執事「勇者パーティ追跡にはいつ頃出発するので?」
久々の更新。FREE LIFE STYLE ON-LINEも更新したいんですが、忙しくて難しいです。
「こんな所にいたのかね。結構探したよ」
「おう、ランドルフか。もうできたのか?早いな」
「まあね。この私にかかれば簡単だがね。で、だ。これが注文の品だよ」
ランドルフは私に赤っぽい色の玉が繋がっているネックレスを差し出してきた。流石ランドルフだな。仕事が早い上に完璧だ。
「それでだね、これは守護者の首飾りって言ってね、仙山の宝珠、アラクネクイーンの糸、星の欠片、古の巨兵の欠片を素材にしてだね、自動防御、雷撃、後はサービスで全状態異常耐性を付与しといたよ」
「古の巨兵の欠片なんて持ってたのか?あれは確かドロップ確率がかなり低かったはずだし、俺らのサーバーには居なかったはずだったと思うんだが」
古の巨兵は基本的に俺らのいたサーバーには登場しない。世界観が若干違うからだな。
「ああ、それはね、≪聖者≫から貰ったのさ。聖者とは現実で近くに住んでいたし、友達だからね、誕生日プレゼントで何個か貰ったのさ」
「え!?お前、あの≪聖者≫と知り合いだったのか!?」
≪聖者≫は世界の崩壊を止めた伝説のプレイヤーで、基本一人で放浪しているから基本会えない。そんなプレイヤーとランドルフが知り合いだったとは・・・・驚きだ。
「まあね。ちなみにね、結構古い友人だね」
「へえ。そうなのか。そんなことより、ヴェーダ。ランドルフは誘わなくていいのか?」
「んん?アイテムを作ってもらうためにきたんじゃないのかね?」
「ああ、それもある」
「私とジャックはお嬢様の為に変装してくそったれ勇者パーティをさりげなく追跡するんだが。それに一緒に来てほしい」
「ん、嫌だね。そもそも、ヴェーダとジャックが入るなら充分だと思うのだがね」
むむむ。やはりランドルフは承諾してくれないか。基本外に出たがらないからな。引きこもって研究するのがいい趣味だからな、この男は。ここはジャックの出番だな。と、いうわけで私はジャックに視線で合図する。
「ランドルフ。もし、一緒に来るのならジャックのシュークリームをつけよう。それでどうだ?」
「ななな、何!?ジャック製シュークリームだと!?行こうじゃあないかね」
よし、これで、お嬢様を完璧に守ることができるな。しかし、流石ランドルフだな。シュークリームを用意すれば基本承諾してくれるから扱いやすい。
「明日あたり屋敷に来てくれ。場所はわかるだろう?」
「場所はわかっているさ。そんなことより、シュークリームを忘れるんじゃないよ、わかったね?」
「もちろん。じゃあ、後でだな」
「じゃあな」
「では、後でだね」
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その後、私とジャックはすぐに屋敷に戻ってディエンル様の部屋へ向かった。ディエンル様はいつもはこんな夜中に起きてはいないが、今日は守護者の首飾りを届けて説明するために念話で連絡して起きてもらっている。ディエンル様の部屋に着いたので、ノックして声をかける。
「失礼します。ディエンル様、ウェーダとジャックです」
「ウェーダとジャックか。入ってくれ」
ディエンル様の許可を貰ったので部屋の中に入り、守護者の首飾りを渡す。
「ふむ。これが我が娘を守る魔導具か。私はあまり魔法とか魔道具とかに詳しくないからわからないから、どんな効果があるか分かりやすく説明してくれないか」
「効果は致命的な攻撃の自動防御、くそったれ勇者とかに夜這いされたときのための雷撃、あとは全状態異常耐性です」
「致命的な攻撃の自動防御、雷撃、全状態異常耐性か・・・・。かなり良いものだね。これなら安心できる」
「はい、私が知る中でも一番か二番を争う超一流の腕利き魔道具職人に作ってもらいましたので」
ランドルフはトッププレイヤーの中でもかなりの腕利きだ。他には生産に超特化した≪生産帝王≫や製作した魔道具とか機械で自分の体を改造している≪機械人間≫とかが超一流の魔道具職人と言える。
「ありがとう、ジャック、ウェーダ。これで勇者から我が娘を守れる」
「いえ、仕事ですから。それで、勇者たちの出発は明日の朝ですよね?」
「うむ」
「私たちはいつ頃この屋敷を出て、追跡すれば良いので?」
「それは、昼頃だね。あの勇者が最初に向かうところは分かっているから一緒に出発する必要はない」