interlude 自由って
「さ、ここまでどうだった?」
お星さまの手が私の額を撫でる。
眼を開ければ、見慣れた部屋――じゃない。
真っ暗な空間の中、ぽかん、と私達だけが浮かんでた。
ここはどこ?
悪夢はもう、あれで終わりなの?
じゃあ、ついに私の願いを叶えてくれるってこと!?
「ちょ……がっつかないで。ちょっと休憩してるだけだよ。まだまだあるんだから……」
何だ。終わりじゃないのね。
まだ続くのね、面倒くさい。
「……あのさ、君、そんなに元気なら、やっぱり自分で死んだら良いんじゃない? 僕らの手を煩わせなくてもさぁ」
私がどうやって生きて、どうやって死ぬのも、私の自由でしょ?
死にたがってるからって、どんな方法で死んでも良いなんて思ってないの。
「え? ちょ……つまり死に方にも注文つけたいってこと?」
お星さまに祈るほどのことなのよ、当然でしょう?
「何なの?」
お星さまにしか出来ないようなことよ、当然でしょう。
「……微妙にイラっとくるなぁ」
ふふ。
イラッとするのはあなたの自由。
そして、死にたがるのは私の自由よ。
「君は死んだ後、あんな目に合うんだよ? そういうの、気にならない?」
私、何かに呪われてるの?
あんなどれもこれも……手足を失って、魂まで囚われて?
輪廻転生規模のストーカーがいるの?
「……コメントしづらいなぁ。星にかける願いを、そっちにしてくれるなら……」
そっち?
「君が何故、あんな目にばかり合うのかってこと」
いいえ、いいえ。
言ったでしょう。
私の願いは。
「はいはいはいはい。さ、バカなこと言ってないで、続き続き。どうも今までのでは君はさしたる感慨もなかったみたいだし、この次はちょっと趣向を変えて行こう」
いいわ、さあ、連れて行って。
闇よりも深い、ヒトの生き様へ――。