表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/70

2016/05/31 第五十七回 憂鬱なるピンクスパイダー

1


 気分が晴れない日が続いている。


 いまさら五月病というわけでもないのだけれど、健康診断で引っかかった高血圧で、薬を飲み始めたのと、食事の量を減らしているのが大きいのかも知れない。


 購入した血圧計で、一日二回、血圧を測らなければならないと言うのもあるが、根本的な問題というのは別なところにあるというのは自分自身で理解できる。


 そもそもこの先に希望を持てないという事があるのだけれど、考えたところでどうにもならない事は考えないようにするのが自分のスタイルである。



 仕事は午後四時からなので、日中に目が覚めると会社に行くまでテレビを見て過ごしている。


 昨日は北海道で行方不明になっている小学生と、東京都知事と、瀬戸内寂聴が目に止まった。


 瀬戸内寂聴と言えばついこのあいだ、STAP細胞で時の人となって失墜した小保方さんとの雑誌対談がテレビに取り上げられていたばかりだったのだけれど、寝たきりの生活からの復帰とともに、その死生観というか、生き方がクローズアップされていた。


 「極楽は安定していてつまらないから死んだら地獄に行きたい。地獄を廻ってここはどんな苦しみや痛みを与えられるのか体験してみたい」


 以前はそんな風に法話で語っていたらしいのだが、背骨の圧迫骨折をして、寝たきりになり、その治療の過程で見つかった癌の治療を終え、元の生活に戻った今は考えが変わったという。


 「痛いのはもう嫌だから、真っ直ぐ極楽に行きたい」


 そう言って笑っていた。


 「若い時の苦労は買ってでもしろ」

 

 学校を卒業して新入社員として働き始めると、そんな事を言われる事があると思うのだけれど、それは不器用な生き方で、しなくても良い苦労はする必要が無いと思う私の考えに近いものがあると思えてしまうのである。


 「鬱になってきて、あぁ自分は鬱になっている。これはいけないと思い、小説を読んだりした。楽しい気分になると、鬱にはならないでしょ」


 そんな事も言っていたのだけれども、考えてみれば鬱になってもおかしくない自分の人生で、自分がそうならずにやってこれたのは、漫画やアニメや小説が在ったからではないのだろうかと思う。


 本当にどうにもならなくなって、もうどうしようもなくなった時、他の人ならば死を考える状況に陥ってしまった時に、


 「西尾維新の物語シリーズのアニメを全部見ないうちには死ねねぇぜ!!」


 などと思う自分はきっと、お気楽な人間で在るのだろうと思う。

 ちなみに「物語シリーズ」は全原作のアニメ化が決定しているので、あと十年とは言わなくても、それに近いくらいのストックはあるはずである。


 他にも「伝説シリーズ」「忘却探偵シリーズ」もあるし。


 

2


 髪がだいぶ伸びてきて、襟足が湿度が高いとクルクルになってしまうので、襟足だけ自分で切った。


 ザクザクと適当に。


 近々、床屋に行くつもりではあるのだけれど、面倒なのでとりあえず邪魔な所だけ。

 

 きっと、見かけは悪いのだろうけれど、クルクルの癖毛よりはマシであると思う。


 というか、昔はちゃんとストレートな髪だと思っていたのだけれど、いつのまにか酷い癖毛になってしまっていた。


 気温二十五度以上、湿度六十%以上の工場に朝から晩までいるせいだと思うのだけれど、これは禿げる前兆かとも思う。


 「お前やばいぞ、後頭部。カッパになるぞ」


 などと上司に最近言われる事があるのだけれど、自分では後頭部は見えないし、禿げたところで年相応というものである。


 もちろん、ロマンスグレーの白髪になった方が自分としては良いのだけれど、禿げる事を気にする相手もいないので、問題ないと考えている。



3


 高校の後輩、と言ってもだいぶ歳が離れているので同じ時期に学校に通っていたわけではないのだけれど、プロのミュージシャンになって活動している人物がいる。


 今現在は、地元ローカールのテレビ番組でお笑いタレントみたいな事をしている方が多いような気がするのだけれど、ミュージシャンとしては全国区で活動しているので、きっとそっちの方が本業だと思う。


 自分が通っていた高校は街外れにあるタマネギ畑の中にぽつんと立っているような学校で、スクールバス以外にバスが走っていないような場所にあった。


 もよりのJRの駅からは三十分もかかり、夏場は自転車で通うのが基本のような辺鄙な場所にあり、帰り道に寄るような場所も無く、当時はもっと街中の学校に行けば良かったと後悔したものではあるが、他に行けなかったのだからしかたない。


 ちなみに、もっと奥地に行けば合格できる高校はあったのだけれど、冬になるとホワイトアウトするような場所なので却下した。


 通っていた頃は、酷い学校だと思った。

 頭髪検査で数ミリ前髪が引っかかって、職員室に呼び出されると、その場で前髪を半分切り落とされたり、この教科書は進学校である○○高校でも使っているのだから、オマエラもこの教科書が理解できれば○○高校の生徒と同じレベルになれると言う教師。

 いや、そんな頭がないからこの高校に通っているわけですが。

 校則は法律に勝ると宣言した生徒指導の先生とか。


 ただ、入学させて、卒業させるだけの学校で、生徒の何かを伸ばすとか、将来へのきっかけを掴ませるための教育というものが全くない学校だと感じていた。


 結局の所、気持ちの持ち要は生徒次第であり、プロのミュージシャンになった生徒もいれば(バンド×1 シンガーソングライター×1)、役者になった生徒もいれば、サッカー選手、プロ野球選手になった生徒、漫画家になった生徒もいる。


 自分はただ文句を言っていただけであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ