1 ある晴れた日に
初めて文章らしき物を書きました。
色々、拙い部分もあるかと思いますがよろしくお願い致します。
「んふ~。んふふふーん。ららら、てぃあ~♪」
薄緑色の空は気持ちよく澄みわたり。私は上機嫌でいつもの仕事をします。
雲の上には桃色の美味しそうな畑が広がっていて、
ダチョウくらいの卵がぽこぽこと顔を覗かせているんです。
鼻歌だって出ちゃうってものでしょう?
「可愛い。可愛い。樹精ちゃん達~、元気に可愛く育つんだよー」
そう。卵の中にいるのは可愛らしい樹精ちゃん。
あと、お日様8回天分でしょうかね?
回天分って言うのは、お日様が8回昇ったらって意味です。
もうちょっとで生まれるのですよ。
もこもこの雲の地面の向こうには、遠く霞んで大きな樹。
うん。今日もとっても雄雄しい。素敵です。
あれが天上界名物、万物の宿り木です。
見た目はそうですね。樫の樹に似ているそうですよ。
想像できましたでしょうか?
万物の宿り木はその名の通り、天界のあらゆる生き物のお母さんなのです。
もちろん、偉い人と精霊ちゃん達は違います。
精霊ちゃん達はこうして畑から生まれますし、
偉い人は何かそれぞれ色んな生まれ方をします。
ええと、私が生まれる遥か前に光臨なさっていたので良く知りません。
宿り木は一部を除く大体のお母さんと言った方が正しいでしょうか。
あ、私達はそのまんま宿り木と呼んでいますけれど、
樹は大きくて地上からずどんと生えているから、
人間の方も根っことかは見た事あるかもですね。
皆様は違う呼び方をしているかもしれません。
お好きな呼び方で親しまれて下さいね。
本当は地上の事はよく知らないんです。ごめんなさい。
私はまだまだ勉強中の羽虫なのです。
樹精ちゃんは卵から孵った後に宿り木に飛んでいって、
宿り木のお世話をする可愛い子達なんですよ。
ちっちゃくて薔薇色のほっぺの、
蝶々の羽の生えた樹精ちゃん達が一斉に樹に向かっていく様子は、
とてもとても綺麗なので皆様も一度、見てみると良いでしょう。
見惚れちゃう程、綺麗です。
虹色のグラデーションのついたお気に入りのじょうろを傾けながら、
私はとってもいい気持ちでお仕事してました。
まあ。その後に、
いまだかつてない程に絶望的な状況に陥ってしまうのですけども。
……ハァ。