広報部陸自課
自分の目から見た「ライトミリタリー同盟」を、自分なりに考えて書いてみました。
……実は陸自を扱った作品を書いた事が無いのです……が、自衛隊が大好きなので、今後ともよろしくお願いします。
「ああ……米軍装備良いなぁ……」
場所はライトミリタリー同盟・統合幕僚監部内、広報部陸自課に充てられた一室。
中井修平課長が、様々なミリタリー雑誌を捲りながら呟いた。
「仕方ないですよ、ウチにはウチの良さがあるんじゃないですか?」
「そうは言ってもなぁ……コンバットシャツですら極々一部の部隊で試験運用が始まったばっかりだし……頭でっかちの官僚どもめ」
中井に付き添って課長室のソファでノートパソコンを広げて何か打ち込んでいるのは、鳴海咲良1等陸曹である。
ちなみに鳴海1曹は3つ上に鳴海翼と言う姉がおり、空自204飛行隊で戦闘機パイロットとなっている。
「まぁ、確かに他国に比べたら陸自の個人装備が遅れをとっている事は認めざるを得ませんけど……しかし」
「分かってるよ、陸自は……と言うか、陸自の装備は優秀なモノが多いのも確かだしな」
叱責に入りそうな鳴海1曹のセリフを遮って中井は話し出す。
「戦車なんかその最たるもんだな、特に90式戦車は西側に先駆けて採用した自動装填装置と火器管制システムによる高い命中精度、これ凄えと思うよ。3km先の目標に走行間射撃で初段命中なんて聞いた事ないぞ」
戦車の射撃競技会では1発しか外さないで成績トップだったのに祝勝会より1発外した反省会開かれたとか言う噂だしな。
「何だ、ちゃんと分かってるじゃないですか」
打ち終わったのか、ノートパソコンを閉じながら向き直る。
「分かってないとでも思ったか?」
「思ってました、まんまズバリです」
キッツ!
「他には無いんですか?」
「あるけど、聞くか?その代わり3時間ほど時間貰うぞ?」
「い、いえ、遠慮しときます」
鳴海1曹はデスクに身を乗り出しそうになったが、スッとソファに身を戻した。
「せめて第1空挺団と特戦群にSCAR-LとJPC位入れてやって欲しいなぁ……」
「無い物ねだりしないでくださいよ、彼らは彼らで上手い使い方研究してるんですから」
それと、と鳴海1曹が立ち上がる。
「着任したばかりなんだから、先に着任してる月夜野海幕長と蒼井空幕長、それから島村統幕長にも迷惑かけないで下さいよ?」
迷惑かけられるのは私だけで充分です、とぼやきながらドアへ向かう。
「……分かった、気をつけるよ。ところで何処へ?」
「御手洗です!」
鳴海1曹はそう言うと少し怒ったようにドアをバタンと閉めた。
執筆速度は亀より遅い為、不定期更新になります!すみません!