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まひるのひかり
そろそろと
わたしたちは歩き出した
がっこうへ行くことをためらいながら
ようやく治まった咳をだましながら
それぞれの満ちるままに
それぞれの深淵を渡って
それはやわらかさからの芽吹きとして
あるいは暖かな土の中からの双葉として
あるいは樹皮を内側からほぐす新芽として
あるいはもっとも伸びた伸長の枝の先の先の蕾として
たくさんのはじまりの
それぞれのあたらしさのいまがはじまる
もどかしさとふるえをせおい
まぶしさにもかおをあげて
なぜだろうか
すこしよろこんでさかみちをのぼっていく
あさひではなく
ゆうひでもなく
ひるひなかのひかりのなかを