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【処女作完結】Mobius Cross_メビウスクロス  作者: 阿暦史
【第一章】救世主と罪の魔神と蛇の館
6/66

Mobius Cross_メビウスクロス6:Sister

今回のヒロイン登場ヾ(*´∀`*)ノ

ルナはかわいそうに撒かれてしまいました。はてさてランスの目的とは…


登場人物

·ルナ:主人公の少年。かわいい。

·シャハネさん:美人のお姉さん。一緒にお風呂に入ってくれる。

·ランス:主人公の救世主。銀髪のイケメンでちょっとツン。

·囚われのシスター:自分を責め過ぎる癖がある。

『Mobius Cross_メビウスクロス6:Sister』



ルナを撒いたランスは、いけしゃあしゃあと目的地に到着していた。


下町の外れの廃教会。

古代の神殿を居抜きして建てられた大きな教会は、石の太い柱が建物の外壁に並び建つ珍しい造り。

そのさらに外を囲う塀には有刺鉄線、門には物々しい鎖が巻き付けられている。

屋根の十字架が無ければ見た目はまるで獄所だ。


ランスは3メートル程ある塀を軽々と飛び越えると、正面の重々しい扉を開いて礼拝堂へと進んだ。

堂内は天窓が締め切られ、昼間でも薄暗く、ステンドグラスから差し込む光にダストがキラキラ反射している。


その光の底にひとりのシスターが居た。


シスターは力無くアヒル座りで、伏せた目から溢れる長いまつ毛を光芒に僅かに煌めかせてすぅすぅと眠っている。

その両腕には鉄の輪が嵌められ、繋がれた鎖が頭上背後の重厚な十字架に括りつけられ拘束されていた。


ランスが声の届く所まで来て口を開いた。

「…起きな。飯だぜ。」


シスターはゆっくりと目を開け返事をした。

「ふあ…ぁ…あぁ、おはようございます。。

いやだわ私ったらお祈りが済んだあとそのまま寝ちゃったみたいでごめんなさい。。」


「気にするな。んで謝るな。」


「あ、ごめんなさ…あっ!すみませ…あっ…」


「ん!」

パフッ

とランス、遮るようにパンをシスターの口に詰め入れた。 


これがランスの目的なのだ。拘置されたこのシスターに食事を与える。

続いてランスは、野菜と豆と果実をすり潰して焼いた菓子を与えた。


「ん。。おいしぃです!いつもありがとうございます。」


「ああ。水はまだあるな?」


「はい。」

シスターは少し寂しそうな顔になる。

いつも水の確認をした後ランスは行ってしまうから。


踵を返して出入り口へ向かう。

ランスも本当はもっと言葉を交わしたいのだが、そうできない事情があった。


「お元気で…」

シスターの声は閉じられる扉の音で消えた。


またシスターはひとりになった。

こうしてランスが置いていった食料と水によって生きながらえる。


手は頑丈に拘束されていると言ってもある程度余裕がもたせてあり、飲食くらいなら一人で行える。

また、背後の十字架の根本には旧時代のカタコンベの縦穴があり、多少背徳的だがそこでお小水も可能なため生きる分には問題なかった。


何よりシスターは祈ることができれば足りていた。

…本心を言えばここから飛び出して、人々を救ってまわりたいが…拘置の身である自分がこんなことを望むなんて罪深い。。

そんなことを思いながら、いつものように、右手を左手で覆うこの教会特有の祈りの姿勢をとった。


「此処にまします我らが魔神よ

願わくは天に安寧

地に豊穣

人に赦しを与え給え

汝に捧ぐ我が身に恵を賜ることを

お赦しください

そしてこの糧に感謝を」

そう言って祈りを済ますと、シスターは傍らに置いてある革の水入れを手に取った。コクリと飲み下そうとした

その時である、


バコン!っと天窓が開き、ドシャっと人が落ちてきた!


「ブッ!んフッ!…んホッ!」

シスターは思わずむせた。

「だい、じょぶ、でずが…?」

落ちてきたのが人であることを認識したシスターはすぐに心配の言葉をかけた。


「っいっってー!死ぬかと思った…!」


「こっほんッ!頭打ってないですか?お名前言えます?」


「突然すみません!頭は打ちましたが、大丈夫です!

名前は、ルナです!」  


to be continued


諦めない男、そして運が良いのか悪いのかわからない男、ルナ。

此処は魔神教会といいます。パルテノン神殿の上に十字架おったてて、柱の中に教会が入ってるイメージです。ゴールゴーダという町のはずれに昔ーっから建ってます。

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