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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕〔ガールズラブ要素〕〔残酷描写〕が含まれています。
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ゆうりんの小説広場

ふたり旅

リト「あれ?リサさんじゃん、どうしてこんなところに?」

リサ「ねえリト、あなたって人を殺したことある?」

リト「えぇ...?」

と思うの。」

リト「そんなに落ち込まないで、ほら、いつもみたいにカフェに行って話しませんか?少し

は落ち着くかもしれませんし...」

リサ「ううん、リト、私ね、家から追い出されたの。うちの親が私には振り向きもせずに妹

のことをかわいがってたのは知ってるでしょ?だからね...もう居場所なんてないし、じゃあ行ってくるね。」

リト「えっ...そんな...じゃあせめてついて行かせてください。」

リサ「昨日ね、私のせいで妹が死んじゃったの。だからね、どこか遠いとこへ行って死のう

リサ「いいけど...」

 そして、二人は街から逃げ出しました。財布と携帯だけを持って夕陽を追いかけるように二 人は電車で西へ向かいます。

リサ「ほんとにね。生きててこんなに気持ちいいのって何年振りだろ。」 電車のアナウンス的なのほしい

リト「ここで降りないといけないみたいですね...」

リサ「今日はここで寝ないといけないわね。」

リサ「ねぇ、リトは死にたいって思ったことある?」

リト「そりゃ、ありますよ。うちの家庭環境知ってるでしょ?」

リサ「そうね...」

リト「でも、なんというかこんなに体が軽いのって久しぶりです。」


リト「野宿ですか...?」

リサ「人生でこんなことするなんて一度も思ってなかったわね。それにしても疲れたし、早 く寝ましょ?」

リト「寝る前にゲームしませんか?」

リサ「いいよ?これが人生で最後のゲームになるのかしら。」

リト「リサさん、せめて今だけでもそういうこと言わないでください。ゲーム楽しめなくなっちゃいますし、それに...まあいいです。あっ、負けたほうが罰ゲームってことでおねがいしますね」

リサ「罰ゲーム?」

リト「負けたほうが相手の命令をなんでも聞くってやつです」

リサ「わかったわ」

リト「やった!勝っちゃいましたね」

リサ「しょうがないわね、なんでも命令していいわよ」

リト「ちょっと待ってくださいね」

リサ「?(リトのことだし、きっと、死なないでとかって言うのよね)」

リト「えっと...おはようリトって言ってください...」

リサ「えっ!?どういうこと?」

リト「とりあえず言ってください、お願いします」

リサ「えぇ...おはよう、リト...これでいいの?」

リト「ありがとうございます」

リサ「なんか悔しいわね、もう一回やりましょ」

リト「また勝っちゃいました」

リサ「あなた、強すぎない...?」

リト「このゲーム、好きなんですよね。いつかリサさんとやりたいと思ってて、チームの組み方とか、戦術とかいろいろと攻略サイトみて勉強してたんです」

リサ録音「それからもいただきます、おやすみなさい、いってらっしゃい...なんでこんな日常用語を言わされるばかりなの...わけがわかんない」

リト「じゃあもう一回...」

リサ「リト、疲れたからもう終わりにしましょ?」

リト「えっ、まだ残ってるんだけど...」

リサ「今日はもう終わり、また明日ね」


リト「よいしょ、これをこうして、これで話しかけるだけでリサさんが答えてくれるすてき な機械ができちゃいました。」

リト「おはようございます、リサさん。」

録音「おはよう、リト。」

リト「わぁい、ほんとにはなしてるみたい」

リサ「リト!?なにしてるの?」

リト「いや、これは、その...」

リサ「...」

リト「ぼく、家でこんなこと言ってもらったことがなくて...リサさんは言ってくれたことあ

りますよね、でもリサさんがいなくなったらもうそれも聞けなくなっちゃうじゃないです

か...」

リサ「大丈夫、あなたは優しいんだし、将来そういうこと言ってくれる人が見つかるから、それじゃおやすみなさい、はやく寝なさいよ?」

リト「はぁ、もう見つかってるんですけどね。でも彼女になんて言えば...。リサさん、覚えてますか?昔、ぼくが死にたいって思ってた時、「リトが死ぬくらいなら自分が死んだ方がまし」って言ってくれましたよね。あれでほんとに救われましたし...それに、あの時は言えなかったですけど、ぼくだってリサさんが死ぬくらいなら...て思ってますし...。なんて言ってあげればいいんだろ...」

リサ「おはよう、リト。」

リト「おはようございます、リサさん。」

リサ「そういえばね、リト、今持ってるお金、ちょうど帰りの電車代しかないの。ここから 帰り道以外の場所へ行くとほんとに死ぬしかなくなりそうね。盗んでもいいけど...それは 冗談よ。どうする、リト?」

リト「ぼくは...ずっとリサさんについていきます」

リサ「リト?私は、リトには生きててほしい。私のことでリトまで死ぬことはないから。ほ ら、電車代あげるから帰りなさい。じゃあ、私は別のところへ行くから...」

リト「リサさん...!リサさんが聞いてどう思うかは任せます。でも、ぼくはリサさんに生きていてほしい。この世界はぼくたちのような人間には生きにくい世界です。でも、生きていていいこともありますし、少なくともぼくはあります。それは、リサさんに出会えてこうやってリサさんといられること。リサさんは何も悪くない。だからもう、すべて投げ出してもいいから、生きていてください!」

リサ「...」


リト「...」

リサ「リト...」

そして、二人は来た時のように、電車に揺られて帰っていきます。

リト「(結局、ぼくたちって社会からの見えない重圧に押しつぶされそうになりながら生き

てるんですよね。その重圧をはねのけたら社会からどう見られるかはわかりませんが...でも、自分だけじゃなくて、友達にも「もういいよ」って言ってもらえるのって、すごく楽になるはずなんです。そこに気づけてよかった...。)」

リサ「ねえリト、私たち結局電車で...敷かれたレールの上通って帰ってるわね」

リト「そうですね...」

リト「でも、レールから外れることはできなくても、通るレールを選ぶことはできるんですよ?」

リサ「そうね、リトはこれからどうしたいの?」

リト「うーん、難しいですね、家に帰ってから考えます。」

「そういえば、リト、ゲームのとき何かまだいってほしかったんでしょ?」

リト「それは...」

リサ


そして、数年の月日が過ぎていきました。あの日、リサが追い出された家は、もうありません。少し離れたところにある出来たばかりの家に一人の青年が帰っていきます。

リト「あれから数年、あの日のあの言葉、あの出来事がなかったら...今の日常はなかったかもしれない。時々そう思います。もしかしたら、今この演劇を見てるあなたの周りにも、いろんなことで悩んでる人がいるかもしれません。そんな時には、この話を思い出してみてくださいね。それでは...」

リト「ただいま、リサ。」

リサ「おかえりなさい、リト。」

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