冒険7 制服と私服の違い
ギルドに戻って来た佳恩、海、晶、なぎさは、集まって話し合いをしていた。
「そういえばさ、佳恩ちゃんと海君って不思議な服着てるよね」
「「「あ」」」
「?…あ、ごめんね!失礼だったね!ホントごめん忘れて!」
なぎさが慌てて発言を取り消そうとする。
「ヘイ佳恩」
すると海が、スマホについているあの超有名なアレのように佳恩を呼ぶ。
「ハイ、ナンデショウ」
佳恩がスマホについているあの超有名なアレのように答える。
「俺達が今着てる服の名前は?」
「…制&服、デス」
「制&服はどこに着ていく用の服?」
「学&校デス」
「学&校で明明後日何がある?」
「期末テスト、デス」
「ヤバいよ」
「知ってます」
「「晶ぁ〜〜!」」
「ご、ごめん」
「え?え?え?ちょっ、待って私を会話に入れて」
混乱するなぎさ無視して、話をどんどん進める。
「もうホントにごめんなさい」
「まあ、期末テストは置いといて」
「置いといちゃダメだよ!」
「制服はやめよう」
「うん、それはいいと思うけど、期末テストを置いといちゃダメだよ」
「服を作ろうと思うの」
「うん、それもいいと思うけど期末テストを置いといちゃダメだよ」
佳恩は、『期末テストを置いといちゃダメだよ』を連呼する海の、『いいと思う』の部分だけを聞き、喋る。
「だから、生地を買いに行きたい」
「え、佳恩服なんて作れるの?」
『期末テストを置いといちゃダメだよ』を言うのも忘れ、佳恩に聞く。
「…気合いで作ります」
「「「…頑張れ」」」
「で?生地ってどこに売ってんの?」
「ああ、私が知ってるよ。折角だから4人で行こっか!」
「「「おー!」」」
「どこに行くの?」
「市場だよ!」
「市場があるんだ〜!」
「レッツゴー!」
「「「お〜!」」」
「ここが市場だよ!」
「っ!?」
佳恩の鼻がピクッと何かに反応する。
「はあ〜…またか…」
海が深いため息をつき、ぼそっと言う。
「「?なにが?」」
「まあ、見てれば分かr」
「ちょちょちょちょちょおおーー!ヤバい!これはヤバいーー!」
海の言葉を遮り、佳恩が叫ぶ。
「あっち!あっちからヤバいオーラがあああぁぁぁぁ!」
佳恩は走って1人でどこかに行ってしまいそうになった。…が、海と晶がなぎさを連れて凄い速さで追いかける。
「こらあああぁぁぁ!佳恩!まてぇぇ!」
「「これの事かぁ…」」
超特急で佳恩を追いかける海の脇に挟まれながら、2人は呟いた。
ギュンっと佳恩が急停止すると、海達もそこで止まる。
そこには、他よりも少し小さめの屋台があり、綺麗な布が数えきれないほど売っていた。
「うわああああぁぁ!!すごおおい!この布すっごい!」
「佳恩…その『布だーいすき!』っていう癖もいい加減直しなよ」
「佳恩って変な癖しかないよね」
佳恩は、綺麗な布が大好きだったのだ。綺麗な布を目にすると、佳恩は理性を失い、『うわあああああ』や『すごおおおおい』など、叫ぶしか能がなくなるのだ。
「あ、あの、お、お客様…ですか…?」
店にいた少女が、おどおどとたずねる。