ハロルド視点7 王子だと知っても興味を持たないキャサリンに更に執着しました
「では、殿下、竜神様はキャサリン様のペットになっていると言われるのですか」
王都への馬車の中で驚いてヘリフォード伯が聞いてきた。
「そうだ。この事は卿だけに留めてもらいたいのだが」
「では、あの、キャサリン様が抱えていらっしゃる龍ちゃんが竜神様だとおっしゃるのですか」
「そうだ」
「伯には信じられないだろうが、事実なのだ。我が国を救っていただいたのも、あの龍神様とキャサリン様だ」
「まあ、信じる信じないは卿に任せるが、心に留めておいてもらいたい」
ヘリフォード伯にはすぐには信じられないようだった。俺も実際に暴れている古代竜を張り倒してペットにまでしたキャサリンを見ていなかったら信じられなかっただろう。
馬車の中で我々は今後のことについて、特に王宮内について詰めたのだ。
「基本は我軍の騎士で抑える」
エイブ爺が言い切った。
「しかし、竜神様を抱えていらっしゃるならばキャサリン様にお働き頂けば、問題ないのでは」
「その瞬間王宮が壊滅するぞ」
俺はヘリフォード伯に忠告した。
「左様ですぞ。スノードニアの2万の大軍は殲滅されたのですから。下手にキャサリン様に暴れていただくと王都壊滅もあり得ます」
俺とエイブの言葉にヘリフォード伯も驚いていたが、半信半疑のようだった。
王宮に着いた俺はキャサリンをエスコートして歩いた。
女どもは好きなことを噂してくれた。
「でも、何あの殿下の横の金髪の女」
「王国から殿下が連れてこられたのよ」
「平民じゃないの?」
「それにあの女、なんかペットを連れているわよ」
「信じられない」
「あれ、ひょっとして伝説の竜神様を真似ているんじゃない」
「竜神様って、あれ竜もどきでしょう」
「本当に馬鹿じゃないの」
「あんなトカゲ連れてきて」
おいおい、お前ら竜神様を怒らすなよ。
「駄目よ。怒って巨大化したら、あなたが大きくなったらこんな王宮一発で破壊してしまうんだから」
「おいおい、王宮を壊すのは止めてくれよ」
俺は宥めているキャサリンの胸の中の怒っている龍を見てため息をついた。
「まあ、そうならないように祈っておくわ」
キャサリンの言葉は危険としか思えないんだけど。
「これは殿下。良くお戻りになられましたな」
そんな所へ宰相が寄ってきた。
「バージル、久しいな」
「そちらが噂のお方ですかな」
宰相が見下したようにキャサリンを見るんだけど、おいおいこいつは腐っても隣国の公爵令嬢だぞ。
「これはアビントン様、お久しぶりでございます」
「えっ、シェ、シェフィールド公爵令嬢!」
案の定キャサリンが話し出して宰相が青くなっている。
「えっ、シェフィールドって」
「ロンド王国の重鎮の」
「確か、ロンドの王太子に婚約破棄されて殺されそうになったっていう」
「それを騎士が助けられたと」
「その騎士がハロルド様だったの・・・・」
「嘘ーーー」
「じゃあ、ハロルド様のお相手って隣国の公爵家のお姫様・・・・」
ガーーーーン
なんか女どもがショックを受けているんだけど。
それはどうでもいい。余計な女はいらない。俺は俺を王子として寄ってきた女どもには興味はなかった。キャサリンは俺を王子と知らなくて寄ってきたのだ。さっきも俺が王子だと初めて知って驚いていたし、俺としては気を使わないキャサリンで十分だった。こいつといると飽きはしないし、基本的にこの王国に安寧をもたらしてくれるはずだ。
まあ、龍が暴走しない限りなのだが。
でも、キャサリンは俺から逃れて冒険者になる気満々みたいで、それがムカつくんだが。普通、王子だと知ったら、なんとしてもものにしようともっと寄ってくるだろう!
まあ、そうでないからキャサリンに惹かれたというのもあるが。
俺はとても不機嫌だった。
絶対にこいつを俺のものにしてやる。
俺はこの日更に決意したのだった。
ここまで読んで頂いてありがとうございました。
『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~
あらすじ編集』
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第二部開始しました。
今回の悪役の登場です。なんと敵国スカンディーナの王女様です。
どうなるアン・シャーリー。ぜひともお読み下さい。




