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001『喉痛い』

言葉には力がある。

何年、何十、何百、何千、何万…いやこれは言い過ぎか。

兎にも角にも、知恵を持った人間が同じ人間とのコミュニケーションを取るために研鑽してきた、言わば技術。

しかし、その言葉を向ける対象は人間だけに留まらない。

例えば、猫が突如現れたとしよう。

これは可愛い。

べっぴんだ。

アメショーだ。

目を細め、彼女は敵意が無いことを君に示している。

ほら、足をたたんだ。

逃げる様子はない。

相当の猫嫌い。それも前世で猫に耳を噛じられたとかそんなのが無ければ。

例えば、昨日の晩飯であるホッケを猫に奪われたとかそんなのが無ければ!

例えば、コミケの原稿締め切り前日に…構ってもらえない寂しさに!猫が!机に上がりこみ…インクを前足で転ばして原稿が駄目になってしまったとかそんなのが無ければ!!

君は飛びつくだろう。彼女に…

そして、人の言葉を持ってこう語り掛けるだろう

「俺ん家に来ないか?」と

いや、違うな

「一人かい?」とかそんなことを話しかけるだろう。

まぁ話はズレたが、言葉は凄いのだ。

特に一つのワードだけで意味が伝わる、日本風に言うなら自立語。



その短いワードに力を見出した魔術師が居た。


それを元に術を紡ぐ。

言魂アート』と呼称される魔法。

難解な術式を必要としない

これは魔法使い達に革命を起こした。

非常に、簡易に使用でき、原則一人につき一つの単語(自立語)を司る事によって使用できる。

そして、その単語の解釈次第で力の幅が大きく変わる。

例えば君は、『ブルー』の『言魂アート』を持つとする。

"青"と聞いて、君は何を連想するだろう?

水…冷たい…氷、海、空等、様々に連想することができる。

私はかなり曲解だが若さを連想する…

それが力に繋がる。

そして、その『言魂アート』を使い熟す者達を『言魂使い《アーティスト》』と呼んだ。


      ◆


『その銃口は大嘘吐き《アンハッピートリガー》』

人相の悪い男は術を紡ぐ。

不敵な笑みを浮かべ

コルト・パイソンのハンマーを起こし、弾く

弾丸は正確に、確実に対象の心臓を射抜く

回転式拳銃の威力は自動式拳銃の比ではない。

シングルアクションアーミーなのは彼の拘りだろうか

「避けられんよ。確実に死ぬ。」

「ぐはっ…!?!?」

弾丸を受けた対象は、心臓を押さえ悶え…そしてピタッと動かなくなる。

「アーメン…済まなかったな。君には恨みはないが。ではターゲットを殺しに」

「なぁーんて。驚いた??どうしたの?まるで死人が生き返ってびっくりした顔しちゃって」

けろっとネックスプリングで跳ね起きる彼の名前は"エルミア・ナイトウォーカー"この物語の主人公である。

特徴は後ほど

「どういう事だ…?貴様…アンデッドか?」

人相の悪いガンマンはこの事実に狼狽している。

それもその筈、確実に死ぬとか(のたま)って居たのに、生きているのだから仕方が無い。

その問にエルミアは悠長に返す。

「ああ…人っていうバケモノさ。ごめんなー運命の神様からは心底嫌われててな」

えっと、と咳払いをしてエルミアはこう綴る

「"避けられんよ。確実に死ぬ"」

彼の右手にはコルトバイソンが握られていて、ハンマーを起こし、ガンマンに狙いを定める

「おい...どういう事だよ!?なんで」

俺の『言魂アート』をッと相手が言い終わる前にエルミアは撃鉄を弾いた。

相手はドサッと倒れる。

「あー悪い。格好付ける前にアンタの話が長すぎて弾いちまった。悪いついでに聞きたいんだけど、俺と同じ顔した奴見なかった…って聞いてないか... アーメン…済まなかったな。君に恨みはないが。 」

エルミアのコルトバイソンは砂の様に風に飛ばされ霧散していった。

「相手の『言魂アート』は?」

「おお?アリス居たの。」

いつの間にか地面に木製の片開きドアがあり、それから子供、ブルーのエプロンドレスにブロンドヘアーの少女が出て来る。頭には大きなリボンが結わえてあるのが特徴。

アリスの『ドアー』だ。

童話の不思議の国のアリスのアリスに見た目が似ているし、いつの間にか居なくなっているからあだ名はアリス。

「『ガン』だな。俺の解釈じゃあ"お手軽に殺せる"とか"相手の間合いに入る前に攻撃できる"とかだからさっきの殺し屋みたく"狙ったら確実に殺せる"って程の殺傷力は無いな。アイツは曲解過ぎるのか、相当銃の扱いに慣れているのか」

一般認識から大きく外れた解釈をした『言魂アート』は、何らかの不具合が起きるものだが、あのガンマンはやはり相当の手練だったのだろう。

「ふーん。貴方にお似合いの卑怯な『言魂アート』じゃない。」

「どっちが。アリスの『ドアー』も似たようなもんじゃねえかよ」

「しょうがないじゃない!私に合う『言魂アート』がこれだけだったのよ!」

言魂アート』は誰でも一応使える。魔法使いの家系に産まれて伝承されたもの以外は、無数にある『言魂アート』の中から原則一つだけ司り決める。

それは相性とかが関与してきて、選択したから、はい。使えますという訳ではないのだ。

十人十色。

十人居れば合う『言魂アート』も10種類必要で、被ることはほとんど無い。

「だけど受けた『言魂アート』をコピー出来るなんて反則よね?"強欲"さん。いや、『大罪憑き《サインホルダー》』の方が良いかしら?」

「アリスも"傲慢"憑きじゃねえか。」

「まぁね。貴方程では無いけれど」

「その人を見下した態度ムカつくなー。」

「あら?これでも謙虚になったものよ?昔に比べれば」

「確かに…」

エルミアは思いに耽って渋い顔をする。

相当な高慢ちきだったのだろう。彼の思い出したくない過去の一つだ。

「どうしたの?顔つきが悪いわよ」

「顔色だろ!?目付き悪いのは認めるけどよ…」

暗がりではよく視えないが、顔色と目付きを除けば結構な美男子だ。

青みがかったスーツ一式は、その細みのスラッとした高身長を引き立てる。

専門の仕立屋が居て、良い仕事をするのだ。

今は左胸部分に焼け焦げた様な跡がある。

顔色が悪いのは、これに気付いたからだ。と、思う

「で?無駄話しにわざわざ出てきた訳じゃねえだろ?」

「そうね。残念な話と、いい話が有るんだけどどっちから聞く?」

「残念な話」

「いい度胸ね。貴方の雇用主さんが死んだわ」

「はぁ!?」

刺客はさっき倒した筈だ。

相手は一人では無かったということか?

エルミアはボディーガードをして生計を建てているのだが、すぐに使ってしまう為貯金と言うものが全く無い。

「どうすんだよ…給料…。嫌だぜ人体実験のバイトなんてもうやりたくねえよ…あれ、身体切り刻まれるわ、色んな薬飲まされるわで、身体もたねえんだよなぁ」

「あら?お似合いだったけれど。」

「切り刻まれるのがお似合いってどんな奴だよそれ!」

「ふふっ…」

アリスはその体躯に似合わない妖艶な笑みを浮かべた。

本人はクスッと笑った程度だったろうが

「じゃあ良い話。」

「あ、ああ…」

「貴方の雇用主の執事からの依頼よ。"旦那様を殺した犯人を捕まえてくれ"報酬は今回のボディーガード代に上乗せで倍だそうよ?」

「その話乗った!!」


どうもほるまりんです。


ケセラセラ完成してないのに加筆orリメイク版を書いてしまいました。


どうしてくれるんだ!


登場人物は同一人物なのかはたまた兄の嫁の妹の友達の従兄弟的存在なのか…


あっちも完結してないですからね。同時進行して行きます。ただの似た作品とでも思ったほうがいいかも


では長くなりましたがこれで失礼します


喉痛い…

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