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【処女作完結】Mobius Cross_メビウスクロス  作者: 阿暦史
【第二章】救世主と紀元の吸血鬼
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Mobius Cross_メビウスクロス21:修練

吸血魔を追うメシア教団。ランスの能力が明らかになるかも!


☆登場人物

·ルナ:主人公の少年。かわいいだけじゃない。

·マナ:車輪靴を履いて舞う様に闘う異国人。元気。

·マホ:双剣で舞う様に闘う異国人。ぽや〜ん。

·シャハネさん:美人のお姉さん。一緒にお風呂に入ってくれる(洗礼)。

·ランス:主人公の救世主。銀髪のイケメンちょっとツン。

·ルナベレッタ:通称ベル。囚われてたシスター。自分を責め過ぎる癖がある。

·魔神ギルト:ルナベレッタの一部に宿り、罪を喰って力を増す。

·ガリア:拳の救世主。巨漢でクールな力持ち。ちょいコワ男前。

·スクード:盾の救世主。長身軽口兄貴。女性に甘いハンサム。


·パーニャ:貧血と陽に当たれない病気の少女。夜な夜なヴァンと共におさんぽする。

·ヴァン:意思を持つ吸血の魔剣。夜な夜なパーニャと共に血を求め回遊する。


·ゴルゴーン:蛇術館の主で全身甲冑の謎の彫刻家。美しい女の裸像は命が凍りついたかの如き出来栄え…

·ヒュオラ:蛇術館の侍女長。メガツインテールの幼女。館の召使い達は誰も彼女に逆らえない。

『Mobius Cross_メビウスクロス21:修練』



 ランスが神石に触れる…。


並の人間の背丈程もある石、今までの者は普通に立ったまま手で触れていたが、ランスは違った。

跪いたのだ。

祈りを捧げようとでも言うのか。

そうして神石を下からさするように手で触れると…




カッ!!




次の瞬間、目も眩むような輝きに堂内が包まれた。


なんだ?何処が光っている?

徐々に目が慣れてくる。そして目を凝らすと…




 どちらともが光を放っていた!

さらにランスは、巨大な神石を片手で軽々と持ち上げているではないか。

その圧倒的超人性を前に、全員が息を呑んだ。


「どうだ?特別感あるだろ。」

ランスは貫禄の笑みを浮かべてそう言うと、ゆっくりと神石を元の場所に下ろした。


「っキャーッ♪ランスー!マジカッコイー!見て見てマホ〜!」


「すっごいでございます〜…!つまり…

与恵で皇禽と言うことですね〜!?」

そんなマナマホの倍は驚いているルナが表情を固めたまま言う。

「…それだけじゃないよ…このお方には…」


 今度はランスの手が輝き十字鎗が出現する。

「塑創。アディメンドクロス。」



マナ大興奮。

「すごっ!!いったい何個能力あるの?!」


ルナも大興奮。

「ひょっとして、詣言や許叡もあったりするのでは!?」


ランスは顔の前で人差し指を立てた。

「秘密。」

 事実、ランスは全種類のシンを持つが、

説明が面倒くさいのでよくこれで凌ぐ。




 「さて、戦力も把握できたところで作戦会議に移るか。


 知っての通り、吸血魔は貴族街を中心に神出鬼没に被害を出してる。

被害者の多くが血を抜かれているのが名の由縁だ。

やべえ魔物なんじゃねえかと思ってたが…

弟子!マナ!マホ!お前ら3人がかりでもこんてんぱんにやらる程の戦闘力。

で間違いないか?」



ランスの問いかけに答えたのはマナだった。

「違うよ!勝ちかけたもん!

妾たちの攻撃でかなり追い詰めたんだけど、硬かったし、ボロボロのルナを助けるのが目的だったから見逃したの!」


マホが注釈を入れる。

「…でも〜、予の劔はあの状態でございましたので仕留めるのは難しかったかもしれません〜。。

ルナくんはどう思いますか?」


「…吸血魔は血を吸うほどに強くなります。

マナ達も始めは優勢でしたが、血を取られた瞬間形勢逆転しました。

肌は通常の武器では傷つかないほど硬くなり、マホの劔でようやく切り傷が入る程度でした。

なんとか追払えたのは…相手に油断と戸惑いがあったからだと思います。」


マナとマホは眉を顰めつつうーん確かにと納得の色を見せた。



 ランスはそこで答を一つ出した。

「それは勝ちかけたとは言えねえな。

仮に3人万全の状態で仕掛けても、隙見せりゃ負けるってことじゃねーか。

お前らはシンが覚醒めたてってのもある。

まずは…修練を積め。

当面はガリアとスクード以外は自宅警備だな。」


するとガリアが不安要素をあげた。

「それでは索敵面で遅れを取らないか?

神出鬼没な相手には、ランスの詣言(予知)で直接探したいところだが。」


「それがな…今回の奴はなんか掴めねーんだ…。

あとすまん。俺は夜が弱すぎる。」


「…しまったそれがあったか…。」



 ふとランスがあることを思い出したようでルナ達の方を見て訊いてきた。

「あ!そういやお前ら吸血魔見てるよな?

どんな見た目だ?

犬か?蝙蝠か?蛭みたいな化け物か?」



ルナが答える!

「っそう!そのことなのですが!

吸血魔は二人組です!?…いや、一人と一本組…?」


「なんだそりゃ」



マナが補足する。

「えっとね!

なんかお嬢様みたいな喋り方で、あれ剣に見えるけど明らかに生きてたからなんて数えよう?

一羽?一匹??」

できてなかった。


ので、マホがきちんと説明する。

「えっと…

小さい女の子と、生きて飛び回る剣のコンビでした〜!

この剣がすごく強くて、吸った血を女の子に飲ませると、女の子もどんどん強くなるんです〜!」


「なるほど…。その女は見た目人間と変わらないのか?」


この質問にルナは割って入るように答えた。

「人間です!恐らく普通の…。

少し会話しましたが、唆されているだけにも感じました!

できることなら…!武器だけを破壊し、彼女を救ってあげたい…!」


「バカ小便くせえお前の意見聞いてんじゃねえ見た目の特徴を言え。」



「…背丈は僕らより小さく、髪は長い白髪…少しピンクがかっていたかもしれません。

ドレスのような服を着てて身なりはかなり整った感じでした。

…無邪気で、善悪の判断がついていないような喋り方をします…」



「…ん…?」



「名前はパーニャです。

剣の方は、ヴァン…と名乗っていました。」




「あ。



 よし!情報共有ご苦労。

本番は夜。ガリアとスクードで貴族街を探せ。

パーニャ…人間の女は可能な限り無傷で保護。

特にガリア。お前は絶対に剣だけを狙うようにしろ。」



「!…師匠…」

 ルナは安堵の表情を浮かべる。

が、ランスはこう釘を刺した。

「甘く考えんじゃねえ。

犠牲者が出そうな場合、

相手の戦力が大き過ぎて生け捕りが無理な場合、

やむを得ない場合は躊躇わずやれ。

パーニャも…それくらいの罪は背負ってる。」


全員の表情が少しシリアスになる。


「…よし。じゃーガリア、スクードは奥へ。

マナとマホとバカ弟子はそこで待ってろすぐ戻る。

ベルとシャハネさんは仕事に戻ってくれ。」

そう言いながらランスはガリアとスクードを連れて奥へ消えていった。



 三救主の会議部屋には外へ直通の裏口がある。

三人だけになったことを確認し、スクードはすぐにその裏口をくぐった。

「じゃ〜行ってくるぜ情報調達。

俺達じゃあ心許ないが。」


ガリアも続く。

「ランスの予知に頼れん以上足で稼がねばな。」


ランスは見送る。

「すまねえが頼りにしてる…。できれば、

お前らだけで決めきってくれ…。

俺は昼やることがある。」


「わかってるさぁ。仕上がりそうかい?」


「あいつら次第だが、6日で見回りに出せるくらいには上げとくぜ。

新しい予知があればまた呼ぶ。」


「頼りにしてるぜ〜大将。そんじゃな。」

「行ってくる。」



 二人を見送るとランスは聖堂に戻り、ルナ、マナ、マホに指示を出す。

「さてお前ら。修練を積め。3日で戦力になれ。」


「師匠!これ以上被害を広げないためにも僕らが調査に出たほうがいいのでは?」

ルナは焦っていた。パーニャへの心配もある。


が、ランスはそれを見越したように言った。

「敵の戦力がわかって、かつ生き残ってる今の状況がどれだけ幸運かわかるか?

今お前らを抱えて出たら相対的にこっちの戦力が下がんだよ。

人を救いたいなら力をつけろ。」


「…ふにゅう…」



 「じゃマナ。お前はまずそのシンで何ができるか探せ。

自分の力がしょーもないままで終わるのか、有意義なものに昇華できるかで、お前の真価が変わるぜ。」


「おーーっし!!がんばるっ!!」

マナはやる気に燃えて中庭へ行った。



 ランスが続ける。

「マホ。同じくシンに慣れろ。

お前は今までの闘い方の延長がシンで強化されてるだろうが、そこに溺れず乗りこなせよ。」


「がんばります〜!!待って〜姉さ〜ん!」



 残されたルナは待ちきれずにくってかかった。

「師匠…!僕はどうしたらいいんですか?

…シンが新たに手に入ったわけでもない

…特別強いシンというわけでもない僕は…僕は…」


「お前は体術の強化、シンとの親和性の強化、そして何より…

必要とあらばどんな相手でも滅するという覚悟が必要だ。」


「…はい」

「青臭い理想を実現する為の力と覚悟を手に入れてみせろ。」

「はい!」

「じゃ…俺と組み手だ。メビウスクロス使って、全力で来い。」

「は、はい!」


「…あとな…」

「はい?」


 「お前のシンのおかげで、ルナベレッタとギルトは救われた。

俺は評価してるんだぜ。

ガリアのように敵を倒すだけじゃない、

スクードのように味方を守るだけじゃない。

敵も救えちまうような、とんでもなくHappyなお前のシンをな。」



「…はい!!」


to be continued

ランスが面倒臭がった部分もこの先のお話で詳らかになっていくかもいかないかも。

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