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【箱】詩

どうか曖昧なままでいて

作者: FRIDAY

 

 ずっと長く一緒にいたから

 自分の気持ちに気づかないとか

 離れていってしまうことで

 初めて気持ちを自覚するとか


 そんなよくある詰まらない話

 私には関係ないと思っていた

 それなのにいつの日からか

 私は君に落ちていた


 言えないよ 言えるわけない

 私の知らない誰かの隣で

 幸せに笑う君になんて


 どうして気付けなかったのかな

 早く気付いていたら 何か変わっていたのかな

 君と私の関係は 変えることができたのかな


 後悔なんてしたくないけど

 苦い味は消せないんだ



 誰かと一緒にいる君に

 嫉妬している自分とか

 今までの距離に安心して

 何もしてこなかった自分とか


 笑ってしまうほどありきたりな話

 翻弄されることが嫌で君を嫌いになろうともした

 でもそんなことできるわけないよね

 好きになってしまったのだから


 どうして気付いてしまったのかな

 知らないままでいられたなら

 変わらないふたりでいられたのに

 君と私の関係は もう何にも変えられないね


 追いかけるつもりはないけれど

 寂しい思いは消えてくれないよ



 「久し振り」

 「元気にしてた?」

 「あれからはどう?」

 「それはよかった」



 「どうかそのまま

  ずっとずっと幸せに」



 君と私の関係は 歪んだ形で固まって

 私はそれを変えようとは思わない

 これでいいんだって言い聞かせて

 これしかないって言い聞かせる


 私は君とは向き合わない

 ちょっとずれたまま生きていく


 そんなふたりの関係の

 言い表し方を 私は知らない


 けど


 友達だとか 恋人だとか

 そんな言葉で区切らないで

 はっきりとなんてさせないで


 友達のままは嫌だけど

 恋人になんてなれない私と

 何も知らない君との距離は


 どうか曖昧なままでいて




 

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― 新着の感想 ―
[良い点] 好きなことを自覚するのが怖くて ときに、私もその笑顔が欲しいんだと嫉妬して。 だけど、となりにいられないことが辛くて。 本当にどうしようもなく、曖昧な距離感。 それでも、繋がりは確かに…
2015/10/06 10:58 退会済み
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