No.2 回想という名の
少し、読みづらくわかりづらく、面白くないかもしれません。
そして短いという。
今日も清々しい朝がこの名も無き村にやってきた。
村人たちは既に起きており、朝食を済ませ自分たちの仕事に取り掛かっている。
村人Aであるこの俺もコッコちゃんたちの飯くれコールにより、誰よりも早く起きている。
日が昇る前に起きる俺らってすっげえ健康的だと思うんだ。だってさ、噂では王都のやつらは日が登り始めてから起きるんだぜ。朝日が見えてからじゃ一日の仕事の半分もできやしねえのにな。
俺の一日は、まずコッコちゃんたちに餌をやってついでにお卵を頂戴することから始まる。コッコちゃんというのは、鳥の一種で長距離は飛べないが、鋭いクチバシを持ちもふもふとした黄色羽毛の見た目可愛いやつらである。魔物の一種だが、美味しいお卵を産んで下さり、俺はそれを命懸けで採取しジジイどもにお裾分けするのである。俺って優しいだろう。
魔物だからといって、俺の村ではむやみやたらに討伐したりしない。使えるものは使うし、使わなくても害がなければそのままの状態で接していこうという村のこだわりがある・・・ということにしておこう。はっきりとはよくわからないんだ、なんせまだ俺17だし。この歳でこの村のすべてが理解できていたら、ジジイどもの考えていることもわかるはずだからな。
「よーし。コッコちゃんたち、飯持ってきたよー。・・・ああ。目が痛い。」
家といっても簡素な小屋をでて、すぐ隣にあるコッコちゃん専用の(鳥)小屋に入れば一面の黄色が目に入る。俺が一歩踏み出せば、ザッと黄色の綿がそこだけ引き床に敷いてある藁がみえる。
例えるなら、貴族が道を通る時に庶民が道を開けるような感じだ。ちょっぴり俺の方が上という感覚に陥りそうになるが、油断は禁物だ。自分よりこいつらが小さいからって隙をみせれば、幼い頃の俺の姿が蘇る。
迷子になっていた子供コッコを探し見つけ小屋に入れたあのとき、俺はコッコどもに襲われた。鋭いクチバシによる突き攻撃だ。痛かった、泣いた、そして親友に助けられるという哀れな俺。あれから俺は成長したのだ。
「隙なんぞ見せるかよ!華麗にお前らの攻撃を避け、見事に卵を頂くのさ!・・・て、いていててていてえーーー!!」
かつてあっただろうか。一度たりと俺がコッコちゃんたちに勝ったことが。
怪我なく卵を頂戴したことが。はっきり言おうどう思い返してもない。ないのである。
そして今日も助けられるのであろう、我が親友に。
情けない自分に涙がでてくる・・・決して痛いからではない。
continue.
とりあえず、No.2です。
回想シーンがちょい続きます。
王道(←)なので先が読めるかもしれませんが、1話1話を読んでくださる読者様に感謝です。
そして私はこれからも、のうのうと書くのでしょう。ええ。鼻を高くしながら。