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魔法書を作る人  作者: いくさや
番外編

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235/238

人気投票 結果発表(男性部門)

2015年5月に行っておりました人気投票の結果です。

興味のない方は無視してください。

女性部門に引き続き、色々とはっちゃけているのご注意を。

第一回 人気アンケート、結果発表会


シズ

「さて、予告通りの男性編のスタートだよ!」

ルネ

「うん。楽しみだね、シズ」

シズ

「……あれ? リエナは?」

ルネ

「女子会の打上げだって。クレアさんに連れて行かれてたよ。ほら、あっち」


 万象の理にできたパーティー会場で女性陣が会食を楽しんでいる。


シズ

「いつの間に……」

ルネ

「えっと、二位の人が用意したんだって。すごいよね」

シズ

「何を代償にしやがった、あの喪女。女子力……は元からないし、喪女力? なにそれ、綺麗な始祖ができるだけだよ」

ルネ

「シズ?」(裾をくいっ)

シズ

「ああ。ごめん。じゃあ、男性編の発表に行く前に改めて。アンケートにご協力くださりありがとうございます!」(ぺこり)

ルネ

「210人も投票してくれたんだよね。ありがとうございます」(ぺこり)

シズ

「尚、引き続き会場は万象の理と魂の循環点の狭間で、一夜の夢として、僕らも一番印象の強い姿をしています。僕は学生時代で、ルネもだね」

ルネ

「うん。懐かしいよね。でも、どうしてボクだけ制服が女子の制服なんだろ? ボク、男の子だよ? ドレスは着た事あったけど、女子の制服なんて着た事ないよ」

シズ

「その人の一番印象の強い姿になります!」(ガッツポーズ)

ルネ

「えっと、ボク、男の子……」

シズ

「うん。確かに男の娘だね! ルネ、最高! さあて、早速発表に移ろう!」(テンションアゲアゲ)

ルネ

「う、うん。シズが褒めてくれるし、いっか」(テレテレ)

シズ

「実は僕たちも順位を知りません。はい。メモが飛んできました。ルネ、どう?」

ルネ

「えっと、まずは15位からだね」

シズ

「え? 15位? 20位とかじゃなくて? 女性部門よりだいぶ数が多いのに? あっちは14位(0票)からスタートだったんだよ」




15位(0票)

ラク

グラシエン

レイナード・E・ルミネス

アラン・ガンドール

ガイン・ケンドレット

テュール・ブラン・ガルズ

ヴェル・ブラン・ガルズ

セン

ヨルム

エレメンタル

エリド

タロウ

ミシェル

メリス


シズ

「多いよ! 14人って、多すぎでしょ! というか、これっていきなり半分が脱落したよね!?」

ルネ

「ちょっと舞台に登りきらないかな。どうしようか?」

シズ

「まず、ガインとミシェルとメリスに『業失剣――拾』」


 会場に出現しようとしていた三名に巨大剣が直撃。

 ざわめく残りの11人。残り七本の『業失剣』を見ている。


ルネ

「あ、他の人は無理に出ないでいいって」

シズ

「じゃあ、こっちで何人か指名しようか。まずは学長先生」

学長

「呼ばんでいいぞ。儂は裏方だからの」

シズ

「個人的にはもっと上でいいと思うんですけどね」

学長

「気持ちだけ受け取っておこう。儂は教え子が活躍している方がよい。他の者を呼んでやりなさい」


 いつの間にか用意された打上げ会場に移動する学長先生。


シズ

「えっと、次は……」

テュール

「ボクだね! 若い頃の始祖様だ! ひゃほーい!」


 ルパンダイブするテュール。

 そのテュールを綺麗な背負い投げで撃墜するシズ。


テュール

「げふっ、ごふっ、ふふ。始祖様の、イッパツ、すっごい……」(目がハート)

シズ

「ナニカコメントハ?」

テュール

「そうだね。結果は残念だけど、ボクももう学院長だからね。未来の恋人……おほん。失礼。後進のための礎になってこそ、かな」

シズ

「ブラン魔法学院の生徒諸君。魔人村の愚者の学び舎はいつでも門戸を開いています。変態の魔の手に掛かる前に避難してください」


 事務的にアナウンスしてテュールを放り捨てる。


ルネ

「大変だね。えっと、後は誰を呼ぼっか?」

シズ

「じゃあ、あの人、かな。ネタとして、呼ばないわけにはいかないから」

エレメンタル

「私か」

ルネ

「第一始祖エレメンタル様。個性豊かな始祖たちをまとめたリーダー。現代の魔法使いが一番使用する属性魔法の創始者です」

シズ

「そして、六人の始祖の中で唯一の0票です……」

エレメンタル

「ふむ。なに、私は過去の人間だ。追いかけるものではないだろう。それに」


エレメンタル

「私にはヒルドがいるからな。ヒルドの一番であるならそれでいい」(レア笑顔)


ルネ

「うわあ。かっこいいね、シズ」

シズ

「うわあ。彼女と同じこと言ってる。お似合いすぎる」

ヒルド

「あ、いたいた。エル! 一緒にご飯食べよ! おいしいよ!」


 ヒルドに引っ張られて退場するエレメンタル。


ルネ

「始祖様ってすごいね!」

シズ

「まあ、良識派はね。あ、ルネは絶対に第六始祖の人には近づいちゃダメだから。汚れる。魂が」

ルネ

「えっと。うん。じゃあ、シズと一緒にいるね」

シズ

「……かわいすぎる。どうして女性部門に参加してないんだ……」

ルネ

「あ、次の順位が来たよ?」




11位(1票)

不眠王

シン

ツクモ

ロディ

薬師・父

レギウス


不眠王

「これは、一体? 余は眠っていたはずだが……はっ! 始祖様!? ああ。また、何か事件が起きたのですね。今度はなんですか? どこの貴族がやらかしましたか? それとも大商人でしょうか?」(目の下に濃い隈)

シズ

「あー。王様。これは夢です。あちらに食事を用意していますので、ゆっくり休んでください」

不眠王

「余は休んでよいのか? 眠ると叩き起こされたりするんじゃ……」


 ルネに介護されるように案内される王様。


シン

「ああ。レイアが言ってたのはこれか」

シズ

「やあ。おめでとう。一票もらえたね」

シン

「……なんか、小さくなってるな。先生」

シズ

「シンもね。ちょうど同じぐらいの年頃かな。ちょっと変な感じだ」

シン

「いい機会か。一手、指南を」

シズ

「別にそれもいいんだけど、シン。後ろ」


 シンの背後に指をくわえたレイア。


レイア

「シン、一票もらえたんだ……」(しょぼーん)

シン

「レイア!? くっ、打上げ会場がそこだと!?」

レイア

「よし! やっぱり、オレは尻を鍛えねえとな! こうしちゃいられねえ! シン、協力してくれ!」

シン

「レイア! 待って! それは、それだけは! 俺には、俺には修業が足りない!」


 引っ張られていくシン。


シズ

「強く生きろよ」

ツクモ

「(こくこく)」

薬師・父

「いいじゃないか。後から思い出せば、きっとそれも楽しいんだろう」

反抗期

「青春を謳歌していて結構な事で。ったく。どこもかしくもカップルばかりかって……おい! どうして俺の名前が『反抗期』になってやがる!?」

シズ

「あ、あちらのご指名です」


 打上げ会場の喪女がウィンクしてくる。


反抗期

「あの、女ああああ。あいつのせいで作者すら咄嗟に俺の名前が思い出せなくなってんだぞ!?」(実話)

ツクモ

「(フルフル)」(肩を叩いて首を振る)

薬師・父

「うちの娘がすまないな」

反抗期

「ちくしょう。生まれ変わったら俺だけ女になってるしよ。まあ、今回はエレメンタルの馬鹿とも気まずくならねえからいいがな。けど、簡単にうちの妹と交際なんて認めてやらねえ」

ツクモ

「程々にな」(美声)

シズ

「しゃべった!?」

ルネ

「声、かっこいいねー」

反抗期

「それでもあのバカ女に文句はつけねえとな。あー、その前に、投票した奴。ありがとよ」

ツクモ

「(感謝)」(筆談)

薬師・父

「私もだ。ありがとう」


 三人の始祖の集まりへと向かう三人。


シズ

「始祖ってどうしてこう濃いのが多いのかな」

ルネ

「シズもかっこいいよ!」

???

「あの」

シズ

「いや、ここは『お前が言うのか!?』って感じのつっこみがね?」

ルネ

「ツッコミ? ボクがシズにつっこめばいいの?」

???

「あのー」

シズ

「ルネが言うと凄い破壊力が……僕はナニを突っ込まれるんだろ?」

ルネ

「よくわからないけど、ボク頑張るから!」

???

「あの、すいません。父さん、ルネさん」

シズ&ルネ

「「え?」」


 金髪の少年が立っていた。

 魔法学園の制服をしっかりと着ていて、その上にコートの様に樹妖精の着物を羽織り、手には長柄の偃月刀と漆黒のバインダー。

 整った顔立ちだが、どこか幼い印象というか、薄幸そうな雰囲気のせいか、保護欲を疼かせる。

 その頭には茶色の毛並の猫耳があり、腰からは同色のしっぽ。


シズ

「えっと、どなた?」

???

「俺です。レギウスです」

シズ

「レギウス!? 嘘!? まさかの少年バージョン!?」

レギウス

「えっと、なんか俺だけ違う感じみたいです。すいません」

シズ

「え? 本当に? 僕、息子の未来の姿を見ちゃってるんだけど、大丈夫なの?」

ルネ

「えっと、メモが来たよ。『レギウスは特別です。終わったら皆、忘れます』だって」

シズ

「はあ。うーん。なんというか、その、なんて言えばいいんだろう? えっと、最近の調子はどう?」

レギウス

「はい。その、なんというか、最近は女性が、怖いです……」

シズ

「あー」

レギウス

「正直、魔神とかと戦う方が安心します」

ルネ

「魔神と戦うの?」

レギウス

「はい。父さんとソレイユ姉から魔法を、母さんとルナ姉から武技を、ステラ姉から感知を習いましたから」

シズ

「……サラブレットだ。たぶん、うちの家系で一番強くなってる」


 不意にレギウスの背後に立つ五つの影。

 樹妖精の双子と子猫三姉妹だった。


リラ

「なんだろ。この子に凄い興味があるんだけど……」

ミラ

「お姉ちゃんとー、遊ぶー?」

三姉妹

「「「にゃああああ!」」」(大興奮)

レギウス

「うわ、うわああああああっ! せめて、せめて、お礼だけでも! 投票、ありがとうございますうううううぅぅぅぅ!」


 あっという間に両腕を双子に確保され、猫まみれになって連行されていくレギウス。


シズ

「強く、生きろ!」(敬礼)

ルネ

「えーっと、あ、次のメモだよ」(こまり笑い)




8位(2票)

異界原書・兄

リゼル

レリック


「あー? 俺なんてどうでもいいだろうが。それより妹だよ。やっぱり、妹は最高だよな! かわいくて、かわいい上に、かわいいんだぜ? なのに、5位とかおかしいぜ。目がおかしいとしか思えねえ。まあよ、表に出ねえから、わかる奴にしかわからねえんだけどよ。ま、出さねえけどな! あんなにかわいいんだから表に出したら誘拐されちまうだろうが!? さっきも危うくデブとのっぽが妹に……」

シズ

「とんでっけー!」


 異界原書を全力投擲。


シズ

「よし。騒音の元を断ったぞ」

弟子一号

「で、拾いに行くのが俺なんだろ、師匠……」

シズ

「大丈夫。目が覚めたら元に戻ってるから。たぶん」

弟子一号

「まあ、いいか。ああ。俺に投票した奴な、ありがとう」(頭を掻きながら)

ルネ

「あ、メモが来たよ。えっと、『リゼルに質問。本当は男なの? 女なの?』だって」

弟子一号

「だーかーらー、覚えてねえんだよ。何百年前の話だっつうの。別にどっちでもいいだろ。好きな姿になってやるから。まあ、普段は男だよ。これでいいか?」

シズ

「あ、メモがもう一枚。『本当は女になる予定だった』だって。うーん、確かにちょっと女性っぽい名前だもんね」

弟子一号

「いいよ。男で」

ルネ

「どうして?」

弟子一号

「同性の方が、その、弟子っぽいし……んだよ。見るなよ! 俺、もう行くからな!」


 異界原書を拾いに行くリゼル。


シズ

「弟子一号のツンデレがどんどん進行していく……」

ルネ

「かわいいよね。でも、一人で王都に来た時なんかに話すんだけど、シズにすごい感謝してるみたいだよ」

シズ

「ルネ、それは黙っておいてあげようね。まったく、不器用な弟子だな」(まんざらでもない笑顔)

ショタ

「わかるよ。僕には、その気持ちが。どうしても、あと一歩、踏み出せないんだ」

ルネ

「あ、第四始祖のレリック様ですね。地形変化の第一人者。『武神』のふたつ名持ち。おめでとうございます! 男性の始祖でトップです」

ショタ

「ありがとう。でも、僕じゃあ、ルリに、まだまだ、釣り合わない、みたいだ。もっと、もっと強くならないと、そして、誰も、ルリに、触れられないように、囲い込んで、ずっと、ずっと一緒に……」

シズ

「病んでる……。千年も待っていたからかな」

ルネ

「あれ? 次のメモ? もういいの? うん。わかりました。えっと、突然だけど、7位の発表です」




7位(4票)

中年騎士(喪女の憧れの人)


中年騎士

「お? 俺の番か? あー、こんな名前も出てこないおっさんに、ありがとよ。嬉しいぜ」

ルネ

「うん。登場話数はたった一話だけど、かっこよかったもんね」

シズ

「今の騎士に見習ってほしいよ」

ルリ

「おじさん!」


 打上げ会場から息を切らせて走ってきたルリが中年騎士の前で立ち止まる。


ルリ

「おじさん、あの、あたし、おじさんのおかげで、生きられて、大切な人たちに会えて! たくさん、間違えちゃったけど! でも、いっぱい、いっぱい、嬉しい事もあって! それも、全部、おじさんが、あの時、守って……守ってくれた、から……」

中年騎士

「おいおい。姫さんよ、こういう時は一言でいいんだよ。わかるか?」

ルリ

「……ありがとう?」

中年騎士

「そう。それが騎士にとっちゃ最高の褒美だ、姫様。いい女になったじゃねえか」


 頭を撫でられて大泣きするルリ。


ショタ

「これが、僕に、足りないものか……」(膝から崩れ落ちる『武神』)

シズ

「大人だ」

ルネ

「本当にかっこいいね。ボク、ドキドキしちゃったよ」

中年騎士

「なんだ、そこの坊主は何を落ち込んで……ああ、そういう事か。おら、坊主。男がいつまでも膝ついて落ち込むんじゃねえよ。挫折の苦しみも意地で飲み込め、そんで、立ち上がれ。まだチャンスが残ってるなら諦めるな。俺みてえに取り返しがつかなくなるときついぞ」

ショタ

「はい……。はい、あの、師匠と呼んで、いいですか?」

中年騎士

「やめてくれ、照れちまうだろ。俺なんかに見どころがあるなら、勝手に盗め。それより、ほら、姫さん。泣いてねえでその大切な人を紹介してくれよ。坊主も、行くぞ」


 中年騎士に背中を叩かれ、頭を撫でられ、打上げ会場に向かう三人。


シズ

「僕もあれぐらいの歳になったらああなれるかなあ」

ルネ

「うーん。でも、あの人ってルリさんのお母さん、ルーテシアさんを守れなかった後悔で強くなったんだよね? そういう後悔、シズにはしてほしくないよ」

シズ

「ありがと。でもね、あの人が強いのは、絶望して、後悔して、それでも、生きて積み上げた強さなんじゃないかな」

ルネ

「そっか。そうかもね。あ、次のメモだよ」

シズ

「はい。次は6位だね」




6位(7票)

飛竜さん


シズ

「なんでさ!?」

飛竜

「きゅううううううううううん」

ルネ

「シズ、ダメだよ。怯えちゃってる。大丈夫だよ。怖くないよ」(なでなで)

飛竜

「きゅい」(女神を見る目)

シズ

「なんで? どうして? さっきの中年騎士さんを越えてるの? 不憫萌え? え? 投票した人ほとんどが、女性部門ではリエナに投票している? リエナとペア的な人気? ……へえ」

飛竜

「ぎゃうん!」(ぶんぶん)

シズ

「別にー? はは、嫉妬なんて、ねえ? してないよ? ところで、さっきの異界原書は弟子一号回収したかな?」

ルネ

「もう。シズ、冗談言っちゃ悪いよ?」

シズ

「ルネに免じて許すか。しかし、7票かあ。これ、割と上位を食いそうだったんじゃない?」

武王

「おう! 危なかったぜ! 最後に挽回したけどな!」

シズ

「うわあ! 勝手に出てきちゃった!」




5位(8票)

ディン・ブラン・ガルズ


武王

「おう! 俺が武王ディン・ブラン・ガルズだ! 元気してっか、始祖。ずいぶん強くなったみてえだし、いっぺん死合おうぜ?」

シズ

「やめろ! 誰が命懸けの手合せなんてするか!」

武王

「なんだゴチャゴチャ言うなよ。男なら拳骨で語り合おうぜ?」

シズ

「くそ、話が通じない! なら、先制攻撃で……死ねえっ! 躱された!?」

武王

「いいぜ。あの頃とは比べ物にならねえ。お前の師匠もすごかったが、今のお前もかなり楽しそうだな、おい!」


 かつてない武技の応酬を始めるシズと武王。


ルネ

「もう、シズったら。でも、ちょっと楽しそうかも」

リエナ

「ん。シズ、ちゃんと勝てなかったから。心残り」

飛竜

「きゅううううん」

リエナ

「おめでと。良かったね」(なでなで)

飛竜

「きゅい」(お腹を見せて服従のポーズ)

ルネ

「この子、肌触りが涼しくていいよね」(なでなで)


 何故かモテモテの飛竜さん。


武王

「穿峰寸勁!」

シズ

「飛べえ!」


 武王の必殺の一撃が炸裂し、シズがそれを受け流して投げ飛ばそうとする。

 結果、武王がふっとび、シズが膝をついた。


リエナ

「ん。引き分け」

武王

「ははは! いいな、おい! マジで俺と互角じゃねえか?」

シズ

「どこがだよ。最後に手、抜いただろ。まあ、あのままなら受けきれなかったけどね」

武王

「それが見極められるんだ。成長してんだろ。真っ当にやったら一発も入れられなかったんだからな」

シズ

「はいはい。あ、ところで、そこの飛竜くん?」(綺麗な笑顔)


シズ

「人気者だね? 人の嫁と親友を独り占めしちゃって、うらやましいなあ?」

飛竜

「きゅううううううううううううううううううううううん!」(ぶんぶん)


リエナ

「シズ、いじめない」

シズ

「違うよー。客観的な感想だよー」

リエナ

「ん。シズも」(なでなで)

ルネ

「えっと、ボクも?」(なでなで)

武王

「俺もやるか?」(ガシガシ)

シズ

「最後の余計! ああ、もう! 武王はあっち行っててよ。レイア姫とかテュール王子とか、ヴェルとかいるからさ」

武王

「おう。懐かしいな。あいつら、強くなったか? じゃ、俺に投票した奴ら、いつでも死合い、歓迎するぜ! 武王の到達点を見せてやるよ!」

飛竜

「きゅい」

リエナ

「ん。この子も行くって。ルインとタロウに挨拶するって」


 座り姿勢のまま頭を下げる飛竜さん。

 リエナと武王も一緒に打上げ会場へ。


シズ

「そういえば、あいつ上司よりも票数稼いじゃってるけど、大丈夫かな?」


 遠くから飛竜の悲鳴のような細い鳴き声が……。


シズ

「……では、次の4位の発表です!」

ルネ

「いいの?」

シズ

「うん。リエナもいるから大丈夫でしょ。えっと、4位は……」




4位(18票)

ルネウス・E・グランドーラ


ルネ

「あ、ボクだね。皆、応援してくれてありがとう! 本当に嬉しいよ」(アルティメイトスマイル)

シズ

「ま、まぶしい! けど、あれ? 4位? ルネが? 一緒に司会してるからてっきり僕とゴールイン、じゃなかった。ワンツーフィニッシュだとばかり……」

ルネ

「やっぱり、シズは強いね。ボク、3位には入れなかったよ」

シズ

「いや、女子部門だったら普通に三強に入ってたと思うけどね。今の姿を読者さんに見せていたら完璧」

ルネ

「もう。だから、ボク男の子だよ?」

シズ

「うん。男の娘だね。でも、そうか。じゃあ、残った面子は僕と……」

ルネ

「あ、残りの二人も出てくるみたいだよ」

セズ

「ほう。これが舞台かの。ここまで残るとは、光栄じゃよ」

シズ

「おじいちゃん!」

セズ

「久しぶり、というには最近だがの。息災そうで安心したよ」

シズ

「うん。僕も皆も元気。頑張ってるよ」

ルネ

「ボクもです。ちゃんと頑張りたいです!」

レグルス

「ふん。なりは昔のままだが、ちっとは成長したか、手前ら」

シズ

「師匠!」

レグルス

「ちっ、いちいち騒ぐな。落ち着かねえ奴だな。まあ、それだけわめく元気があるなら結構な事だよ」

シズ

「師匠……僕、話したい事いっぱいあって」

レグルス

「話なら後で聞いてやる。その前に今の自分の役割ぐらい果たしやがれ」

シズ

「はい!」

ルネ

「というわけで、ベストスリーの三人です。まずは3位から」




第3位(33票)

セズ


シズ

「最後まで走り抜けた老兵の志は死なず! 『風神』セズ、堂々の3位入賞です!」

セズ

「ほほう。ありがたいの。こんな老いぼれを応援してくれるとは、長く生きた甲斐があったかのう」

シン

「セズ師! おめでとうございます!」

ソレイユ

「おじいちゃん、すごい!」

セズ

「お前たちも頑張ったの。ちゃんと修練は続けておるか?」

シン

「もちろんです! ちょっと、たまに変なのに巻き込まれますけど……強くなっています!」

ソレイユ

「相乗魔法、増えたよ? 私ね。学園に行って、もっと頑張るの!」

ルナ&ステラ

「じいちゃー!」(だきっ!)

セズ

「よしよし。その調子で続けなさい」

ルネ

「すごい人気だね」

シズ

「人徳の差かな。えっと、いくさやからのコメント『本当は最終決戦で命を落とすはずでしたが、戦っている内に生き抜いていました』だそうです。すげえ。おじいちゃん、作者のプロットを塗り替えた……」

ルネ

「『死亡フラグは折るためにあるもの』って至言だよね」

シズ

「うん。本当に」

ルネ

「さて、とうとう最後だね」

シズ

「師匠。今日こそ、師匠越えさせてもらいます」

レグルス

「はん。言うようになったじゃねえか。そうだな。師を越えるのが弟子の義務だ。その姿勢は正しいぜ。だが、俺は易々と道を譲るほど甘くねえぞ?」

ルネ

「最初で最後の師弟対決! 決着の行方は!?」




第2位(38票)

シズ


第1位(82票)

レグルス


 ダブルスコア。

 シズが崩れ落ちて、すぐに立ち上がり、拳を突き上げる。


シズ

「誇り高き獅子は強く、その記憶は色褪せず、師匠の壁はあまりに厚かったー! 僕、主人公だけどねー!」(やけ)

ルネ

「シズの38票もすごいけど、レグルス先生はその倍以上で……得票率39%。すごい……。学園編から出てなかったのに」

レグルス

「まだまだ道は長いな、チビ?」

シズ

「まさかの名前呼びから降格!?」

レグルス

「くやしけりゃあ、精進するんだな。せめて、差を半分以下に縮めて来い」

シズ

「でも、いくさやコメントが『次の書籍版四巻は師匠回になりそうな感じかも』なんですけど、あんなの絶対に勝てないですって!」(ごつん)

レグルス

「弱音言う暇があるならできることを探しやがれ」

シズ

「いったぁ……でも、ちょっと懐かしくて、嬉しいような」

レグルス

「そんな気勢じゃ次も同じ結果だ、あほう。成長したとこを見せねえと、一から鍛え直しだぞ?」

シズ

「はい。頑張ります」(でも、まんざらでもなさそう)

レグルス

「ふん。投票に関しては感謝するぜ。この面倒な弟子の師匠としては、せいぜい大きな壁でいてやらねえとな」

ルネ

「シズへのいくさやコメントは『主人公きもいのタグがなくなる日を待っています』だそうです」

シズ

「いや、それは待って。作者の内面が僕に反映されてるはずだから、ねえ、そこのところを考慮してよ?」

セズ

「残念だったの。なに、シズなら次は勝てるよ」

シズ

「おじいちゃんはなんだか少し嬉しそうだね」

セズ

「シズとお隣さんだからの。嬉しいよ」

シズ

「僕は最後に肉薄されて心臓が止まりそうだったよ」(一時期、1票差)

リエナ

「大丈夫。シズはわたしの一番」

シズ

「ごめん。僕はリエナの隣に立つのにふさわしい男じゃなかったよ……。でも、大丈夫! 負けたままではいない! 次こそ! 次こそは師匠を越えてみせる!」

リエナ

「ん。応援する」

ルネ

「ふふ。ボクも応援してるよ。頑張って」

シズ

「僕に投票してくれた人も、他の人に投票してくれた人もありがとうございます! 魔法書を作る人は完結していますが、書籍版の刊行もありますし、番外編やばんがいへんや、その他の外伝も腹案だけはありますので、機会がありましたら執筆いたします。お付き合いいただければ幸いです!」

ルリ

「て、転生始祖の冒険を、よよ、よろしくー!」

テナ

「『雷帝』の昔話もねー」

セズ

「ふむ。『風神』の歩みもの」

レグルス

「あん? 俺の過去話? 気が向いたらな」

シエラ

「もう。いじわる言わないの。この人もちゃんと喜んでるから、ね」

レグルス

「余計なこと言うな。ったく」

シズ

「師匠が見た事ない顔をしてる……」(がつん)

レグルス

「人の顔を盗み見てんじゃねえ。趣味が悪いぞ」

シズ

「すいません。というか、他の人たちも! 勝手にアピールしない! ああ、もう! 第二回があるかはわかりませんが、一夜の夢も今日はここまで。じゃあ、皆で一斉に。いいね? せーの!」


全員

「これからもよろしくお願いいたします!」

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