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2016/05/08 第四十一回 魔法のコトバ

老後破産というのが問題になっているらしい。


親が歳を取って働けなくなり、生活能力のない子供は親の面倒どころか、自立する事が出来ずに親に寄生、又は子供の教育などに大して力を入れてこなかったのに、老後に子供を当てにしていて、その当てがはずれて共倒れするそうだ。



 歳を重ねていけば、若いと持っていた自分でさえも体は言う事を聞かなくなっていく。


 それが親ならば尚更で、子供の頃は大きかった存在も、いつのまにか小さくなっていき、それまで大きな病気などした事は無かったというのに、ちょっと調子が悪くなって病院に行くと、命に関わる大病だったりする。


 働けど働けど、我が暮らし楽にならず。

 とてもじゃないけど家族を養うような給料ではなく、むしろ家族を養ってきた父親の凄さというものをこの歳になって理解したわけである。


 ちなみに父親が私の年齢の時には、私は高校生であり、二つ下の弟も高校生だった。

 持ち家ではなかったので、借家だったので家賃を払い、生活費を出し、食費を出し、学費をだしていた。


 今の私にそれと同じ事をしろと言われたら、出来るわけ無いだろうと逆ギレである。


 別に私は働いていないわけではなく、多少の借金があるものも、ごく普通に会社員である。


 しかし、ごく普通の会社員では、今の世の中では家庭を維持していくのは難しいらしい。


 月の半分以上は、一日十時間以上の労働時間であると思うのだが、それでも手取で21.6万円である。


 まぁ、ブラックだと言う事もあるのだろうが、そもそも今の世の中にブラックでない中小の企業がどれだけあるのだろうか。


 そう遠くない未来、父親もすでに70近いので働く事は出来なくなるだろう。


 職人であるから、現場に出れば今でも月に35万以上は稼いでくるわけだが、会社員とは違い個人事業主なので、そこから引かれるわけだから、だいぶ少なくなるが、それでも私の手取よりは多い。


 その収入が、入らなくなると我が家は崩壊すると言っても良い。

 私の収入だけでは、今の借家の家賃と光熱費、その他諸々払ったら、食費が家族の人数×一月ぶん、たぶん出せないんじゃないかと思う。


母親も、だいぶガタが来ていて、毎日のように病院に通っているが、その医療費だって負担するのは厳しい。


 そう考えてみると、自分の残りの人生は貧しい中で親の面倒、そして姉が置いてきぼりにしていった引き篭もり気味の甥っ子の面倒を見る為の人生になってしまい、自分の人生を自分で生きられないように思えて仕方がない。


 そんな時はあきらめて、魔法のコトバを呟くしかない。




∩(´・ω・`)つ—*'``*:.。. .。.:*・゜゜・* もうどうにでもなぁ〜れ♪

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