舞踏会「ヴェーダ達にこっそり着いて行くことにしよう・・・」
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今日の昼まで適当な宿で過ごした私達はフリードリヒ伯爵領領都支部冒険者ギルドに冒険者登録証を受け取りにまた来ていた。ちなみにクソったれ勇者はすでにフリードリヒ伯爵領を出てミラノ連邦に入ったようだ。無駄に早い。何をそんなに急いでいるのかわからんな。目的の武闘大会の参加申し込みの締め切りはまだ余裕があるのにな。
「冒険者ギルドフリードリヒ伯爵領領都支部へようこそ!ってマルクスさん達ですか。冒険者ギルド登録証を取りに来たんでしたよね?」
「ああ、そうだね」
「はい、ではこちらが冒険者ギルド登録証になります」
エルフの受付嬢が引き出しから白い色のカードを出して渡してきた。久々に見たな冒険者ギルド登録証。正直言って使う場面が無いからな。
「では、冒険者ギルドについて説明いたします。大原則として冒険者ギルドは"自由"という概念の元運営されていますので特定の国ばかりには肩入れすることができません。なので冒険者個人がもし何処かの国に肩入れして何か騒動を起こしても基本的に冒険者ギルドは干渉いたしません。質問はありますか?」
「いや、ないな」
「では次の説明をしたいと思います。我々冒険者ギルドは王族や貴族はもちろん、一般の平民の方や冒険者の方、傭兵の方や商人の方など様々な方々から依頼を受けています。犬の散歩といった簡単なものから龍の討伐といった難易度が高く危険なものまで様々な依頼がありますが報酬はもちろん、難易度の高い危険な依頼の方が高くなります。
しかし、過去に富と名声に目が眩んだ欲望まみれの馬鹿どもが難易度の高い危険な依頼を受けてどんどん死んでしまうという事態が続出したので冒険者ギルドに登録したからといって直ぐに難易度の高い危険な依頼を受注することはギルドランクを上げない限りできないようになっています。
ギルドランクは昨日説明したとうり、上から順にA、B、C、D、E、F、G、H、I、J、K、Lとなっていて自分のギルドランクからプラスマイナス一したギルドランクの依頼しか受けれません。しかしこれはあくまで個人のみで依頼を受けた場合です。もし、二名以上でパーティを組むと、自分のギルドランクからプラスマイナス二したギルドランクの依頼を受けれるようになります」
正直言って昔一回この説明聞いているから聞かなくていいんだけどもな。まあ、規則らしいから我慢するしかないんだが。
「以上で説明は終了です。何か質問はありますか?」
「いや、ないね。説明ありがとう。ではこれで冒険者登録は終わりだよね?」
「はい、そうですね。これで冒険者登録は終了となります。では、冒険者活動頑張ってください」
よし、冒険者登録終了だな。これで後はクソったれ勇者を追って武王国ヴァルス王都に行くだけだな。
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ヴェーダ、ジャック、ランドルフが冒険者ギルドを出た後、彼らの応対をしていたエルフの受付嬢が小さく笑いながら呟いた。
「フフフフ・・・・。久々には彼らと会った・・・・。最後に会ったのがこの世界に来る前だから十年位前・・・・。まあ、彼らは幻術によって私だと気づいていないみたいだけど・・・・。彼ら三名が一緒に行動しているということは何か愉快で面白いことが起こる前兆・・・・・。こっそり着いて行くしかない・・・・」
彼女はVRMMO<ワールドオンライン>の伝説の一人。幻術を得意とするトッププレイヤー、≪舞踏会≫。彼女はヴェーダ達を追い、武王国ヴァルスへ向う。




