帰り道、土手の上にて
「啓介、降ろして。もーダメ漏れる!」
「はいよ。今日は早いな」
貴弘は学校帰り、いつも俺の自転車に乗って、いつも川沿いの道でもう漏れるって立ちションをする。学校でしてくりゃいいものを、外でするのが気持ちいいからってわざわざ我慢してるらしい。
土手の上から派手に小便を飛ばす貴弘は確かに気持ち良さそうで、見てるとなんか、ムズムズする。
「ふー、スッキリした。わりーな!ってか何?今日お前もションベン?」
「……いや」
股がむず痒くて押さえたのを、貴弘は尿意のせいだと勘違いしてくれる。本当にそうだったらどんなにいいか。
「いーじゃん、してけよ立ちション!気持ちいいぜ?」
「いいって。家でする」
だから早く乗れ、と促すと、貴弘は素直に後ろに乗る。
……親友の立ちション姿見て勃ったとか、言えるわけがない。