S1第二章 7話 「やってやるけど」
…やっぱり気にしてしまう。
レッスン室 レッスン後の練習前
「今は受け入れられない人も、いつか認められるセンターになる」そう決意した
だけど昨夜エゴサした時も今も、受け入れられない人達の気持ちも理解できる
実力不足の歴が浅い最年少が、長年練習生をやっている先輩差し置いて、センターになってしまったからだ
結局、考えが振り出しに戻ってしまう
今日は何もする気が起きない
Mラボまであと数週間なのに、この状態でどうしよう…
巧「あ~~~!」
大きな声を出して力を抜いて、大の字でレッスン室の床に寝っ転がった
健人「巧!どうした、寝っ転がって(笑)」
巧「疲れたー、って思って」
叶太「そうだよな!今日のレッスンハードだったもんな!」
健人「そんなんじゃ、Mラボに出られないぞ(笑)」
巧「ハハッ、そうですね(笑)」
そうだ、この後練習だった
ちゃんと出来る気がしない
愛斗「そういえば、あと3週間だったよね。Mラボ」
透流「えっ!もう3週間!?」
健人「俺らが結成された時は、めちゃくちゃ後の出来事だと思ってたのに、時間が経つのってあっという間だな」
裕「そうだね」
あと3週間か…
パフォマンス後には、「CHAMPION」と「中条巧」への批判がもっと増えるだろう
なんで時間が経つの?
このまま、止まればいいのに
そう強く想っても、時間は一生止まらない
休憩時間が過ぎていき、講師の人がレッスン室に入ってきた
練習後 レッスン室
健人「ちょっと集まって」
全員、着替えて帰ろうとした時にリーダーに招集を受けた
健人「これを見てほしい」
リーダーがスマホを取り出して、SNSのコメントのスクショを切り取った、スクラッチみたいなものを皆に見せた
コメントを全部読むと、CHAMPIONに対する批判的な意見ばかりだった
裕「健人これって…」
健人「俺らに対する批判的な意見です」
叶太「こんなにあるんだ…」
皆、黙ってしまった
その沈黙を破るようにリーダーは言った
健人「こうゆう批判的な意見をひっくり返す為に、Mラボ頑張りましょう!」
透流「そうだね!ぜったいに見返そう!」
叶太「誰よりも輝いてやろうぜ!」
愛斗「ギャフンって言わせようぜ!」
裕「やってやろう!」
葉大「そうゆう『冷笑系コメント』って沢山ついたもん勝ちだからな。それだけ期待されてるってことだから」
巧「頑張ろうね」
そうやって各々、熱量を高めてCHAMPIONとしての結束が強くなっていた
中条家 自室
はあ、疲れた
家に帰って、ベットに直行して寝っ転がった
皆で「やってやろう」って言い合っても
なんでこんなにモヤモヤするんだろう
俺らが頑張っても、人は簡単には変わらない
本当に消えてほしいって思っている人もいる
そんな考えを持つ人を、俺らが頑張ったところで変わるかな…
メンバーの前では、あんな調子が良いことを言って、誰にも見られない場所で1人になったら、こんなに落ち込む自分が嫌だ
なんで俺が選ばれてんだろうな
センターに相応しい人なんて、俺の他に沢山いる
ジュンとか、キラキラしている人にセンターを任せれば良かったんだ
なのに社長が選んだのは俺
メンバーの選出には100%社長が決めたらしい
社長は俺に何を見出したんだろう
スマホの画面が突然光って、メッセージの通知が届いていた
純貴「明日、校外学習で早く寝たいので、今日作業場にいけません…すみません!」
とメッセージが来ていた
巧「わかった。おやすみなさい」
とメッセージを返した
巧「今日、Fluid来ないんだ…」
「今日、作業場に行こうかな」
何故か、無性に1人で作業したくなった
俺は仮想世界の作業場に行った
仮想世界 作業場
〜〜〜♪〜〜♫
DIVA「…」
パソコンから流れる音色とは反対に、DIVAは静かに音色を作っていた
今のDIVAには、批判的な意見、突然与えられた自分の立場への疑問に、心を支配されているところではなかった
心は今、目の前の音楽制作に集中するために働いていた
DIVA「ここは、低くして…」
DIVAにとって音楽は、心の支えだった
今も昔も、嫌な事や悩んでいることがあれば、ひたすらに歌や作曲に打ち込んでいた
そうやって作られた音楽は誰かに届いて、心の支えになるだろう
DIVAにとっても、Fluidにとっても、これほど幸せなことはないだろう
DIVAはずっと作業している
時間が経ち、気がついたら現実世界では早朝という時間帯になっていた
これもDIVAあるあるだ
翌日 レッスン室 レッスン直前
はぁ…ギリギリセーフだ!
現実世界から帰った後、そのまま眠って起きたら、電車が来る1時間前だった
またやってしまった…
次回 12月28日20時投稿予定
基本 毎週日曜日20時投稿
今年の本編の投稿は次回でラストです!!
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