『Mobius Cross_メビウスクロス50.10:神の呪い』
石化は解けない絶対に
『Mobius Cross_メビウスクロス50.10:神の呪い』
「…そだ!一緒にお風呂入ろっか♪
あんたも汚しちゃったもんね…きれいに洗ったげるね…?」
ランスのおかげで動かせるようになったから…
ランスのおかげで視えるようになったから…
メリーは石となったヒュオラを連れて大浴場に来た。
透視の目隠しも外すので、他には誰も入れないようにした。二人っきりになりたかったのもあった。
自分とヒュオラをキレイにして、湯船に浸かる。
ヒュオラを入れることはできないから、浴槽の傍まで連れてきた。
「…ランスの台凄いわね〜ヒュオラ♪ちょっとくらいの段差なら平気よ〜。」
動くけど、動かないヒュオラを浴槽越しに見つめる。
「…も〜。なんか言いなさいよ〜。」
パシャっとお湯をかける。
と、
ペタンッ!
「キャッ!」
可愛い声をあげてヒュオラが尻餅をついた。
…!!!???
「…あれ?メリー様?どうかなさいまし…」
カチッコチッと石になる!
メリーはピタタタっと脱衣所に戻り、目隠しをして、タタタピっと戻ってきて再度浴槽の湯をかけてみる…
パシャリっ
「ほえ…?メリー様?変なお顔…
ハッ!…だ、大丈夫です!!メリー様の顔は!大丈夫です!!」
「ヒューオーラー!!!!!!」
メリーはヒュオラに泣きついた。
「ヒュオラっ!ヒュオラっ!!大好き愛してるっ!!ずっと傍にいて?ずっとそのまま!私のお世話をして!」
「…??はいはい。変な目隠しをして何があったかはわかりませんが、ヒュオラはずーーー…っとお傍にいますよ…。」
ちなみにこの透視グッズ、メリーの顔が少しでも優しく見えるように“ちょっと朗らかなデザイン”となっている! なんて慈悲深いんだランス (迫真)!
ヒュオラが戻ってきた!
仲間達は自分のことのように喜び、経緯を聞いて驚いていた。
正直石化を真剣に治そうとしたことなどない。奇跡と呼び替えてもいいが、単に知見不足だったのかも知れない。
「ウームなるほど…まさか、“メリーの汗?が溶けた風呂の水”とは……これは読めなんだ…。
体液そのものは駄目でも、湯を介して薄めたことに意味があるのか…
はたまた風呂という、禊祓いや洗礼の意味合いが作用したのか…」
シェリーは考察に忙しい。
「ま〜治ったんだからどうでもいいわ〜♪明日ランス達にも教えなくっちゃね〜」
安堵して楽観的なメリー。
しかしシェリーが改まって呼びかける。
「…そのことで皆に確認したいことがある。」
場がしんとする。
シェリーは冷たく話しだした。
「明日もまた、救世主達はやってくるだろう。ヒュオラが戻ったことは知らずに。
そしていつも通り、私に鎗を預けるだろう。
そうなれば実質…脅威は、油断しきったスクードのみ、ということになる…。」
魔物達はゴクリと喉を鳴らした。
「対して、今我々は万全だ。
ガリアを倒した我々なら、隙をついてスクードを仕留めることもできよう。
救世主を滅ぼせる現実がすぐそこにある。
ここまでで、疑問や懸念がある者は居るか…?」
魔物達は黙って、真剣な目でシェリーを見つめ返す。
「では問おう…全員、冗談偽り無く答えよ。迷いがあればそれも言え。
私が、“救世主を打倒する”…と言ったら、反対する者は何人居る…!」
…
…
次の日の昼前。
またランス達はやって来た。
「おはようシェリー。メリーの様子はどうだ?ほらよ。」
当たり前のように鎗を手渡すランス。
シェリーはそれをしかと受け取った。
「ああ。ぼちぼちだよ。またアトリエに籠もっているんだ。よければ一緒に呼びに行ってはくれないか…?」
「おういいぜ。
…なんだ?エリーもか?珍しいな。」
ランス達の背後についてくるエリー。
「ケヘヘ…なぁに言ってんだよぉ??わあしは家族想いの優しい〜魔物だぜぇ??」
アトリエの扉の前にはヲロチが居た。
「あら?あんた達も主メリーを呼びに来たの?ぐうぜ〜ん。じゃ譲るわ。」
ランスとスクードを扉の前に立たせ、背後につく魔物達。
「おーいメリー。飯だぞー。」
ランスが呼びかけると中からメリーの呼ぶ声がした。
「あ、ランス〜おはよ〜。ねーいま手が離せないの〜…ってか手伝って欲しいから入って来て〜…?」
「おう…」
ランスが扉を開く…
to be continued
んほぉ解けちゃったぁ(堕)
※予言者の方々本当にすみません。50話と50.10話、諸事情からもともと一つで投稿した文章を分けて再投稿した形になります。計画性の無い作者を罵ってください…ハァハァ…///




