表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【処女作完結】Mobius Cross_メビウスクロス  作者: 阿暦史
【第三章】砂漠と骸と魂の都
39/66

『Mobius Cross_メビウスクロス34:複十字』

ルナ…新切り札!!


☆登場人物 (この回に出ないのもいます)

·ルナ:主人公の少年。かわいいだけじゃない!!

·マナ:車輪靴を履いて舞う様に闘う異国人。ずっと元気。

·マホ:双剣で舞う様に闘う異国人。普段は、ぽや〜ん。

·ルナベレッタ:通称ベル。囚われてたシスター。自分を責め過ぎる癖がある。

·魔神ギルト:ルナベレッタの一部に宿り、罪を喰って力を増す鎖翼の異形。

·シャレス:マナとマホを迎えに来た異国人。世話係。

『Mobius Cross_メビウスクロス34:複十字』



 メビウスクロスが進化する!

複十字となった双方の剣先から、光の刃が出現!

ルナは長い光の杖と化したそれを巧みに振り回して構えた。

「さあ。元守り神。今度は僕が相手だ!」


 スピニクスミイラはルナめがけて跳びかかった!

デュアルクロスの光の刃がスピニクスのガントレットのような棺と触れた時、

バシュンッ!と鋭い音!

ルナはバックステップしながら斬りつけた。

「よし…!」

今度はルナがスピニクスに向かって走る!

スピニクスは再び前足を振り下ろして迎撃を狙うが…

バシュッ!!

とルナがその足に斬りつけると、スピニクスの大きな指がゴトンッと床に落ちた!


 切れる!デュアルクロスは鉄棺を切り裂くことができる!!


スピニクスが怯む!

ルナはさらにデュアルクロスを振り舞わして追い立てる!

斬撃が光の線を描き美しい。

スピニクスの体を包む棺は徐々に傷ついていった。


「すごい…!ルナ!」

「すっごい威力です〜!!」

「「すげえ!なんだあの剣は…!どうなってやがる!?」」

ギャラリーは沸いた。


ルナが答える。

「メビウスの鎖に宿る伸びる力と縮む力…伸びる力には限界が無いけど、縮む力にはクロスという物理的な楔がある…。

でもそこを超えて縮む力を込め続けた時…!

メビウスのエネルギーは反転し、あらゆる物を切り裂く光の剣となるんだッ…!!」


「…す、すごい…!

何言ってるかわかんないんだけど妾だけかな…!?」


「………!!」

「「………!!」」

ギャラリーは黙った。



 壁際に追い詰められたスピニクス。

ルナの追撃!それを壁を蹴って跳び越す!

見た目に反して身軽なスピニクス。


それを…

「「俺は見物客じゃないぜ?」」

と思いきり叩き落とすギルト!

さらに鎖で捕らえる!

「「今だ!!」」


「ウオオオオー!!」

マホがつけた胸の傷にデュアルクロスを突き立てるルナ!

その柄をグッと捻り力を込める!


ドウッ


スピニクスの体を閃光が突き抜けた。


ルナがクロスを引き抜くと、スピニクスの胸の中心に空いた穴から天井が見えた。

魔物のミイラは再び眠りについたのだ…



と、思った次の瞬間!


ゴシンッ!!


「ぐあぁッ!!」

 スピニクスの両腕がルナを挟み潰す!


ルナは僅かに反応しており、スピニクスの合掌にデュアルクロスを突っ張り棒のごとく突き立てて圧潰を辛うじて防いでいた。

スピニクスはすぐに手を引き抜き距離を取った。


「ルナ君!!大丈夫?!」

ギルトが牽制しつつ、ルナの前に降り立つルナベレッタ。

「くっ…っ油断した…!

足と内臓は無事だけど…左腕がいった…」

あと肋が数本。


「「おいどういうことだ!?

心臓を潰せば倒せるんじゃないのか!?」」


マホもマナも困惑を禁じ得ない。

「そ、そのハズですが…。まさか…」


「…心臓…無いってこと…??」


「そ、そんなことありえません〜!

言い伝えでは、心臓は冥府神の審判を受けるのに必要なんですよ?!

それが無いなんて、ミイラ信仰の根底を否定するようなものです〜!」

マホは知識故にそれがひとしお信じ難かった。


「え…そうだっけ…」

「もーっ姉さんは不勉強が過ぎます〜!」

「む〜っ!!だからこんな気持ち悪い風習早くやめようって言ったじゃん!」


 珍しく揉める姉弟。そこへルナは冷静に割って入った。

「待ってマホ。僕にはそんな突飛な発想には聞こえない。

さっきスピニクスの胸を串いた時の手応えも、空いた穴から見えた景色も…

心臓の気配は無かった。

魔物故の例外か、戦略的意図があるのか…

心臓を抜いてる。…可能性は高い!」


「!そんなハズは…

…いえ、予の頭が固かったかも知れません…すみません。。」


「悲観することないさ。

ここからはその信仰と知識に訊きたい。

抜いた臓物は、その後どうする?」


「ハッ…!カノプスの壺…!

防腐して副葬されます!

ミイラの近くに、壺に詰めて!」


「それだ!その壺を見つけるんだ!

あの巨体だ…かなり目立つサイズのはず…!」


「で、でも…どうやって探しましょう…?手掛かりも無しに…」


「手掛かりならあるさ。

カノプスの壺は副葬品なんだよね?スピニクスは入口側から現れた。そっちの方向にある可能性が高い。

そして何より、今も鳴っているはずだ…」


「!心音…!」


「その通り。そしてそれをいち早く発見できるのは…

ベルさん!ギルト!頼む!」

ルナは左腕をダランとさせながらもデュアルクロスを構え、ギルトに並び立った。


ルナベレッタが心配そうに言う。

「そんな…マホちゃんもマナちゃんも闘えない…

ルナ君も片腕が使えないんでしょ?

…今ギルト様が離れたら…」


するとルナは強気な横顔でこう言った。

「大丈夫です。僕が全員守ります。」


デュアルクロスの輝きも一層力強い。

ルナの意見を後押しするマナとマホ。

「 (かっこいい…)ベル行って!

妾もうだいぶ動けるから!命懸けで逃げるよっ!」

「 (かっこいい…)ベルさん行ってください!

姉さんは予が肩を貸します!」


「…わかりました。皆さんを信じます!どうかご無事で!」


「「お前ら死ぬなよ!食い扶持が減るからなー!!」」

 ギルトはそう言って鎖を伸ばし、自身とルナベレッタを引っ張り上げ飛んでいった。



「ねぇ…ギルト様ってちょっと可愛くない?妾だけかな?」

「うん」

「うん…」

 皆の意見は一致した。


to be continued


デュアルクロスの名前、構想段階ではダブルクロスだったんだすよね。それがネット検索したらもう2次元にそれっぽいのがあったので仕方なく改名(´・ω・`)ちなみにデュアルクロスっていうインナーはあるそうです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ