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魔法書を作る人  作者: いくさや
後日談猫

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にゃん1 ごめん寝?

活動報告に書いたSSです。既読の方はすいません。

前話の直前の出来事です。

「人がいっぱいだったの!」

「キラキラしてた!」

「なー!」

「おにいさん、アメくれた!」

「おねえちゃん、お肉くれた!」

「なー!」

「ざわざわしてて!」

「ちょっとうるさかったの!」

「なー」

「お店が、色々あってね!」

「おいしそうな匂いだったなぁ」

「なぁ」

「おっきなおおっきなお店でね!」

「見てたら、首が、痛くなったよ?」

「なぁ……」

「きれいな人が、踊ってて!」

「手、振ってた……」

「zzz」

「お花、くれて! 髪に差してくれて!」

「にゃ」

「zzzzzz」

「一緒に踊ったらほめてくれてね。じょうずだって」

「にゃ……」

「zzzzzzzzz」

「他の人もすっごいほめてくれたんだよ。そしたらしっぽがふらふらって」

「zzz」

「zzzzzzzzzzzz」

「知らない男の子と女の子が、ぎゅってつかんできてね」

「zzzzzz」

「zzzzzzzzzzzzzzz」

「わたし、驚いて……」

『zzzzzzzzzzzzzzzzzz』

「にゃあ」

『zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz』

「んなぁ」


「「「zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz」」」


「おやすみ」


 お昼の出来事を興奮して語っていた娘たち。

 ベッドの上で三人仲良く並んで、お行儀よく正座していた。

 話しているうちに段々と前のめりになっていき、両手をついて身を乗り出しながらご報告になっていた。

 しかし、初めての王都で疲れていたんだろう。

 最初にステラが寝落ちして、すぐにルナが落ちて、最後にソレイユも落ちた。


「しかし、すごい姿勢だなあ」


 思わず苦笑してしまう。

 正座していたのはそのままで、ついていた両手は睡魔に負けて折りたたまれ、その両手の上に頭を載せて丸まっている。

 それは見ようによってはこうも見えた。


 土下座スタイル。


「……ごめん寝?」


 なんとなく頭に浮かんだ言葉を呟きつつ、彼女たちの頭をそれぞれ撫でると気持ちよさそうにしっぽが揺れる。

 スヤスヤと眠る猫団子たちを起こさないようにそっと毛布をかけて、ベッドから出た。

 隣のベッドでレギウスの添い寝をしていたリエナがこちらを見ている。


「ちょっと行って来るね?」

「ん。いってらっしゃい」


 レギウスと、ついでにタロウの頭を撫でると、リエナが離れ際の手に甘噛みしてくる。

 満足するまで待って、僕は手早く外出着に着替えて変装する。


「さて、王様に挨拶しに行こうか」

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