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生贄少女と彼女の転生騎士  作者: 遠出八千代
第二章 精霊王編
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第7話 プロローグ



 今より、500年前。精霊王という言葉がまだ登場する前の話だ。



 精霊島にはまだ人や魔族が暮らしていた。他の大陸同様、彼らはいがみ合い、何百年もの間小さな争いを繰り返していた。だがある日、魔族の中に彼らを統率する魔王が現れる。魔王は精霊島に城を築き大規模な組織が統率される。人間は徐々に劣勢になっていった。


 そして、伝承の通り。


 人類の危機を救うべく勇者が現れた。

 だが、500年後の伝承と違う点があった。

 勇者フラウは生前、聖剣を結局使うことはなかったことだ。彼女は確かに聖剣を抜くことが出来た、聖剣に選ばれたといえる。


 何故勇者クラウが聖剣を使うことがなかったかというと、その剣には魔王を倒す力はなかったからだ。一応、強大な力を所持している。その剣は魂を封じる力を持っていた。魂を封じてしまうのだ、言葉尻だけ見れば有用な剣にも見えるだろう。しかし、魔王は優れた知性と強大な魔力を有してはいたが、不死であったとか、いくら殺しても蘇るような生命力があるわけではない。


 そしてその剣は切れ味は銀製の剣よりも悪いし、飛び道具のほうがよっぽど戦闘で便利だった。肝心の魂を封じる力も、いくつかの手続きが必要で、数時間もかかってしまう。

 とてもじゃないが戦闘中に行うことは出来ない。

 そんな代物であったため、結局勇者クラウはその剣を魔王討伐のために立ち上げられた王立魔法研究所に預け、魔王を倒す旅に出た。その剣を研究することで、さらに有意義に使えるかもしれないからだ。

 

 そして聖剣の所有者、勇者クラウの経歴を捕捉すると、彼女は聖剣を引き抜く以前は、従者スクワイアだった。騎士ライラックに孤児だった彼女は拾われ、彼の元で騎士になるべく修行を行っていた。ライラックには甥がおり、彼も見習い騎士としてライラックの元で修行を共にしている。クラウは彼と幼い時からおり、三人はいつも一緒だった。クラウは幼馴染の彼に惹かれていた。


 その男の名前は、スノード・ランド。

 そして遠くない未来。

 勇者クラウを裏切る男だ。

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