鳴海1曹の秘密
月夜野様、山岡3曹お借りします!すみません!
「……にしてもユニス少尉、良く知ってるね、有○浩先生の"自衛隊三部作"……」
「あ、私有○先生の作品好きなんですよ」
「そうなんだ?良いよねアレも。俺全部持ってるわ」
「後で貸していただいても?」
「おう、良いよ」
よし……と中井は膝を叩いて立ち上がる。
「曹長、少尉。島村統幕長に着任の挨拶行ってきて。それから蒼井空幕長と月夜野海幕長のところ行って、空自と米空軍の合同、海自と米海軍の合同の作品が無いかとか資料貰ってきて。鳴海1曹は手伝ってくれ」
「「「了解!」」」
米軍から来た2人は部屋を出、鳴海1曹は残る。
「……で?課長、私は何を手伝えば良いのですか?」
「お前……何か隠してるだろ?」
「……何をですか?」
「とぼけんなって、エイミー曹長の事知ってたよな?それに何か隠している様に見える」
中井が鳴海1曹に迫り鳴海1曹が後ずさる。
「えっ?え?何も隠してません……よ?」
「それも嘘だな」
鳴海1曹が壁まで追い詰められる。
「ち、ちょっと……近い……!」
いわゆる"壁ドン"の姿勢になってしまう。
鳴海1曹は顔を真っ赤にして俯く。
「……エイミーはグリーン・ベレーだ。沖縄に駐留してるな……で、そのグリーン・ベレーのエイミーを知っている理由を教えてもらおうか?」
グリーン・ベレー
米陸軍の特殊部隊の1つで、非常に優れた戦闘能力を持つ他、友好国の軍隊に特殊作戦や対ゲリラ戦のノウハウを教える訓練部隊という側面もある。
ベトナム戦争では民間不正規防衛隊を編成・訓練し、北ベトナム軍や南ベトナム民族解放戦線と戦わせている。
部隊の通称"グリーン・ベレー"は、隊員が緑色のベレー帽を被っている事に由来する。
鳴海1曹から顔の赤みが引き、真面目な表情になる。
「……伏せておいて下さいますか?」
「当たり前だ、俺は口が堅いんだ。態度は柔らかい分な」
「実は……私、特殊作戦群に所属しているんです。訓練でエイミーを見た事が有りました……」
「なるほど……どうりで」
特殊作戦群は陸上自衛隊初の特殊部隊だ。
数年前に公開されたが、隊員は全員目出し帽を被っており、組織は未だ謎のベールに包まれたままだ。
「レンジャーが必要だな、どうやってレンジャー徽章取ったんだ?女性はレンジャー課程を受けられない筈だが」
「……極秘です、これ以上は言えません」
「……ん、わかった。教えてくれてありがとうな」
中井は鳴海1曹の頭をくしゃりと撫でた。
「2人だけの秘密だ」
「……絶対、絶対秘密ですよ!」
「失礼します、山岡3曹着任しま……した?」
あ、やっべ
海自課の月夜野海幕長から「山岡3曹よろしく」って言われてたんだった。
鳴海1曹の頭撫でてるのバッチリ目撃されてしまった。
「あ、あははははー……失礼しましたー……」
パタム……とドアが閉まる。
中井は山岡3曹の後を追いかけ、鳴海1曹は再び顔を真っ赤にして俯いたのだった。
ちゃんと"ライトミリタリー"になってるかな……心配です……
そして盟友の皆様!登場人物は好きに使って下さって結構です!