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懇親会

「「「「「カンパーイ」」」」」


近所の居酒屋で、陸自課の懇親会が行われていた。


もちろん中井は未成年で酒が飲めない為、純度100%のコーラである。


「お疲れ様でした、割り勘だけど自由に頼んでねー」


「じゃあ、あたいイカ焼き」


「焼きチーズと……焼き鳥」


「焼き物多いなー、私はFrench friesで」


「唐揚げがいいですね」


店員を呼び、各4人前程頼む。


「中井課長の出身って何処なんですか?」


「ん〜」


注文を終えると、ここぞとばかりにいつもは聞けない事を聞いてくる。


「関東圏、第12旅団の圏内だよ」


「広過ぎません?」


「栃木群馬新潟長野……4択ですかぁ……」


「流石にこれ以上は狭められんぞ」


中井はコーラを飲みながら答える。


第12旅団は、陸上自衛隊で唯一、空中機動を強化している旅団だ。

司令部は相馬原駐屯地に置かれている。

ちなみに、第12旅団隷下の第13普通科連隊は、日本アルプス防衛を担い、"山岳連隊"との呼び声も高い。


と、料理が運ばれてきた。


「「「いただきまーす」」」


それぞれが料理に手を伸ばす。


「ん〜〜!美味いっ!」


「ビールに合います〜〜」


「あんまり呑むなよ、俺が引きずって帰る羽目になるからな」


「え〜、今日くらい良いじゃ無いですか!すみませーん、ビールお代わり!」


「ユニス少尉!ペース早い!」


ユニス少尉は早くも1杯目を飲み干し、2杯目を頼んでいる。


その時、中井のスマホのバイブが鳴る。


「ん?」


メールだ。


「どうしたんですか?」


不思議に思った鳴海1曹が覗き込んでくる。


「いや、何でも無い。あっ!鳴海お前も2杯目か⁉︎」


「は〜い。あ、イカ残ってる」


「ああ、俺海鮮系苦手だから食って良いぞ」


「わーい」


皆が中井の分のイカ焼きにも手をつけ始め、中井は唐揚げとフライドポテトを摘みながらコーラを喉に通した。


===========================


それぞれが2杯目に突入し、喉を通るコーラも炭酸の刺激が少なくなってきた頃。


「う〜〜……もう飲め無い……」


「zzz……」


「ダメだコリャ」


山岡3曹とエイミー曹長は強かったが、ユニス少尉と鳴海1曹は弱かった。


鳴海1曹はベタなセリフを吐きテーブルに潰れ、ユニス少尉は早くも寝始めた。


鳴海1曹もユニス少尉も、既に3杯を空けている。かなりのペースで呷った様だ。


ま、俺はコーラだから酔わないし、未成年だし……


山岡3曹はフライドポテトを摘み、エイミー曹長は珍しげに焼き鳥を見つめながら食べている。


ま、今日みたいな日があっても良いか……と、中井は平和を噛み締めながら、焼き鳥を手に取った。


ちなみにユニス少尉と鳴海1曹を担いで帰る事になったのは言うまでもない。

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