ぶとうたいかい
いよいよ、魔王が選定方法を、発表する。
「<ぶとうたいかい>だ!」
当然、辺りがざわめく……
「話を最後まで聞けい!戦う武道大会と、踊る、舞踏大会。この二つだ! わらわが望む婿は強く、しなやかであることだ! 詳しくは、前にいるものから、順に説明書きを渡す! 全員分あるはずだ! では、しばし待たれよ!」
説明書きが渡るにつれて、逃げ帰る者、その場でちびる者、自信満々な者と、内容が気になる。
「あ~、なんて書いてあるのかなぁ?」
やはり、ベガスは興味津々。
「キッド、内容によっては帰るんだ! わかったな?」
「アルフレッドこそ……」
「?」
アルフレッドには、意味がわからなかった。
とうとう説明書きがやってきた!
[武道は、わらわが用意した、特殊なドラゴンと一対一で勝負!命は補償しない!開催は明日から一月かけて行う!]
[舞踏は、城内でわらわと直接踊る!時間はわらわの気分!開催は武道が全部済んだ後!]
「なんだ、大した事ないじゃないか」
「アルフレッド、お前!ドラゴンと言っても、魔王様が強化した、特殊なドラゴンだぞ!」
「強化とは書いてないぞ」
「え、えっと……」
「それに俺、ドラゴン倒した事がある、ほら、忘れたか?ストレス付近の」
「あー! 本当だ! 特殊なドラゴン、って書いてある~!」
「ガハハ! 確かに意味不明だが、アルフレッドはドラゴンを倒したぞ! さ、帰る奴は俺が護衛するぞぉ!」
だいたい三千人が帰った(逃げた?)。ペンション出身で残ったのは、アルフレッド、キッド(チェルシー)、キディ、サヘル、ナンバー、ベガス、【グラス】(二十で召喚士)!
「キッド! 帰れって!」
「やだ! 残る!」
(もし、魔王様にバレたら、どうすんだよ……)
「あ~もう!好きにしろ!」
その日は、魔王から食事と、毛布が配給された。
「最後の晩餐か……」
「何かっこつけてんだよ!」
「そういうサヘルは、魔法でドラゴンに、勝てるのか?」
確かにストレス付近で、ドラゴンを倒す際、サヘルの魔法は効かなかった。
「大丈夫! とっておきがあるから!」
「ダメだったら降参しろよ!」
「さぁ今日は寝よう。」
次の日、またパンが一人一つ配給され、朝方から武道大会は開かれた! 場所は変わらず、皆がすり鉢状になって、真ん中が闘技場だ! まずは、知らない人とドラゴンの戦い! そこで、魔王がいってた【特殊なドラゴン】の意味がわかった! 知らない人は魔法使いで、蛇形のドラゴンが現れたのだ! 蛇形は噛みつきを警戒すれば、魔法使いでも勝てる相手だ!
「サヘル! よく見とけ」
「おうよ!」
魔法使いは、氷の矢を唱え、攻撃する! しかし、ドラゴンは素早く、氷の矢をかわし、どんどん距離を詰め、魔法使いの足を噛みついた!
「やめろぉ!」
仲間だろうか?男が飛び入り、魔法使いの足となって逃げる。
「つまらんのぉ、二人とも失格だ!」
読んでくれてありがとうございます!あんなドラゴンありですか?