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メディシン −命の叫びの代弁をする2人の作曲家−  作者: 浅野翔太(小説家&アイドル)
S1第一章 「メディシンの音楽と2人の音楽って?」
13/31

S1第一章 最終話 「初投稿の瞬間」

10月10日



やっと曲が完成した

後は投稿するだけだ


今日は、投稿する瞬間を2人で見るために集まっている


Fluid「いよいよ初投稿ですね!」


DIVA「そうだね」

「たくさんの人に届くといいね」


Fluid「絶対に届きますよ!」


DIVA「ふふっ」



DIVAは、アルバムに保存していた曲のMVの共有画面を開いて、「WORLDVIEW(ワールドビュー)」という仮想世界では1番有名な動画配信アプリを選択して、投稿画面を開いた


MVと言っても、1枚のフリー素材の絵と歌詞のテロップだけの、外部に頼むお金がない音楽クリエイターのMVだ


動画のサムネイルもMVの絵と一緒のものを使っていて、タイトルのテロップを入れるつもりだが…


2人はナニかを忘れています



DIVA(サムネを設定して、コメントの制限なしで、概要欄にSNSのリンクを貼って…)

簡単な操作だけで動画投稿ができる仕組みで難しくなくて良かったと、DIVAは安堵した


そして、重大な事を忘れていたことに気づく


DIVA「あ〜!曲のタイトルを決めるの忘れてた!」


Fluid「あっ!そうだった!」

「曲が完成した後に決めようって決めないままだった!」


DIVA「ごめんね。気づくタイミングはたくさんあったのに…」


Fluid「いやいや!俺が早く気付けば良かったです!」


急に気がついたので、緊急でタイトルを決めることになった



DIVA「テーマは“初めてからの旅立ち”だから…」


      はじめからの旅立ち、とか?



そう言った瞬間、Fluidがビビっと来たような表情をした

そして、「それだ!!」と声を張り上げた


DIVA「え、これでいいの?」


DIVAは例えばのつもりで言ったのだが、Fluidに結構ウケた事にビックリしていた



Fluid「それでいいじゃないですか!」

「タイトルがド直球で!聴いた人にもテーマが伝わりやすくていいと思います!」


DIVA「じゃあこれに決めるね」


Fluid「はい!」



DIVAは、画像の編集アプリを開いてサムネにタイトルを入れる

「はじめ」と打った時に、Fluidはある事に気づいてDIVAに言う


Fluid「“はじめ”の漢字って2種類あるんですね」

「“初め”と“始め”って」


DIVA「そうだね、どっちにする?」


Fluid「どっちにも通じるように、平仮名にしたいんですが、どう思いますか…?」


DIVA「それいいね!」



DIVAは「はじめ」と打って、変換候補に2種類の「はじめ」があったが平仮名の「はじめ」を選んで、サムネを完成させた


サムネは動画で使われている画像にタイトルのテロップを追加しただけの、簡素なものだった



DIVA「サムネ完成!」

「あとは、動画タイトルを打って投稿するだけ」


そしてサムネを追加して、動画タイトルを打って、プレイリストを作って「はじめからの旅立ち」を追加して、対象年齢を全年齢に設定して、あとは投稿を押すだけになった


DIVA「Fluid、3.2.1でいくよ」


Fluid「はいっ」



2人は急に緊張し始めた

数分前は楽しい感情が大部分を占めていたのに、投稿する直前で「この曲が全世界に発信されるんだ」という気持ちになったからだ


DIVAは深呼吸をして、カーソルを投稿に合わせた

DIVA「いくよ…」



メディシン「3」


「2」


「1」



DIVAはダブルクリックをして、曲は全世界に配信された


Fluid「やったんだ、俺ら…」


DIVA「うん、そうだね…」



2人は直前の緊張から解放されて、しばらく放心状態になった


その空気を破るようにFluidは言った

Fluid「まだ再生されてないですよね」

「最初の1回目は俺らにしませんか?」


DIVA「いいね」

「最初の1回目奪っちゃお」



そしてMVを再生する


動画タイトルは

【初投稿·オリジナル曲】はじめからの旅立ち/メディシン


概要欄には

メディシンです

初投稿のオリジナル曲です

テーマはタイトルの通り「はじまりからの旅立ち」です


と書かれていた


曲は、物悲しげな雰囲気だったが、最後に向かって転調が3回あって、ただの悲しい曲になかった

その展開を引き立たせる、優しく寄り添うような歌詞が曲の世界観を作っている


曲が終わった後、2人は暖かい気持ちと達成感を感じた


DIVA「できたね」

「たくさんの人に聴いてもらえるといいね」


Fluid「そうですね」


DIVA「たくさんの人に曲を聴いてもらうためには、継続して投稿しないと」

「このペースなら、3カ月に一曲は投稿できるよ」


Fluid「俺は学業があるし、そのペースが丁度いいと思います」


DIVA「うん、それと」

「これからよろしくね、Fluid」


Fluid「こちらこそよろしくお願いします!DIVAさん!」



10月10日 メディシン活動開始

メディシンとは、作曲家·プロデュサーのDIVAと作詞家のFluidの2人からなる作曲家デゥオ

「命の叫びの代弁者」をコンセプトに、“希望”と“絶望”と幅広い曲調で、聴く人を励ましている




翌日の夜 巧の自室


あと半月か…


実はFluidと話し合う日に、練習生のマネージャーからのメッセージで、「“2週間後、第2会議室に集まるように”」「“ただし、決して口外しないこと”」と送られて、2週間後に会議室に行ったのだが


「11月9日に会議室に来てください」

「この話は、例え家族にも絶対に口外しないでください」

と言われただけだった


とりあえず、クビの時期が延びたということでいいのだろうか


クビって、口外禁止だったけ?

そもそも、まだ何も言われてないのに口外禁止ってなんなんだろう


もしクビなら、会議室に呼ばれた時点で言われるはず

それなのに、なんで引き延ばす事を言うのだろう

クビを引き延ばすメリットは、事務所にとって全くないはず


じゃあ家族にも口外禁止の要件は何なんだ?


もしかしたら、大きなドラマや映画に出演が決まったんだろうか

それなら、口外禁止にも説明がつく

だって出演情報が流出されたら、ドラマ制作側は相当困る事だと思うから


でも真偽はともかく、出演情報の流出ってよくあるよな…


もしかしたら出演して偉い人に見つかったり、観た人達に注目されて話題になったりして、次に繋がるかもしれない



事務所制作の舞台に主演を務めて、終わった後も声をかけられる時もあったが、それも一瞬の時で、あっという間に声をかけられなくなったどころか、自分の名前を全く聞かなくなった。


あれから1年ぐらいか…

もしかしたら、良い流れが来ているかもしれない



窓から見える夜景を見ながら考えた

そして、もしかしたら起こるかもしれない将来に思いを巡らせた

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