゆっくりと休むことが出来た。
相談先でモニカさんとマリッサさんと一緒にされた行為の続きをさせられるのかとドキドキしてちょっと興奮していたのに肩透かしを食らった感じで、疼く気持ちを押さえるためについ一人で処理したのは絶対に内緒にしないといけないのだけど、あの乱交ぶりからのヘタレとかちょっとどうなのかとも思う。
その後は、お互いに気まずい感じで何事もなく過ごすことになる。こういったことは男の人がリードしてくれないとこっちからは誘い憎いのに、”無理強いするつもりはないから”とかいい人ぶって、それって私から”しよう?”って誘わないといけないってこと?
20台半ばの喪女には、ハードル高いって。
この家に転がり込んでから一週間が経とうとしている。
彼は、朝出かけては夕方日が落ちて暗くなり始めるくらいには帰って来る。毎日ギルドの討伐依頼を受けてお肉が取れる鳥やら猪やら鹿やらの狩りをしているのだそうだ。
お土産としてその日に取れたお肉を持って帰ってくることもあれば、ベーコンやらソーセージやら加工された形で持って帰ってくることもあるのよね。
帰ってくる時間は多少前後することもあって、晩御飯は私が作ることもあれば早めに帰って来た時は彼が作ってくれることもあった。
彼は男のキャンプ飯だからと言って謙遜していたけれど、結構お料理上手なので焦ったのも内緒である。
その日は、お土産のお肉がない代わりに、大きな鉄砲を2丁も装備した物々しい感じの状態で帰ってきた。
急にハンターのお仕事を試していたころのことが思い出される。銃を装備して街の外に出たのはいいのだが碌に戦うこともできずに大きな猪に襲われたときの恐怖が蘇る。
このまま出かけたら彼が二度と帰ってこなくなるような不安に押しつぶされそうになり癇癪を起して泣きじゃくってしまった。
そんな私にオロオロして何とかなだめようとしている彼の感じがおかしくて可愛いというか愛しく感じた。
ただ、最後にお小遣いアップで機嫌を取ろうとしてきたのは、減点対象だ。いや、アップしてもらったけど。ぐふふ。
少し落ち着いたので、ご飯を食べながら話を聞くと、ギルドの依頼で別の街に出張して暫く帰ってこられないって申し訳なさそうに言っていた。そうか、しばらく一人きりで、彼の顔を毎日見られなくなるのかとまた不安が湧き上がってくる。
その後は、お互いいい雰囲気になって一週間ぶりに一緒のベットで夜を過ごした。
え、ヤルこと?しましたよ。
彼も不安なのか、前回よりも激しくって、もう何度いかされたか判らないくらいでこの体でなかったら腰が抜けてたと思う。
いや気持ちも前回より前向きだし、そりゃー、かなーり良かったんですよ?
朝、起きたら隣に彼はいなかった。
今日は、早くから行かないといけないと言っていたので仕方がないのは判っているのだが...
その日は寂しくて暫く涙が止まらなかった。




