彼の罪

デカダンス。実体験。

彼の罪

罪を犯した彼は

その存在さえ忘れられた

消えていった

空間と時代から

去っていった

数ある星のその一つから

後悔した

檻の中にいる間だけ

泣き崩れた

そのもう一枚裏に微笑を浮かべつつ

廃れていった

自分以外を批判しながら

求めていった

あるはずのない無罪を

死んでいった

誰の眼にも触れずに

一陣の、

冷たい風の後で気づいた

彼は私だった、と

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