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プロローグ
人生には数回、自分自身の考えを変える出来事が起こる。
そんなふうに思い始めたのは、あの日だと思う。
太陽の照りつける中、足を、温まった地面から飛び込み台に乗せる。目の前に日光を反射して光り輝く水面が広がる。
飛び込みの姿勢をとる。横一列に7人が並び、神経を研ぎ澄ませる。
「よーい、はいっ。」
野太い声と同時に、7人が飛び込む。
水は、静かに7人の体を包み、その中を7人は、勢いよく泳いでいく。
あと少し、そう思い前に手を伸ばす。すると、カシャッ、と無機質な音がした。
顔を上げて見ると、目の前には、スマホのカメラを向けている黒髪ロングヘアーの女子高生が立っていた。
「君、いい泳ぎするね!」
そんな事を言いながら、彼女は笑っていた。
そして、この出来事が俺の考えを変える始まりだった。