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仮面
仮面
朝起きると共に仮面をつけ
眼には泪、口元には微笑、手には絵の具のシミなど滲ませ
「ごきげんよう」と上品ぶる
形だけの挨拶
私は良いことをしました、と
虚構の正義に身を投げねば
不安と恐怖で夜も眠れぬ
なに、誰か笑ってくれればそれで良いのだ
私がやるから笑えるだけだ
そういう人格をつくるための仮面
そう、笑ってくれる者には
仮面をチョイとずらし
白眼視してやる
ばれることはない、それは正義だ
正義のつもりで笑わせているのだ
信じてくれ
この虚しいの仮面のその脆さを
君がわかってくれたのなら……
ついに仮面が剥がれて
その全容が明らかになると
私は悲劇役者と言われるだろうが、いや、
私はコメディアンだ
本気で君を喜ばすために
この剥がれた仮面をつけ直すのだ