執事「武道大会予選リーグ登録ですか?」
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私達はユグラル王国を出て後勇者を追ってミラノ連邦も通り過ぎ武王国ヴァルス王都に来ていた。クソったれ勇者は既に武道大会予選に登録した模様だ。私達も早く登録しなければな。ちなみにジャックは武道大会には出場しない。理由は簡単だな。戦闘モードに入ると簡単に止まらないので面倒だからだ。なので出場するのは私とランドルフだけだ。
「ピウス。確か武道大会予選登録場所って円形闘技場だよね」
「ああ。そのはずだ。それがどうしたんだ?」
「私には大きさの違うそれらしき建築物が二つも見えるんだがね、どっちだか分かっているのかね?」
「なんだ、そんなことか。武道大会と武道大会予選登録場所に使われるのは大きい方の円形闘技場だそうだ。何故大きい方かというとだな、大きい方の円形闘技場内には一時的に人が死んでも五体満足で復活できる魔導具があるらしく武道大会の出場者が相手の傷や命を気にすることなく全力で戦えるためだそうだ」
「なるほど。ということは小さい方は死んでも良い余興に使われているわけかね?」
「ああ。死んでも良い重犯罪奴隷同士を戦わせたりしているらしいな。まあ、そんなことはどうでも良い。とっとと武道大会予選に登録しよう」
「そうだね。そろそろ締め切りらしいしね」
私達は少し急ぎ足で大きい方の円形闘技場に向かう。すると円形闘技場の入り口の前に武道大会予選受付と書かれた看板と、その看板の近くで並んでいる冒険者や傭兵達が見えてきた。結構な人数が参加するみたいだな。まあ、殆どが雑魚どもだが。とりあえず武道大会予選に参加するため私達もその列に並ぶ。ある程度待っていると私達の順番が回ってきた。
「武王国ヴァルス王都武道大会予選参加希望者の方ですね?」
「ああ」
「では、この参加用紙に名前、性別、年齢、主に使っている武器を書いてください。あと、できればで良いのですが出身地なども」
私達は武王国ヴァルスの兵士から渡された紙に必須事項のみ書いていく。勿論、名前はローマ帝国の五賢帝が元の偽名だ。
「これでいいか?」
「えっーとですね、はい。大丈夫です。それでですね、武王国ヴァルス王都武道大会予選の仕組みはご存知ですか?」
「いや。あまり知らないな」
「そうですか。では、説明させていただきます。武王国ヴァルス武道大会は参加して上位五名に入れば聖盾イージスを始めとするお宝が入手できる可能性や国に仕えられる可能性があるのでとても人気です。
なので皆さん出場しようとして予選にはかなりの人数が集まります。そのためトーナメントなどを一々やっていると時間がかかります。そうならないように予選はA、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、L、M、N、Oの合計十五ブロックに分けられており、各ブロック上位三名な予選を突破、つまり合計四十五名の方が本戦に出場できるようになっています。これで説明は終わりますが、何か質問はありますか?」
「いや。特にはないな」
「そうですか。では、ピウスさんとマルクスさんのブロックを決めたいと思います。この箱から紙を一つ引いてください」
私とランドルフは兵士の言葉に従って青い箱から紙切れを一枚引く。引いた結果は私がHブロック、ランドルフがMブロックとなった。しかし、別々のブロックになって良かったな。同じブロックだと私とランドルフが戦うことになるからな。別に各ブロック上位三名本戦進出だから戦っても良いんだがトッププレイヤー達が私達の他にも出てないとは限らないし、もし予選敗退でもしたらクソったれ勇者を合法的に殺ることができないからな。




