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メディシン −命の叫びの代弁をする2人の作曲家−  作者: 浅野翔太(小説家&アイドル)
S1第一章 「メディシンの音楽と2人の音楽って?」
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S1第一章 9話 「制作再開」

エリシアに切り替えて、2人は向き合った


DIVA「ごめんなさい」

DIVAは頭を数秒下げて上げた


DIVA「Fluidの意見を“メディシンの方向性に合っていない”って全否定してしまって」


Fluid「全否定なんて、全くしてないしてないじゃないですか!」

「こっちの意見をちゃんと聞いてくださって、どうすればいいか悩んでたじゃないですか!」

「俺の方が合わせる事が出来なくて、すみませんでした」

Fluidも頭を下げた



DIVA「今、思ったんだけど」

その言葉に反応して、Fluidは下げていた頭を上げた


DIVA「“ユニットの方向性”に合わせなきゃいけない以外、前とやることは変わらなくても良いんじゃないかなって思ったんだ」


Fluid「えっ、どうゆうことですか?」

Fluidにとって想定外の内容だった



DIVA「前も、意見の食い違いがあったら話し合ってたよね」

「食い違いが生まれる度に、お互い納得するまで話し合って作ったら、最初よりめっちゃ良くなったりしたよね?」


Fluid「確かに、よくありましたよね」


DIVA「だから、それはユニット活動でも同じだと思うんだ」


「“これはメディシンらしくない!”って何度もぶつかって、結果がスゴくいい曲になることだってあると思うんだ」


「だからFluidがこうしたいって思うこと、遠慮なく言ってほしいな」


「Fluidも“メディシンの方向性”に沿って考えてたじゃん」



Fluid「そうですか…?」


DIVA「うん」

「不安な気持ちに寄り添いたいって言ってたよ」


「メディシンのコンセプトを考えたとき、“明るさ”で救われる人もいるし、逆に“絶望”で心が落ち着く人がいる」


「だから、聴いた人の“生きること”を手伝う曲を作りたいって思ったんだ」


「どっちも正解だなって気がついたんだ」


「だから、これから話し合って形にしていけたら良いなって思うんだ」



Fluid「はい…!やりましょう!」


DIVA「やっと、いつものFluidに戻った」

「ここに来た時の表情とか、メッセージとか結構固かったよ」


Fluid「バレちゃいましたか…。気持ちの整理がついてなくて」


DIVA「こうゆう状況になった時、何も考えられなくなるよね」


Fluid「でも、DIVAさんの言葉を聞いて安心しました」


DIVA「よかった」


こうしてまた、初投稿の曲作りに向けての再スタートを切った




パソコンと歌詞ノートとメモ用紙を置いたテーブルに、2人は向かい合って椅子に座って話し合っている

メモには、


テーマ 初めてからの旅立ち

初投稿は一度しかないから、言い方を変えれば「初めてとのお別れ」になる

→不安でいっぱいの心情を表現する

→不安だけど、「この先に良いことが起きるかも」って励ましたい


と書かれていた


Fluid「“メディシンの方向”的には2つは合っているけど、どう曲に落とし込もう…」


DIVA「うーん」

DIVAは悩んでいる時、急に思い出したようにFluidに言った



「そういえばメロディーと歌詞、まだ合わせてないよね」

「合わせて、それから調整するのはどう?」


Fluid「確かに、やってませんでしたね」


DIVA「俺が歌うね」



DIVAは仮歌を録って、できた仮歌をFluidに聴かせた


Fluid「めっちゃいい!」

「でもメロディーが暗すぎる気がするな…」


DIVA「確かに、メロディーのおかげで歌詞とメロディーが釣り合ってないな」

「明るさと暗さ、どっちを優先しようか…」


Fluid「あの…、メロディーを暗くして、歌詞を明るくしたらどうですか?」

「どっちかに寄せるとかじゃなくて、あえて歌詞とメロディーを真っ二つにすれば良いと思います!」


DIVA「確かにそれ良い!」


DIVAはさっきまで、憑き物がついたような顔で悩んでいたが、Fluidの妙案で晴れたような顔になった



DIVA「でもバランスを考えないと、さっきの仮歌みたいになるし…」

「あっ!音を少なくして転調を増やせば、暗いメロディーでも明るい歌詞と釣り合う!」

「それとドラムの音を中心に構成すれば、陰気で暗い感じが余計出る!」


Fluidは、「えっ!」と驚いた


Fluid「それで陰気な感じになるんですか?」


DIVA「うん、ちょっと見てて」


DIVAはパソコンの作曲ソフトが表示されている画面をFluidに見せた


DIVA「これが、さっきの仮歌のメロディーだよ」

再生ボタンを押して曲を流した


DIVA「これを、ドラムとピアノとベース以外をOFFにして、ちょっといじれば…」

「できるまで、ちょっと待ってて」



いじり始めて50分後


DIVA「Fluid、できたよ」

FluidはDIVAの隣にしゃがんだ


できた曲を流せば、DIVAが言っていた通り、暗い雰囲気になっているが、転調で明るい雰囲気にもなっている


Fluid「すごい…さっきと全然違う!」

「このメロディーに合わせて、歌詞を作り直します!」

Fluidはテーブルに置いてあった歌詞ノートを広げて、鉛筆を走らせた



1時間後

歌詞が完成したFluidは、キラッキラッな目でDIVAを呼んだ


Fluid「できました!DIVAさん!」


DIVA「できたんだ。見せて」

FluidはDIVAに歌詞ノートを見せた



DIVA「すごい…前と雰囲気が変わってる」

「不安な雰囲気はそのままで、明るく励ますような歌詞から、優しく静かに語りかけるような歌詞になってる」


Fluid「ありがとうございます」

Fluidは照れながらお礼を言った



DIVA「もう一回、仮歌撮ろっか」

できた仮歌を2人で聞く


Fluid「すごい!歌詞とメロディーが違うだけでここまで変わると思わなかった!」


DIVA「本っ当に、前とガラリっと変わったもんね」

2人はしばらく、仮歌の感想を言い合った



DIVA「後は、調整するだけだね」


Fluid「そうですね、もっと改善したい所がたくさんありますもんね!」


DIVA「でも今日はもう遅いから、明日にしよっか」

「Fluid、明日学校だし」


Fluid「あ~!もう少しなのに!」

「…明日、学校の建物が消えてなくなればいいのに」


DIVA「そんなこと言わないでよ(笑)」



DIVA「それじゃあ、また明日」


Fluid「はい、おやすみなさい」


DIVA「おやすみなさい」

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