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【処女作完結】Mobius Cross_メビウスクロス  作者: 阿暦史
【第三章】砂漠と骸と魂の都
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『Mobius Cross_メビウスクロス30:追跡』

追え追えミイラ。マナを救いだせ〜。ルナベレッタとギルト辺りが活躍


☆登場人物

·ルナ:主人公の少年。かわいいだけじゃない!

·マナ:車輪靴を履いて舞う様に闘う異国人。元気。

·マホ:双剣で舞う様に闘う異国人。ぽや〜ん。

·ルナベレッタ:通称ベル。囚われてたシスター。自分を責め過ぎる癖がある。

·魔神ギルト:ルナベレッタの一部に宿り、罪を喰って力を増す鎖翼の異形。

·シャレス:マナとマホを迎えに来た異国人。世話係。


『Mobius Cross_メビウスクロス30:追跡』



 マナがミイラの軍勢に攫われた!


 シャレスがラクダで追うが、ミイラガゼルの引くチャリオットは速く、砂埃を舞いあげてどんどん見えなくなっていく。


「追え!見失ったら終わりだ!」

焦るシャレスに、ルナ達もラクダで追いつき声をかける。

「シャレスさん落ち着いて下さい!

大丈夫です!必ず追いつけます!」


「ッ何を根拠に!!

あなたがたの中に、ガゼルより速く駆ける者がいるとでも言うのか!!」


「いえ!僕もマホも此処であれに追いつくのは無理でしょう…でも、これを見てください!」

ルナは、その手に握るメビウスの鎖を見せた。その鎖は、チャリオットが去った方向に這って伸び続けていた。


「この無限に伸びる鎖はチャリオットの船底に刺したクロスと繋がっています。

辿ればラクダの持久力です、いつかは追いつく…!

または…その前に着くかも知れません…

奴らのアジトに…!」


「おお…!…いやしかし王女は毒蛇に咬まれた…あまり猶予はありませんよ…?!」


「わかっています…あとはマナの体力にかけるしかない…。」


 ルナ達は鎖を辿り、戦火を横目にイウヌポリスの南門を抜けた。

暫くすると、景色が荒野から石造りの遺跡地帯へと移り変わってきた。


「鎖の手応えが変わった…。どうやら近いようです。」

ルナがそう言うと、シャレスは神妙な面持ちで語った。

「ここは…古代王家の遺跡…。もしやとは思っていたが…。」


「心当たりがあるんですね。」


「すみません。

異国のあなたがたに話してもイメージが沸かないだろうと伏せておりました。

ただ、確証を掴む余裕も我が国に無く…。」


「仕方ないですよ。

ご先祖様が栄え没した地を疑ったり、暴いたりするのは辛いはずです…。

何よりあなた達はまず国を守らなければならなかった。

王子と王女も捜しながら。。」

帝都にてその王子と王女も死にかけたが、それについては伏せておくルナであった。


「…ルナ殿…。

しかし、王女の…マナシス様のお命には代えられません…!」


「必ず今日で救いましょう…!マナも!この国も…!」


「はい…!」


「あそこのようです!」

 ルナが指差し言った。

メビウスの鎖は、遺跡の地下道へ続く入口の暗闇へと伸びている。


するとシャレスは真剣な眼差しで問う。

「ルナ殿。貴方にマナ様は救えますか。」


ルナもまた真剣な目で答えた。

「今の僕一人では無理です。

が、ベルさんとマホがいれば、絶対に…!

だからシャレスさん…ここは僕達に任せて、イウヌに戻って下さい。

この場所の連絡と、国の護衛を…!」


シャレスはフッと微笑み、

「ルナ殿、コレを。」

と言って小瓶を投げて寄越し、ルナはそれをキャッチした。


「解毒薬です。…マナ王女を…お頼み申し上げます…!」


「…この命に代えても。」


 それを聞き、シャレスは一人離れて行った。


 道中シャレスはあっ…と思った。

…マホ王子も行かせてしまった…。

しかし今さら呼びに戻るのもなぁ…道半分来ちゃったしなあ…

もういいや!

そうなったら腹かっさばくくらいの覚悟で決断した!

…ということにして、自分の仕事を全うしよう…。

ルナ殿、ベル殿、マホ王子にマナ王女…どうかご無事で… (切実)



 ルナ達は遺跡の地下道に入り、チャリオットに辿り着いた。

荷台にはミイラやマナの姿は無く、遺跡の奥へ運ばれたようだ。


マホは焦る。

「ど、どうしましょう!手分けして探しますか!?」


対してルナは冷静。

「いや、もっと確実な方法がある。」

そう言ってルナベレッタとギルトの方を見る。

「?」「「?」」


「ベルさん…ギルト…二人は感覚を共有している。つまり人の倍以上の感覚を発揮できるということ。この国に着いた時、真っ先に戦火の音を聞き分けた、あの時のように。」


「!」「「!」」


「それでマナを追ってくれ。ラクダの唾を浴びた彼女の匂いを…!」


マホは感心した。

「そんなことができるんですか!」


「「…仮に出来るとして、そんな犬みたいな真似をする義理があるか?」」

などと言ってはいるが、ギルトは実質ルナに救われた身であるため、立派な義理がある。

マナとも浅からぬ仲…ちょっと脅したらすぐ聞いてあげるつもりだった。


 「頼むよ…!何でもするから!」


 「!…よ、予も…!何でも…しますから…」


「「!?

あぁん〜??しょうがねえなあ〜。」」

思わぬおまけが付いてきた!

あとで思いっきり罪を犯させてしゃぶり尽くしてやろう!


「ありがとうギルト!

罪悪感は足りてるかい?必要なら捻出するよ!」


「「フンッ!今はいらん!

マナが攫われた瞬間から、ルナベレッタがたらふく垂れ流してる…!」」

 そう言うと、ルナベレッタの背の中心…両翼の間から太い背ビレのように大きい鼻が生えてきた。

深く息を吸うと…


「!…っうぷっ…!!!」

吐いた。

今まで味わったこともない凝縮された臭いを叩きつけられる感覚。

カビ、ホコリ臭さ、何かの腐臭、発酵臭…血の匂い…そして…


「だ、大丈夫ですかベルさん!?」


「ハア!ハア!うっ…だ、大丈ぷっです…

これくらい…マナちゃんの苦しみに比べたら…!

急ぎましょう…!」

 ルナベレッタを先頭に、一同は遺跡の奥へと踏み入っていった。


to be continued


早くヒロピンが観たいかい?次回だ。全裸で座して待っているんだな。

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