『Mobius Cross_メビウスクロス39:打倒救世主!』
『蛇術館』が織り成す蛇と女と救世主の四之章…開幕
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この章観る際「蛇術館て何?」て人は流っ石に先に12-13話は観た方がええよ? (慈悲)
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☆登場人物 (この回に出ないのもいます)
·ランス:主人公の救世主。銀髪のイケメンちょっとツン。
·ガリア:拳の救世主。巨漢でクールな力持ち。ちょいコワ男前。
·スクード:盾の救世主。長身軽口兄貴。女性に甘いハンサム。
·シャハネさん:美人のお姉さん。一緒にお風呂に入ってくれる(洗礼)。
·ルナ:主人公の少年。かわいいだけじゃない!!
·マナ:車輪靴を履いて舞う様に闘う異国人。ずっと元気!
·マホ:双剣で舞う様に闘う異国人。普段は、ぽや〜んだが!
·ルナベレッタ:通称ベル。囚われてたシスター。自分を責め過ぎる癖がある。
·魔神ギルト:ルナベレッタの一部に宿り、罪を喰って力を増す鎖翼の異形。
·ゴルゴーン:蛇術館の主で全身甲冑の謎の彫刻家。美しい女の裸像は命が凍りついたかの如き出来栄え…
·ヒュオラ:蛇術館の侍女長。メガツインテールで毒を吐く妖女。
『Mobius Cross_メビウスクロス39:打倒救世主!』
ルナ達がイウヌポリスへと旅立ったあとの帝都。
トンガリ屋根の蛇術館。
魔蛇三姉妹は、いつか三救主を打倒してやろう!
…と恨みを積もらせながらも、具体的に何をするわけでもなく、ぐうたらと惰眠を貪っていた…。
そんな折、侍女長ヒュオラが三姉妹を呼びに来た。
「メリー様、シェリー様、エリー様、お客様がお呼びです。」
三女メリーが応える。
「ええ〜めんどくさいわ〜?」
次女エリーは問う。
「ああん?まさかあの救世主どもじゃねーだろうなぁ?」
「もしそうなら始めにゆいます。
メリー様がそうゆうならやめときましょう。」
ヒュオラはエリーを軽くあしらい、メリーに従おうとした。
すると長女シェリーが言った。
「…お前たち…馬鹿なのか?後援者を大事にしろ。私達の生命線だぞ…?
ふんだくるチャンスであろうがぁっ!」
三姉妹は、ゴルゴーン彫伯として甲冑姿で応接間に出向いた。
パトロヌスは、相変わらずの彫刻品の出来に軽く称賛を贈ったあと、本題を持ちかけてきた。
「…ところでこれを見てくれ。
先日不細工な行商人から安く買った物なのだが…
なんでも、遥か東方の伝説の大蛇の牙の化石らしい。
真偽は怪しいが、君はこういう品が好きだろうと思ってな。」
「ほう。拝見しよう。
これヒュオラ、ワインをお注ぎしろ。」
その牙を、無駄にじっくりねちねちと観察するゴルゴーン。
パトロヌスは待ちながら出てきたワインを飲んだ。
するとゴルゴーンがガチャッと立ち上がった。
「とてつもない邪気をこの牙から感じる!
触れただけで不幸が舞い込むような!」
「な、なんだって?!バカな!」
「貴公!こんな禍々しい物を携えていてよく無事だったな…!
何か最近身の回りで悪いことはないか?」
「え…そういえば昨日…ペットが一匹腹を壊したな…。
ハッ…その前は、使いの者が夜何者かに襲われ殺された…!」
「それッ!!この牙のせいだ!
次は貴公自身かもしれぬ…!今すぐ手放したほうがよい!
善は急げだ、私が譲り受けよう。」
「し、しかし…。うぅ?!
いててて…腹が急に痛くなってきた…」
急に具合が悪くなるパトロヌス。
「む…!大変だ!既に呪いに侵されているな!
ヒュオラ。あの壺を持て!」
「エ·エー。デスガアノ壺はスデニ…。」
「構わぬ…。」
ヒュオラが奥から真っ白な壺を持ってきた。
ゴルゴーンはそれを差し出して言った。
「呪いを寄せ付けない聖なる壺だ。
ここに溜めた水を飲まれよ。」
その水を飲むと、途端に具合が良くなるパトロヌス。
ゴルゴーンは安堵した様子を見せるが…
「ふう。一先ずはよかった。
…呪いがこれだけで済めば良いが…。」
意味深なゴルゴーンの言葉に焚きつけられ、壺を欲しがるパトロヌス。
「いやしかし…この壺はもう先客に目をつけられていてな。
金貨10枚で取引される手筈なのだが…。」
ならば11枚出そうとパトロヌス。
「いやぁ…手付金も貰っている物を他の者に譲るとなれば示しが…
信用を失わないだけの違約金が必要となろう…。
しかし貴公の命には替え難い…
どうしたものか…。」
ならば金貨15枚だ!とパトロヌス。
「譲りたい!譲りたいが先方が納得するかどうか…。」
カタカタと拳を握りしめ、精神的にも揺れている様子のゴルゴーン。
ええい金貨20枚でどうか!とパトロヌス。
「わかった。貴公との仲だ…金貨19枚に負けておこう…。
あとはこちらでなんとかする…!」
パトロヌスは、満足そうに壺を抱えて帰っていった。
蛇術館の面々は奥の部屋で元の姿に戻っていた。
エリーは、堪えきれず吹き出した。
「プギャアーッハッハッハ!!
あいつバカすぎだろぉ!!
あの犬の糞のように量産されるタダの壺を大金叩いて買って行きやがったぁ!!」
シェリーもご満悦だ。
「パトロヌスを貶すでない!
私を誉め讃えよ!
お前達の如き魔物のクズが裕福に暮らせるのも私のお陰ぞ!?」
メリーが気怠そうに言う。
「よっ。シェリー外道〜。おかげで私ら全員クズで糞よ〜。」
「メリー様…そんなことありません…。
こんなことして心が痛まないのは天才のなせる業…
という側面もあると思います…!」
ヒュオラは慰めた。
しかし三姉妹の関心はもう別の物に注がれていた。
「ヒョ〜!東方の大蛇だってよ!
召喚しようぜ!召喚の儀式!」
エリーの言う召喚の儀式とは、悪魔を現世に呼び起こす魔術である。
今は専ら人間がその肉体と魂を贄とし悪魔の力を得るために行われる儀式だが、もとは魔物が自身の配下や使い魔を生み出すために編み出した術なのだ。
三姉妹は、ワクワクドキドキ、また、ハラハラしていた。
超巨大な魔物が蘇るかもしれないからだ。
召喚する場所にも気をつけなければならない。
蛇術館で特に広い部屋は、大浴場か大広間。
大浴場は、使用人達が毎日と三姉妹も5日に1度くらいは使うので、万一壊れると困る。
対して大広間はそんなに使用しない。
予定も無い…。決まりだ。
大広間に行くと使用人達が掃除するふりしてのど自慢大会をしていた。
それはあとでお仕置きするとして…。
こんな日に備えて飼い殖やしてきた生き蛇を山ほど連れてきて準備万端!
必要なものは…
魔法陣。
二つに裂いた赤い蛇。
召喚者の血を少々。
メリーが魔法陣を描きながら言う。
「…ヒュオラを召喚した時を思い出すわね…。」
エリーは赤い蛇を裂きながら言う。
「最初は気色悪いブヨブヨの塊だったもんなぁ?ヒュオラぁ。」
ヒュオラも自身を振り返る。
「なつかしいです…私もずいぶん大きくなりました。」
「いや大きくはなってねぇだろ…」
とエリー。
「メリー様が私を女の子にしてくださるおかげです。開放すればわかってもらえるかと…」
メリーがとめる。
「やめなさいよ〜?こんなとこで。
てゆーかヒュオラ、ちょっと造形崩壊してるわよ気付いてる〜?
今夜私の部屋来なさい。
眠くなきゃやったげる。久しぶりに。」
ヒュオラは尻尾がピョンと上がった。
「ぅぁ…!はい!ナデナデ…久しぶり…♡」
三姉妹が指先を少し斬って血を滴らせ準備が完了。
シェリーが言う。
「さ、お前たち。もう少し離れろ。
どんなデカさの奴が来るかわからんのだ。
ゆくぞ…?」
あとは召喚される魔物の力に応じて蛇贄が消費されるのだ。
そしてシェリーが呪文を唱える…
「エロイムよ、エッチイムよ…
…あとついでに東方の邪神よ…我ら求め訴えたり。」
魔法陣が妖しく光り、もくもくと煙が辺りを包んだ…!
to be continued
紀元の無料ガチャ。




