『Mobius Cross_メビウスクロス20:現存戦力』
各キャラの能力を見てみる回です。はたしてマナとマホのシンはいかに…
☆登場人物
·ルナ:主人公の少年。かわいいだけじゃない。
·マナ:車輪靴を履いて舞う様に闘う異国人。元気。
·マホ:双剣で舞う様に闘う異国人。ぽや〜ん。
·シャハネさん:美人のお姉さん。一緒にお風呂に入ってくれる(洗礼)。
·ランス:主人公の救世主。銀髪のイケメンちょっとツン。
·ルナベレッタ:通称ベル。囚われてたシスター。自分を責め過ぎる癖がある。
·魔神ギルト:ルナベレッタの一部に宿り、罪を喰って力を増す。
·ガリア:拳の救世主。巨漢でクールな力持ち。ちょいコワ男前。
·スクード:盾の救世主。長身軽口兄貴。女性に甘いハンサム。
·パーニャ:貧血と陽に当たれない病気の少女。夜な夜なヴァンと共におさんぽする。
·ヴァン:意思を持つ吸血の魔剣。夜な夜なパーニャと共に血を求め回遊する。
·ゴルゴーン:蛇術館の主で全身甲冑の謎の彫刻家。美しい女の裸像は命が凍りついたかの如き出来栄え…
·ヒュオラ:蛇術館の侍女長。メガツインテールの幼女。館の召使い達は誰も彼女に逆らえない。
『Mobius Cross_メビウスクロス20:現存戦力』
メシア教団一同は聖堂に移動した。
ランスが説明を始める。
「じゃあマナ、マホ、その神石に触れてみてくれ。
シンっていう神の力が覚醒めてれば何かしら反応があるはずだ。」
…反応が無いこともあるから…
ルナはフォローする心の準備をしていた。
「ほい。」
ピカー。
「はい。」
ピカー。
「…石が光るってことは…二人とも“与恵”のシンだな。」
「ほぇ〜妾たち異教徒なのに。ひょっとしてけっこう倍率ゆるいの?」
「…いぃや。そこそこ一握りのはずだ。
まー、ある者にはある、ってのはこの世の真理だからな。お前らは、無い者より頑張れってこった。
ちなみに与恵は、触れた物に何かしら力を付与する。
試してみな。」
マナとマホは椅子やルナなど色々な物に触って確かめてみるが特に変化はない。
「え?何が?どうやって?」
「何かイメージ湧かねえか?
大抵はシンが覚醒めりゃ自然と扱い方が降りてくるもんだが…。
与恵の場合殆どは自分に縁の深い物体や物質だな。」
「縁の深い…
あ!そっか!!」
「お待たせしました」
シャハネさんが奥からマナたちの持ち物を抱えてきた。
石が光ったすぐ後に席を外していたが、これらを取りに行っていたのか。
「待ってないよ〜♪シャハネさんありがとっ♪」
「予の劔〜!…あれ?予の、予のローブはどこでございますか〜?!」
焦っているマホに、ルナベレッタが言葉をかけた。
「あ…あのローブは少しほつれていたので私直して洗って干してしまいました…。
勝手にごめんなさい。」
「あ~!いんですいんですベルさん…!
でもあのローブはお婆様の形見で、大切にしているものでございますから…」
ランスが横槍を入れる。
「こらマホ。人の善意に文句言ってんじゃねえどうなんだシンは。」
「はわわっ…!ごめんなさ〜い!
えと…劔、劔…」
マホがサーベルを持つと、たちまちに光り輝き形状が変化していく…!
パァンと光が弾けると、ボロボロだったその刀身は明らかに違う物に変身していた。
「…チェインソード…」
分厚くギザギザな刃。
マホの双剣はまるで大ぶりなノコギリのようだった。さらに
「…廻れ」
マホがチェインソードの鋸刃を火打ち石のように一擦りすると、その刃は一定の速度で回り続けた。
岩さえも切断しそうな威力が切り裂かれる空気の音で解る。
「…止まれ。」
刃はピタリと鎮まった。
一番びっくりしているのはマホ自身だ。
「顔に似合わず厳つい武器だな。使えそうじゃねえか。」
ランスはそう評した。
…内心羨ましいルナ。
「さて、マナは?」
ランス達がマナに視線を向けると…
「廻れ!ローラーブレイド!」
凄まじい気合いとともに、車輪靴を進化させたマナが…!
…スイーーー…と直立のまま水平移動していた…!
ランスが問う。
「…?…あれは…なんだ…?」
シャハネさんが推察する。
「…恐らく…踏み切らなくても車輪が転がるようになったのでは…!」
「…妾の能力しょぼっっ!!!!」
マナは思わず自分でツッコんだ。
「ええ〜何これ〜!やり直したぁいっ!!」
仲間達は思い思いの言葉で慰める。
「…だ、大丈夫だよ!シンって後から覚醒めることもあるしさっ!」
「…ね、姉さんはもともと強いから大丈夫です〜っ!」
「…そ、そういうこともありますよっ!」
「…き、気を落とさないで…?あ…生意気にすみません…。」
「あるだけマシだろう。」
「かわいいからなんでもいいさ。」
「思ったよりしょぼかったな。まあ諦めろよ。」
「最後の方慰めになってなぁ〜い〜っ!」
地団駄を踏みながらスイスイ水平往復するマナ。ひとしきり暴れると
「まいいや。
次は…ルナ触ってみて〜?」
と切り替えて振ってきた。
「え?僕?」
「うん!妾たちも皆の能力知りたい!
あと面白いじゃんコレー♪」
…そう言えば今の僕が触るとどうなるんだ?とルナは神石に触れてみる。
離してみる。
…特に何処かが光ったりはしない…。
ルナが黒歴史を思い出して秘かに胸がくるしくなっていると、それを見てランスが語る。
「これが塑創のシンの虚しいところだな。
物が生まれた後は反応しなくなる。」
マナは続けて振る。
「へー。じゃーベルは?」
「…私…ですか?たしか以前させて頂いた時には…」
そう言って神石に触れるルナベレッタ。
特に変化はない。
それを見てランスが語る。
「ベルは罪を喰う魔神が憑いてるからな。
シンも、有って許叡、精神に関わる力だろう。」
「魔神??」
マナの疑問にルナベレッタとランスが答えた。
「はい。罪に苦しむ人からその罪悪感を取り除き、お救い下さる魔神様です。」
「ああ。グロくてキモくて罪を食うんだ。デカくて強い。
あと本気になりゃ記憶ごと罪を抜き取る。
ベル、ちょっと見せれるか?」
するとどこからともなく声が
「「ふん!誰がグロくてキモいだ!
こういうあっけらかんとした奴らに興味は無い。
俺に会いたきゃ罪を持って来い。」」
「おお!声がする〜!
なんかフられたけど、よろしくねーギルト様ー♪」
マナは次々振る。
「えっとー。次、シャハネさん!」
「え?私もですか?」
「シャハネさんってシンあるの?」
「ええまあ。私のは、油を変化させたりする与恵のシンですね。」
そう言って神石に触れるシャハネさん。
ピカーーーッ!
「あれ?なんか妾たちの時より光強くない?」
ランスが語る。
「シンは人によって種類も違えば強さも違う。
光の強さはその指標だな。」
マナとマホとルナは感心する。
「えー!妾たちよりシャハネさんの方が強いの??」
「優しくて綺麗なだけじゃないんですね〜!」
「考えてみれば凄いことですよね。
他人の能力を覚醒めさせる力なんて。」
するとランスが補足を述べた。
「シャハネさんの有能さは言うまでもないが…
ま、シンの強さが人の価値を決めるわけじゃねーから勘違いすんなよ。
…あとお前らちなみにな…?
こう見えてシャハネさんめっっちゃ強いぞ。
怒らすなよ?」
え…と驚く3人。
ランスにシャハネさんが注意する。
「んもぅランス様変なこと吹き込まないでくださいっ。
めっ
しますよ!」
「OKありがとっ!強いヒト好きよ。怒ってくれる人もね♪
じゃーあー、次はスクード!やってみてやってみて?」
また振り始めるマナ。
「へへっ…。こんなんじゃあ俺の魅力は測れないと思うがね。
ほらよっと」
スクードが触れると神石がキラキラと輝きを放った。
「へー、スクードも与恵なんだ。」
…マナやマホにとっては、光の強さが期待外れ、という印象らしい。
しかしルナにとっては予想外れの方が大きい。てっきり…
「そうさルナ。
俺の本命はこっち。」
そう言ってスクードが拳を掲げると、激しい光とともに半十字の大盾が両腕に出現した。
「塑創のシン。ジェミンアイギス。」
「えっ!能力って2個いけるの?!」
「〜っ!さっすが僕らの救世主!!…シビレます!!」
「どんな能力でございますか〜?!」
驚き興奮するマナ、ルナ、マホ。
「シンプルさ。ど〜んな攻撃も防ぐ。
防いだ攻撃は倍の衝撃で相手に返る。」
「…それほんと…?負けないじゃん…。」
あまりの強さに若干引き気味のマナ。
ランスが補足を入れる。
「控えめに言って無敵だな。
しかも与恵のシンは弱い魔術の類なら打ち消す。」
「最強じゃん!!」
「いや。どっちかって言うと最強枠はガリアの方だな。」
「え!?!」
ランスの言葉にマナとマホは耳を疑った。
どこをどうこねくり回したら今聞いたスクードの能力を超えてくるのか見当もつかない。
マナは恐る恐る訊いた。
「じ、じゃあ…ガリアはどんな能力なの…?」
ガリアは落ち着いて答える。
「俺のシンは皇禽。
力が増す。」
「チカラガマス…?未知の能力…」
マナが混乱したのでランスが補足を述べる。
「力自慢ってことさ。純粋なパワーが最強なんだよそいつ。
わかりやすいだろ?」
スクードが付け足す。
「単純だろ?」
バシンっ
ガリアは暴力で訴えた。
「っ〜…明快だろ?」
「確かにわかりやすいけど…実際どのくらい強いの??」
マナの質問に考え込む三救主。
ただひたすらに強い、ということを具体的に表現する言葉は無いのかも知れない。
ランスがどうにか絞り出したのは
「人間が想像できる範囲の…神話の神とか怪物とかいるだろ?
それくらいに強いのが、ガリアだと思ってくれたらいい。」
というぼんやりした説明だった。
「へぇ〜、じゃあ、神石に触れたらどうなるの?」
マナを含め皆の視線がガリアに注がれる。
するとガリアは首を横に振って応えた。
「…やめた方がいい。
この場にいる全員の目が使い物にならなくなる。」
「お、おお〜…!
わかった!ありがとう!」
実行せずとも疑う余地なく凄みが伝わってくる。
マナは納得し、最後の一人に振る。
「さーて最後!真打ちランスね!」
いよいよ想い人のことを知れる!とマナはウキウキだ。
しかしそれ以上に胸を踊らせている人物がいた。
ルナだ。
概要は掴めている。
先二人のシンも、幼き日の記憶から推察しそこまでかけ離れたものではなかった。
しかしこのランスという男は底が知れない。
まして、あの二人の救世主を差し置いて筆頭を張っている。
分かっているのは鎗を使うということのみ。
いったいどのようなシンを持っているのか…
「当ててみな」
to be continued
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