司会ブリュッセル「予選Aブロック開始!」
Aブロック予選開始です。
ウェーダ達が武王国ヴァルス王都武道大会予選に登録した次の日、ついに武王国ヴァルス王都武道大会予選が始まろうとしていた。
『観客の皆様、武王国ヴァルス王都武道大会予選にようこそ!司会は去年、一昨年と同じく私、ブリュッセルが行わせていただきます!!さあさあ、私が挨拶をしている間に予選Aブロックに出場する猛者達が集まってまいりましたァ!!』
円形闘技場の真ん中、ステージにどんどん出場者が入場してくる。その数100人。
『さてさてェ!予選Aブロックを開始する前に予選Aブロックに出場する有力選手を説明したいと思います!!まずは冒険者ギルドBランク、巨大なハンマーを自在に操る大男!≪鉄槌≫ロマノフ・エイルムスだァ!!』
大男の背の倍の大きさの巨大なハンマーを持つ大男が司会ブリュッセルの後ろのモニターに映し出されると観客の盛大な歓声が鳴り響く。
『次にィ!同じく冒険者ギルドBランク!!≪戦場の道化師≫キャスターァ!!』
先程と同じように説明された男がモニターに大きく映し出される。他にもBランク冒険者≪双剣≫エクセルや武王国ヴァルス所属騎士≪鉄壁の盾≫ディヴァイン・ド・エビリュウス、傭兵の≪鬼斬り≫オニスなどが紹介され先ほどと同じように大きな歓声が鳴り響いた。
『ではではァ!皆様の興奮が高まってきたのでェ!試合開始の合図を出しましょう!!それではーーーー予選Aブロック、開始!!』
開始の合図と共に≪双剣≫エクセルが近くに居た冒険者三名を切り裂く。切り裂かれた三名は光りながら粒子となって消える。次々とエクセルは出場者を切り裂いていく。
そして目の前に急に現れた大男も同じように切り裂こうとしたがーーーキィンという音共にハンマーに防がれた。エクセルは驚きに目を見開き、一時引こうとする。しかし大男、≪鉄槌≫ロマノフはエクセルが引くのを許さず、その巨大なハンマーで左右から攻撃を繰り出し続ける。エクセルはその攻撃を時には双剣で防ぎ、時には避け続ける。
『「チィ!流石、ですね!≪鉄槌≫!!この私の、攻撃をいとも簡単に、防ぐなんて!」』
『「そういう貴方も流石だ。しかし・・・この程度で息切れしているようではまだまだだ、ぞっ!」』
『「グッ!」』
エクセルがついにロマノフの巨大なハンマーのスイングをくらい、吹き飛ばされてしまい粒子となって消えた。
『おおっとォ!!予選Aブロック有力候補の一人、≪双剣≫エクセルが≪鉄槌≫に破られ、敗退!!さあ、残っている有力候補は≪双剣≫を降した≪鉄槌≫、≪戦場の道化師≫、≪鬼斬り≫、≪鉄壁の盾≫!!誰が本戦に残るのかァ!!』
『「おい、ちゃんと戦えよ!!この野郎が!」』
『「いえいえ、ちゃんと戦ってあげていますよ。反撃していないだけで」』
≪戦場の道化師≫キャスターは複数の出場者に囲まれて攻撃にさらされていた。しかし、キャスターは反撃をしようとしない。周りの出場者達は舐められていると思い、がむしゃらに当てようとする。それを避けながらキャスターはため息をつく。キャスターは決して周りの出場者達を舐めているわけではないのだ。ただ単に攻撃するのが面倒くさいだけであって。そもそもキャスターはこの大会には面倒くさいので出るつもりはなかった。にも関わらず幼馴染が勝手に予選に登録してしまったのだ。それを知ったキャスターはすぐに棄権しようとしたものの、棄権したら絶交だ、と幼馴染に言われ退路がなくなってしまい、出る羽目になったのだ。
何故、こんなことになったのだろうか、キャスターは再びため息をつく。そのため息が周りの人出場者を余計に刺激してしまい周りの出場者はさらにがむしゃらに当てようとする。
『「ハア・・・。これでは埒があきませんね。仕方有りません。ショータイムです」』
キャスターは被っているシルクハットを外し、手に持つ。そしてもう片方の手に持っているステッキでシルクハットを叩く。するとシルクハットから鋭利な羽を持つ白い鳩?が大量に飛び出し周りの出場者の体を切り裂いていく。いつの間にかキャスターの周りにいた出場者は全員倒されてしまっていた。
『「ショータイム終了です。ハア・・・・。まだまだたくさん出場者が残ってて面倒くさいですね」』
予選Aブロックに出てきているモブキャラ(キャスターとか)は二章だけの登場になると思います。もしかしたらたまに再登場するかもしれませんが。
司会のアナウンスと出場者の会話と戦闘を両立するの難しすぎです(泣)




