S1第三章 1話 「好きだから」
事務所 レッスンの休憩中
いつもの通り、学校が終わった後に、事務所のレッスンを受けに行った。
今はレッスンの休憩中で、同期の渡利流と雑談した。
流「今日さ、寝坊して学校に遅れそうになったわ(笑)」
純貴「マジか(笑)ちなみに何時に起きたの?」
流「確か…7時半に起きた」
「8時までに、行かないといけないのに」
純貴「えっ!本当にギリギリじゃん!」
流「うん、学校の近くに住んでて良かったよ(笑)」
純貴「渡利の学校の話で、思い出したんだけど」
「来月、最後の期末テストだったわ」
流「あ!俺の学校も来月、期末テストだ」
「勉強しないとなー」
純貴「期末だから、勉強しないといけない教科が、増えるんだよな…」
流「そうだよ…」
「五教科だったら、まだ勉強できるけど、技能教科とか普段勉強してないからな…」
純貴「そうだよねー」
俺らは、しばらくテストの話をしていたが、流が「あの話題」について、話始めた
流「そういえば、新しいグループ出来たよね」
「まさか、あの7人が選ばれるとは思わなかった」
純貴「まぁ7人中5人は、ここで練習生して10年以上立ってるからね」
「グループ組めて良かったよね」
流「ここだけの話、あの7人、デビューしたいのに、グループ組めずに諦めて、事務所辞めると思ってたから、ビックリした」
純貴「本当に良かったよね」
本当に巧さんがグループを組めて、センターになって、本当に良かった…
あんな綺麗な人が、世間に見つからないまま、消えるなんて考えたくない
歌が上手くて、努力家で優しくて、見た目だけじゃなくて、中身も美しいのに
流「…次のグループのメンバーに、選ばれると良いな」
純貴「本当にそうだね」
俺がそう言うと、流が一瞬、俺を睨むような目をして見た
流「…まぁ、グループのメンバーに選ばれるだろうなっていう人は、選ばれる前から、何かが違うんだよな」
「小さい頃から活躍していました〜とか」
「産まれた時から、才能があって歌が上手いです〜とか」
「俺には無理だよ」
その言葉を聴いて、なんて返せば良いのか、分からなくなった。
流「まっ!お互いに頑張ろうな!」
そう言って、俺の肩を軽く叩き、渡利は去っていった
こうやって遠回しに、「事務所辞めても、やっていける位の経歴と、才能があるお前が、俺らと一緒に、将来を心配する資格はない」と言われる事がよくある
才能があるからと言って、成功するとは限らないし、俺はただ、ミュージカルが好きだから、応援してくれる人がいたから、今までやってこれた
才能があるから、舞台に立ち続けていける訳じゃない
レッスン後 事務所
俺が帰ろうとした時に、マネージャーさんから呼び止められて、カフェエリアの人気のない場所へ、連れて行かれた。
マネージャー「伯井くん、“RAIFU−雷風−”の練習生のコーナーで、ソロ歌唱することになったよ!」
純貴「えええ!!!そうなんですか!?」
俺は思わず叫んでしまった
RAIFU−雷風−とは、まだデビューしていない練習生のグループだ
練習生のグループの中の、4強のグループの1つで、1番人気だ
そんなグループのライブに、俺がソロ歌唱するなんて…
マネージャーさん「歌唱曲は、“プリンスルール”」
「それじゃあ、詳細と練習する日は後で送るからね!」
「それじゃあ、さようなら」
そう言い、マネージャーさんは去っていった
遠くにいた、他の練習生たちが俺を見始めた
当然だろう
マネージャーさんから、人気のない所に連れて行かれ、マネージャーさんと会話する俺の表情が、驚いたり明るかったから、新しい仕事が決まったと勘付かれたのだろう
これ以上、練習生が集まって来る前に、事務所を急いで出た
伯井家 自室
やっと帰ってきた…
周りに気をつけながら早く帰ったので、いつもより疲れたような気がする
俺は夕飯が出来上がるまで、寝ることにした
電気を消して、ベットに寝っ転がり、目を閉じる
おやすみなさい…
俺は夢を見た
俺は、演劇の舞台に立っていた
存在しない舞台だから、当然セリフもない
なのに俺はセリフが、次々と口から出てきた
観客の顔を見ていると、笑顔になったり、涙を流したり、人それぞれだった
だけど、そこから続きが無かった
純貴母「純貴ーご飯できたよー」
その声で、俺は起きた
夢の中で、なんのセリフを言っていたか、全く思い出せない。
俺は寝ぼけたまま、リビングへ階段を降りて、直行した
次回 2月8日20時 投稿予定
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