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【処女作完結】Mobius Cross_メビウスクロス  作者: 阿暦史
【第三章】砂漠と骸と魂の都
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『Mobius Cross_メビウスクロス28:イウヌポリス』

マナとマホをお迎えに来た青年、シャレス。彼が告げる危機とは…?


☆登場人物 (この回に出ないのもいます)

·ルナ:主人公の少年。かわいいだけじゃない!

·マナ:車輪靴を履いて舞う様に闘う異国人。元気。

·マホ:双剣で舞う様に闘う異国人。ぽや〜ん。

·ルナベレッタ:通称ベル。囚われてたシスター。自分を責め過ぎる癖がある。

·魔神ギルト:ルナベレッタの一部に宿り、罪を喰って力を増す。

·シャレス:マナとマホを迎えに来た異国人。世話係。


·シャハネさん:美人のお姉さん。一緒にお風呂に入ってくれる(洗礼)。

·ランス:主人公の救世主。銀髪のイケメンちょっとツン。

·ガリア:拳の救世主。巨漢でクールな力持ち。ちょいコワ男前。

·スクード:盾の救世主。長身軽口兄貴。女性に甘いハンサム。


·ゴルゴーン:蛇術館の主で全身甲冑の謎の彫刻家。美しい女の裸像は命が凍りついたかの如き出来栄え…

·ヒュオラ:蛇術館の侍女長。メガツインテールの幼女。館の召使い達は誰も彼女に逆らえない。

『Mobius Cross_メビウスクロス28:イウヌポリス』



 マナとマホを訪ねて来た青年、シャレス。

彼が告げた危機。

マナ達の故郷でいったい何が起こっているのか…。


「マナシス様達を捜索しだして数日が経った時でした…。

 我が国に死者…ミイラの軍勢が攻め込んできたのです…!

奴等は切っても突いても止まらず、倒すには心臓を破壊するか燃やすしかありません…。

さらに恐ろしいことに、奴等は犠牲となった人々の遺体を持ち帰り、自分達の仲間に変えてしまうのです…!」


ルナは感想を漏らした。

「…お、悍しい…!」


「はい!そうなのです!

徐々に我が国の防衛線が侵蝕され、討伐部隊を下手に派遣すればミイラ取りがミイラにされて攻め帰って来る始末…

…ところであなたは?」


「僕はルナ。メシア教団です。

マナとマホには命を救われました…

僕に出来ることなら何か援助したい…!」

ルナに続くように、先程からやたら心配そうな顔で物言いたげにシャレスの話を聴いていたルナベレッタも口を開く。

「…私はルナベレッタと申します!

…勝手に名乗ってすみません。

私にも何かお力になれることがあれば…!」


シャレスは戸惑いの色を隠せず言った。

「あ、ありがたい申し出ですが…女性や少年にどうにかできる問題では…」



「つーかマホ、お前王子だったんだな。」

 ランスが突然後ろから声を出したのでシャレスはビックリした。

「うぉ!…今度は何奴!」


マホは呑気にランスへ答える。

「えへへ…お恥ずかしながら〜。

もちろん姉さんは王女です〜。」


そしてマナはシャレスへ注意する。

「こらシャレス!その人がランス!

あと妾たちのことはマナとマホで呼んで。

友達の前なんだから。」


「おお!貴方がランス殿…!!

失礼致しました。お噂はかねがね…

もしや!貴方が助力に来ては…?!頂け…?!?」


「ねーな…悪いが。」

ランスはあっさり断った。シャレスがっかり。

「そ、そんな…」


「…俺が今、帝都を離れる訳にはいかねーんだ…。

噂はかねがねなんだろ。

だが俺もイウヌには世話になった。救いたいのはマジだ。

使徒を二人、派遣しよう。信頼できるやつらだ。」


「おお…!」


 「ルナ!ベル!行ってこい!」


「ええ…」

すかされた様子のシャレスをよそにルナとルナベレッタは表情が明るくなる。


ランスは続けた。

「ナメんなよ?

ルナは俺を超える (かもしれない)男で、ベルは俺の妻になる (かもしれない)女だぜ?」


「えーいーなーベルー!妾も妻にしてよーランスぅ」


「ちょちょ…!マナシスさ…マナ様!」


「ほっほーう、だってよ。どうするベル?」


「そそそんな;私なんて///

マナちゃんのほうがずっとランス様に相応しいのでは…ないでしょうか…」


「あーあ、ダメだってよ、マナ。」


「ぶーうヽ (`Д´#)ノ」


「あぁ…;マナちゃんごめんなさい…;あっ…謝るのもアレですね…!?

すみませ…あっ;」



 一頻りごたついたあと、シャハネさんとランスが餞別の言葉を贈る。

「頑張って下さい。

ルナさん、ベルさん、マナさん、マホさん、シャレスさん!」

「ベル。気をつけてな。

ギルト!なまってねえだろうな…?」


「「…フン!マナのせいで退屈はしなかった!

何かあったらお前の責任だ!」」


「よし。

ルナ!ベルのこと任せたぞ!

死んでも守れよ!」


「っはい!!!」


「よしお前ら、一人も死ぬんじゃねーぞ!行ってこい!」


 おー!と気合を入れ、ルナ、ルナベレッタ、マナ、マホは、シャレスに案内され、砂漠を越えた先にあるマナ達の故郷…

イウヌポリスへと向かう。



 青い空と黄色い砂漠のハイコントラストな世界。

ラクダにまたがり二週間程の旅路。


「便利ですね。これは何ですか?」

シャレスが訊ねた。


「えーっと、展開式の日除け傘ですね。」

ルナが答えた。


「風通し良く、例え厚着しなくても日光を凌げ、さらに持ち運べるとは…。

砂漠の民である我々も目からウロコです。

こんな物が開発されているとは、流石帝都で御座いますね!」


「いや…これは師匠、ランス様のお手製なんですよ!」


「なんと!ランス殿は発明の才もお有りで!」


「本当に…。あの方には、未来を予言する力があるようです。

だからきっと今回、御本人は出れなくても、僕達に任されたことが正しい道に繋がっています!

必ず…イウヌポリスを救いましょう!」



 昼は白熱の太陽。

無理はせず、休みながら。

シャレスが印したオアシスを、ラクダの足跡で点々と繋ぎながら。


 夜は銀河色。

今度は寒さに気をつけて、星の河に沈む暗い砂漠を渡っていく。


 砂漠の夜明けは美しい紫。

マナは云う。

この一瞬の世界をラクダで風切って走るのが、この世で一番気持ちがいい。

ルナベレッタの白金の長髪が風に乗る。

救済の旅ながら、とりわけ彼女にとっては、こんな爽快感も、世界の雄大さも、浸らずにはいられない…目を輝かせずにはいられない。

それを見せる為に、ランスはあえて二人を送り出したのかも知れない。



 そうしてマホやマナの故郷、イウヌポリスへ近づいていった。


to be continued

たまには旅でもさせるか(´・ω・`)

次回砂漠のとんでもない怪獣と出くわします。

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