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血染めの聖剣  作者: 真夜中
一章 新人冒険者編
6/9

森の採集インストラクト

 彼が自分の特異さに気が付いたのはいつだったか。

 見て聞いたことは、すぐに覚えて忘れなかった。数の数え方も簡単に出来るようになった。周りが頭を捻るような問題もあっさりと解決方法を提案できた。

 ようするに彼は頭が良かった。周囲と比べて、ずば抜けて。

 同胞はそんな彼を大いに褒め、頼った。

 彼もそんな期待に応え、たくさんのことを学び、知識を得て、自分が同胞たちの誰よりも知恵が優れているとの自覚を持った。

 そして、そんな彼が周囲を下に見るかというと――そうではなかった。

 彼は頭が良いがゆえに理解できていた。知恵があるというだけでは、この過酷な環境を生きていくことはできないことを。生きるには純粋な武力が必要であることを。そして、自分は戦士としては平凡であることも。

 なにより、彼は家族を、友を、同胞たちを尊敬していた。力を合わせ、懸命に生きていくその姿を。

 だから、彼は驕ることなく、その知力を同胞たちのために使うと決めた。

 道具を工夫し、戦い方を考え、罠を作り、生きる上での効率の良い仕組みを編み出した。

 そうして自らの住む集落に貢献し続け、いつしか彼はその集落の長となっていた。


                        ☆


 その日、いつもの通りの時間に冒険者ギルドにやってくると、受付嬢のひとりに声をかけられた。

「リースさん、ちょっといいかしら?」

「フィリシャさん? 何か御用ですか?」

 呼びかけてきたのは、受付嬢のフィリシャ(26歳、既婚)だ。人妻の色香を無自覚に振りまき、青少年の冒険者をドギマギさせまくっている魔性のお姉さんである。

 と、そこで彼女のそばに男の子と女の子がいることに、リースは気が付いた。

「ええ、実はこの子たちなんだけど……」

 そう言って、フィリシャは二人の子供を優しく前へ押し出した。

 改めて見てみると、どちらも十歳を少し過ぎたくらいに見える。男の子のほうは赤茶けた髪で、負けん気の強そうな顔つきをしている。女の子はくすんだ金髪に、やや気弱そうな印象を受ける顔立ち。どちらもツギハギだらけの、薄汚れた粗末な衣服を身に着けていた。

 一瞬、フィリシャの子供かと思ったが、それにしては年齢が高いので、すぐに思い直した。となると、見た目のみすぼらしさから、この町の孤児だろうか、と辺りをつける。

「この子たち、この町の孤児院の子なんだけど、ついこの間、二つ星に上がったの」

 ああやっぱり、とリースは己の予想の正解を知った。そして、この後に続く言葉もなんとなく予想できた。

「それでね、今日が初めての薬草採取のお仕事なんだけど、リースさんに一緒について行ってあげてもらえないかしら」

 続いた言葉もやはり予想通り。

 それにしても、これは先日ミレルと会話した時のアレだろうか。

「もしかして、ミレルさんから何か聞いていますか?」

「へ? ミレル? どうしてあの娘が出てくるの?」

 どうやら違ったらしい。となるとこの件は、単純にフィリシャの個人的なお願いということか。

「つまり初心者の引率ということですね」

「ええ。正直、リースさんにはなんのメリットもないのだけど、ね。お願いできないかしら?」

 リースはすこし考える。以前にミレルと話したときは、明確に仕事としての話だった。だからもしそうした依頼を打診されて、それを受けるというのなら報酬もでる。

 変わって今回の件は、仕事ではなく個人のお願い。報酬の出ない、いわゆるボランティアのようなもの。フィリシャの言うようにリースにはなんの利益もない、それどころか、言い方は悪いが足手まといを二人連れて、その二人に採取の際のマナーや注意点、起こり得る危険と対処法などを、実地でレクチャーすることを期待されている。はっきり言って損しかしない。

 もっとも、別にリースとしては嫌というわけではなかった。懐事情が切迫しているわけでもなし、一日くらい潰れることはたいしたことではない。

 では何が問題かというと、これが前例になって次から次へと押し付けられることだ。一度や二度くらいなら構わなくとも、流石に延々と都合よく使われるというのは御免被りたいところだが……。

 リースはちらりと二人の子供を見る。

 男の子は不機嫌そうな目で、女の子は不安そうな目で。どちらも態度は真逆でも、こちらを窺うように見つめていた。

「……わかりました。一緒に行きましょう」

 結局、承諾した。というか最初から断る気は無かったと言うべきか。

 元々リースは子供に優しい。自分から近づいたりはしないが、寄ってこられれば決して無下にはしない。

 単にリースが子供好きというわけではなく、リースにとって子供とは弱い者、庇護を必要とする者だからという認識だからだ。大抵のひとはそうだろうけれど、リースは特にその意識が強い。

 まあ、これが裕福な家のボンボンとかだったら流石に迷っただろうが、孤児となれば断る選択肢はなかった。

「まあ! ありがとう、リースさん! ほら、あなたたち、自己紹介して」

 嬉しそうに感謝を述べて、フィリシャは少年少女を促した。

「……マタル」

「ユミス、です。きょ、今日はよろしくお願いします」

 男の子は仏頂面で名前だけを呟き、女の子はたどたどしくも礼儀正しく名乗った。

「私はリースと言います。よろしくお願いしますね」

 リースも丁寧に名乗り返す。決して居丈高にはならない。子供に限らず、気の強い性格相手にそうすると必ず反発されると、経験的に知っていた。

「よかったわ、引き受けてくれて。リースさんなら安心して任せられそうだから助かったわ」

 のほほんと喜んでいるフィリシャだが、ちゃんと釘は指しておかなければならない。

「ところで、引率は今回だけですか? あまり何度もやるというのは少々困るのですが」

「あ、そ、そうよね。リースさんに負担になってはだめだものね。とりあえず一回でもやってみればだいぶ違ってくるはずだから……」

 口ではそうは言いつつ、できれば身に着くまで面倒見てほしいなあ、という思いが透けて見える態度だった。

「――まあ、この子たち次第ですね」

「! そう、ありがとうね。あなたたち、このお姉さんの話をよく聞いて、ちゃんと勉強するのよ」

 もはや受付嬢というより、小さい子供を教育する先生みたいになっているフィリシャだった。

 マタル少年とユミス少女も「わかってるよ」「が、頑張ります」と各々返事をする。

「それでは時間を無駄にはできませんし、さっそく出発しましょう。――と、その前に」

 リースは改めて子供二人の恰好を見て、

「まずは準備が必要ですね」



 リースたち三人は、あの後ギルドから出て町の西門を通り、西側にある森林地帯へと向かっていた。

 シバラの町はルーメリア王国の最北西部に位置する。そしてルーメリア王国の西には大陸中央を横断する大山脈があり、その周囲に森林地帯が広がっている。この大山脈と森林地帯は人類未踏の地であり、凶悪な魔物達の棲息地となっている。さらには古の種族エルフの里があるだとか、魔族の国が存在しているだとかまことしやかに噂される、一大ロマンの地となっているのだ。

 三人が目指しているのは、その森林地帯の最も浅い場所、遠目に町が確認できる程度の、ほぼ安全が確保されている地域だ。

 先頭を歩くリースは普段通りの恰好、後ろを並んで歩くマタルとユミスは、さっきまではしていなかった革の手袋と虫除けの匂い袋を首から提げていた。

 これはリースが買い与えた物で、最初はマタルが借りなんぞ作らねえとばかりに渋っていたが、リースが必要性を説くと不承不承受け取った。ちなみにユミスは最初からお礼を言ってもらっていた。

 実際、薬草採取に手袋と虫除けは必須である。毒のある植物は割と少なくないし、葉や棘で指先を切ればそこから毒や病原菌などが入り込む。花粉や樹液で皮膚がかぶれることもしょっちゅうだ。ヒルや毒持ちの虫なんて、森の中ではどこにでもいる。

 本当は服の方もどうにかするべきなのだが、会ったばかりの子供にそこまで施すのは、流石に優遇しすぎと言えた。

「……なあ」

 しばらく黙々と歩いていると、不意にマタルが話しかけてきた。

「なんですか?」

「姉ちゃんの冒険者ランクって、いくつ?」

 不躾と言えば不躾な質問だが、特に隠すようなことではない。それに一緒に仕事をしようという同業者の力量を計るという意味でも、ランクを把握するというのはおかしなことではない。こんな常駐依頼でそんなものを気にする必要はないが。

「星三つですよ」

 正直に答えて上げれば、マタルは一層、不機嫌そうに口を尖らせた。

「なんだよ、フィリシャ姉ちゃんが紹介してくれたから、スゲー冒険者かと思ったら、全然大したことないじゃんか」

「ちょ、ちょっとマタル、いくら何でも失礼だよっ」

 慌ててユミスが窘める。実際、喧嘩っ早い冒険者野郎が聞いたら間違いなくコブシが飛んでいるだろう。

 もちろんリースはそんなことはしない。

「構いませんよ。本当の事ですからね。冒険者になって日も浅いですから」

 軽く笑って受け流すリースに、ユミスはほっと胸をなでおろし、マタルはふんっとそっぽを向く。

 そんなふたりに、ですが、と続ける。

「マタル君、それでも私は貴方たちよりかは先輩で、貴方たちは教えを乞う立場なのです。馬鹿にされまいと気を張る気持ちは理解できますが、その態度はいただけません」

 肩越しに振り返ってやんわりと諭すと、少年はばつが悪そうに口をへの字に曲げた。

「冒険者は血の気の多いひとが多いですからね。子供だからと大目に見る限度が低くなってます。いつもあんな態度だと、頭がたんこぶだらけになってしまいますよ」

「……わかってるよ」

「わかってるなら、誤らなくちゃだよ。ごめんなさい、リースさん」

 ユミスが丁寧に頭を下げ、マタルはぶっきらぼうに悪かった、と一言つぶやいた。

 ちゃんと謝りなよ、と肘で少年を小突く少女のやり取りを、リースは微笑まし気に見つめた。

「――さあ、もうそろそろ着きますよ。いくら危険が少ない場所とはいっても、皆無ではないので気を引き締めてください」

 その言葉に、二人は慌てて居住まいを正した。

 町の外というのが珍しいのだろう、緊張をはらみつつも物珍し気にキョロキョロと辺りを見回す子供達。ここら一帯は割と頻繁に人がやってくるので、草の丈も高くなく地面も踏み固められていて、比較的歩きやすくなっている。

「さて。まずは基本的なことから確認しますが、採取するものは分かっていますね?」

 こくり、と頷くマタルとユミス。

「では採取する薬草の形もちゃんと覚えていますね?」

 平然と首を縦に振るユミスと違って、途端に自信なさげに辛うじて頷くマタル。

「それでは採取する薬草でも、種類によって採るべき部位、つまり根っこや茎、葉っぱに花などが違うということは?」

 これにはユミスも表情を曇らせて、首を横に振った。

「最初にギルドの人に図鑑で教えてもらいましたけど、よくは分からないです。あたし達だけで図鑑を見ても、字が読めないし……」

「気にしなくても大丈夫ですよ。そのためにフィリシャさんは、実地で覚えられるように私にお願いしてきたのですから」

 気落ちする少女を慰めるように、リースは優しくそう言った。

「ではまずは私が手本を見せます。その後、貴方たちに実際にやってもらいましょう。こういうことはしながらの方が覚えやすいですからね」



 指導は順調に進んでいった。

 リースがまず薬草を見つけ、その植物がどんな効能を持っているか、どういった場所に生えるか、どの部位を採るべきかを伝えながら摘んで見せ、すぐに二人に実践させる。

 失敗しても決して怒らず、なぜ失敗したかを見極めて出来るようになるまで根気よく付き合う。

 時折、採取時のマナーや注意事項を教え、なぜそういったことが必要かも説明した。

 少し意外だったのが、ユミスだけではなくマタルも文句を言うことなく、真剣に教わっていたことだ。てっきり多少の反発はあるものだと覚悟していたのだが、杞憂に終わって拍子抜けしたほどだ。

 リースの教え方が良かったのか、子供二人が真剣に頑張ったためか、あるいは両方か、お昼ごろにはもう大体の採取の仕方を習得できていた。

 これならわざわざ自分が付いている必要もない、と判断したリースは、せっかくだからともう少し踏み込んだことも教えることにした。

「採取依頼できているからと言って、指定されたものしか採ってはいけないというわけではありません。森は恵みの宝庫ですからね。たとえばコレ」

 そう言って取り出したのは、大ぶりのキノコ。

「これは食べることができるキノコです。割とそこら中に生えていますので、嫌いでないのなら採っていきましょう。依頼の対象外なのでお金にはなりませんが」

 ただし、と似た形のキノコをもう一個取り出し、

「こっちは毒キノコです。似ていますが別物です。こっちの食用キノコよりもちょっとだけ大きめなのと、カサの部分に赤い斑点があるのが特徴です」

 ちなみに毒キノコの方は、食べても死ぬほどではないがもの凄い腹が下る。このキノコを絞って成分を抽出して凝固させたものが、腹下しの薬になったりする。

「それからこっちの植物は、根っこに睡眠作用がありますね。他のお茶の葉と混ぜて使えば、よく眠れるお茶ができますよ。それから――」

 そうしてリースは知識を披露しながら、ゆっくりと移動していく。

 リースには先程から気になることがあった。

 シバラの町を出てから、実はリースはずっと探知魔術を行使し続けていた。

 その探知可能範囲に、さっきからやや大きめの反応が引っ掛かっているのだ。

 若干迷いはしたものの、自分がいるうちに経験させておいたほうがいいだろうと、リースは判断した。

「それでですね。薬草採取は基本的に地面ばかり見ていることになります。でも森の危険というのは、植物の毒や虫だけではありません。下ばかり見て周りの警戒をおろそかにすると、ほら、見てください」

 リースが指さした方向を見て、採取に夢中になっていたマタルとユミスはぎょっとなった。

 四十メートル程離れたところに、やたらとごつい牙を持ったでかい猪が、こっちを睨みつけていたからだ。

 ファングボア、と呼ばれる獰猛な猪だ。草食動物のくせにやけに好戦的な生き物で、自分よりも大きい相手にも躊躇なく突進してくる危険なやつだ。魔物――魔力を扱う生物とは違ってただの動物に分類されているが、弱い魔物よりかずっと危険度の高い動物である。

 その危険な猪が、やる気に満ち満ちた様子で、今にも飛び出さんと後ろ足で地面を蹴っていた。

「これはまた大物ですね」

「ちょ、ええ!? なに落ち着いてんの!?」

「あ、ああ、あんな大きい猪、ぜったい無理だよぉっ。あたし達、食べられちゃうっ」

 さすがにマタルもふてぶてしい態度は鳴りを潜め、ユミス共々顔を青くした。

「大丈夫ですよ。猪は草食ですので食べられたりはしません。牙で突き殺されることはありますが」

「ぜんぜん大丈夫じゃないよぉ! ――きゃああ!」

 のんびりとしたリースの物言いに悲鳴じみた声で突っ込むユミスは、とうとう突進してきた猪に、本当の悲鳴を上げた。

 もちろんリースは慌てることなどない。すでに仕込みは済んでいる。足元から伝わらせた魔力を、前方の地面に向けて伝播させ、猪がトップスピードなる瞬間に魔術を発動、猪の前足の踏み込み箇所を窪ませる。

 結果、窪みに足を取られた猪は前のめりに転倒、下顎で全体重の乗った全速力の運動エネルギーを受け止めることとなった。

 ボギャ、と首の骨と下顎が折れる音が響き、勢いを殺しきれずにそのまま前転を繰り返し、マタルとユミスを抱えて退避したリースの横を通り過ぎて、大木に激突してようやく止まった。

「……へ?」

 ポカンとする子供二人を下ろして、リースは腰に差してある短剣を抜きながら猪に近づき、ビクビクと痙攣する猪の首元に素早く刃を突き立ててとどめを刺した。

 完全に息の根が止まったことを確認して、マタルとユミスに振り返る。

「運が良かったですね。まさか猪が転んで自滅してくれるなんて」

「……え。こ、転んだ?」

「はい。きっと木の根にでも躓いたのでしょう。こんなこともあるのですね」

 呆気にとられたままのふたりに、微妙に白々しく言う。

 恐る恐る近づいてくる子供達は、本当に猪が死んでいることを確かめると、ようやく安堵の息を吐いた。

「びっくりしたー。生きた心地しなかったぜ」

「うん。もうだめかと思った」

 決して大げさではなく、ふたりは生死の瀬戸際に立っていた。

 もしもリースが居ない時に遭遇していたら、おそらくはほぼ確実に片方は命を落としていただろう。

 そして、それは低い確率ではないのだ。

 今回の件はリースが意図的に引き起こした事だが、勝てない相手との突発的遭遇など冒険者なら珍しくもない。そのときに、似たことを一度でも経験しているかいないかで、心構えが大きく違ってくる。

 初遭遇で生き残れるかそうでないか。それをリースという安全装置付きで体験できるという、まさに幸運というべきだ。

 もっとも、それをわざわざ言うつもりはない。今回はただ運が良かった。それでいいのだ。

「二人とも、今日はたまたま猪が勝手に自滅してくれたからいいものの、あんなふうに怯えるだけで棒立ちになっていてはいけませんよ。冒険者を続けるのなら、どんな危険に直面しても、まず動けるようにならないといけません」

「……うん。わかったよ」「……はい」

 マタルは先ほどまでの自分の醜態を思い出して悔しげに俯き、ユミスは自信なさげにうなずいた。

 はっきり言って子供なら仕方ないとは思う。が、敵はそんなことは考慮してはくれないのだ。

 ふたりには是非とも今回の出来事は、良い教訓にして次に活かしてほしい。

「まあ、小言はこれくらいにして、まずはあれをさばいてしまいましょう」

 リースは猪の亡骸を指し示し、

「せっかくですので、あの猪でお昼ご飯といきましょうか」

 とりあえず、鞭の次の飴として、もう少し幸運の続きといくことにした。

 ようやく魔術が登場。というわけで魔術についてすこし。

 この世界の魔術は物理法則の下で仕事してます。魔力とは物質に干渉して操作する力で、魔術はそれをなす技術です。決して無から有を生み出すようなことはできません。なので燃える物がないところで火を発生させることはできませんし、水のないところでこれほどの水遁を、なんてできませんし、ましてや時の止まった異空間に物を収納するアイテムボックスなどといったチート魔術は存在しません。

 それから基本的に属性というものはありません。一応、便宜的に地水火風と四つに大別しておりますが、あくまで個人の向き不向き程度です。この類別ですが、

  地=固体操作

  水=液体操作

  風=気体操作

  火=状態変化

 という感じ。火の状態変化というのは、固体から液体へ、液体から気体へ、といった変化を操作するものです。燃焼という現象も同じくカテゴライズされるため火と類別されます。

 魔術はあくまで物理法則の枠の中における技術ですので、それを精密に使おうとするならもちろん相応の知識が必要になります。それゆえに魔術師というのは科学者の側面ももっており、科学的な知識で言えばそれなりに進んでいます。大雑把に言うと、元素とまではいかなくとも物質というのはなんだかもの凄い小さな物質の集合体らしいぞ? ぐらいです。


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