2016/06/21 第六十五回 「砕け散るところを見せてあげる」 著・竹宮ゆゆこ
最近、こんなタイトルの小説を買った。
「砕け散るところを見せてあげる」 著・竹宮ゆゆこ/新潮文庫
「竹宮ゆゆこ」と言えば、自分の中では「とらドラ」である。
「逢坂大河」であると言ってもいい。
「櫛枝実乃梨」でもいい。
個人的には頑なで、永遠に受け止めてくれない「櫛枝実乃梨」の方が好きだったりするのだけれど、それは非常にM的な観点であると言えるだろう。
「ゴールデンタイム」は三巻くらいまでは読んだのだけれど、何というかときめかないと言うか、リア重というか、「とらドラ」の舞台設定が大学なっただけのような気がして読まなくなった。
やはり、大学生小説といえば森見登美彦作品に出てくる「腐れ大学生」であり、打たなくてもいい布石を狙い澄まして打ちまくってしまうような姿である。
又は、伊坂幸太郎の「砂漠」に出てくる、二度と戻れない時を喜びも悩みも合わせ持って駆け抜ける様なストーリーである。
と言うわけで、「竹宮ゆゆこ」作品は、ここ数年ほど読んでいなかったのだけど、本屋の新刊コーナーに「おやすみプンプン」で有名な漫画家・浅野いにおの描いたイラストが表紙になっている文庫を見かけた。
てっきり「スカイクロラ」「すべてはFになる」の森博嗣の小説かと思ったら作者は「竹宮ゆゆこ」だったので驚いた。
今は一般小説を書いているのかと。
しかも、表紙が「浅野いにお」である。
それだけで表紙買いをする人もいると思われるのではあるが、書店文庫ランキングを見ると10位にいるではないか。
「浅野いにお」効果恐るべし、と思う。
やはりというか、特にラノベでは表紙イラストが重要だなと実感する。
自分も表紙が「鶴田謙二」や「たかみち」だったら、それだけで買ってしまうだろう。
しかし、ラノベランキングではない、文庫ランキングである。
かってこの文庫ランキングにランクインした文庫小説は「涼宮ハルヒ」くらいであった。
ラノベはけっこう売れているように思えるけども、一般文芸の売れ筋と比べれば、大きく差をあけられているようである。
だからこそラノベではない一般でどれだけ書いたか分からないけれども「竹宮ゆゆこ」の小説が10位であるのは凄い事だと思った。
「浅野いにお」が描くロングヘアーの美少女に、内容が解らない小説をついつい買わせてしまう魔力があったとしても、それだけで10位になるだろうか?
そして、タイトルを見る。
「砕け散るところを見せてあげる」
把握した。
この作品、タイトルがめちゃくちゃ良い。
「浅野いにお」の描いた美少女もいいけれど、それ以上にタイトルが素晴らしいと感動した。
見たいもの。
何が砕け散るのか、解らないけれども、それが何か知りたくてつい買ってしまう。
……いやぁ、読み始めたら自分には会わない文体だったw。
読み切れるか解らないw
その後に買った「はたらく魔王さま 16」 著・和ヶ原 聡司 は、二時間くらいでスラッと読めたのにw
それでも、やっぱりタイトルは重要だなと思えた「砕け散るところを見せてあげる」の話。




