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ひだまりの国 神々の島  作者: 白波
第1章 上陸
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第4話 何者かの襲撃を受けました



 港付近にある宿にもうすぐ着くだろうと思って歩いていたとき、目の前から黒い服を着た集団がやってきました。


 私たちは特に気にすることもなく通り過ぎようとしたのですが、男がナイフを手に持ち、こちらに向かってきました。


「何!?」


 私は、間一髪でよけました。

 ナイフで襲ってきた男は、勢い余ってその場で転倒し、残りの男たちが私たちの周りを囲みます。


「おいおい。なんだよ……僕たち、なんかやったか?」

「さぁ……ただ、周りの奴らが明確な殺意を持っていることは明らかだな」

「厄介なことになったわね」


 アウラが寝ているため正確な数は把握できませんが、敵の数は、ざっと見て10人から20人とみて間違いないようです。


「どうする? 白旗でもあげるか?」

「そんなわけないでしょ。強行突破よ」

「そう来なくちゃ!」


 アウラを背負っているヴァーテルを挟むようにして私と竜也が立ちます。

 とりあえず、町に逃げるのも安全とは限らないので、左側に見える森に逃げ込むことにしました。


「いくぞ!」

「えぇ。『水魔術 水流弾』」

「『物語魔術 終わりの物語(ファイナルストーリー)』」


 私が水流弾で前方の敵を蹴散らして道を作り、竜也が後ろからの人々を押しとどめる。

 その間に、アウラを背負ったヴァーテルがその場から離れて行った。


「この!」

「『水魔術 水城形成』」


 水の壁にとびかかってきていた男が飛ばされます。


「俺とアウラのことも気に掛けろ! 『水魔術 水防壁』」


 ヴァーテルも必死に敵の追撃をかわしながら、森の方へ走っていきます。


「次から次へときやがる!」


 この狭い島にどれだけの敵がいるのでしょうか?

 先ほどまでは、10人程度だったのに、倒しても倒しても次から次へとやってきて人数は100人程度になっていました。


 アウラとヴァーテルが見えないほど遠くに逃げたことを確認すると、私と竜也は背中を合わせて立ち止まりました。


「いったい何人いるんだ?」

「さぁね……もう、数える気も失せた」


 私の言葉を聞いた竜也は少し笑っているようでした。


「俺もだ。こんな小さな島なのにバカみたいに敵がいやがる」

「背中は任せたわよ」

「俺もだ……」


 私と竜也がどちらともなくうなづくと、それより先は言葉を発せずに戦いが始まった。


「『水魔術 水城再構築 形式:防御特化 効果付与 ダメージ半減』」

「『召喚魔術 雷竜(らいりゅう)召喚』」

「『水魔術 水城再構築 効果付与 耐雷』」


 当然ながら、敵にも魔法を使える人がいるようで、敵が召喚した雷竜の雷を水城で防ぐ。

 お姉ちゃんが乗っていた炎竜ほどではないが、それでもかなりの大きさである雷竜から放たれる電撃は強烈で水上では完全に防ぎ切れていなかった。


「『水魔術 水流弾』」

「『雷魔術 雷神の逆鱗』」


 全力で出した特大サイズの水流弾は、空から雨あられと降りそそぐ雷にはじかれ意味をなさなくなる。

 水魔術と雷魔術は、力加減だけでいえばそこまで大きな差はありません。


 しかし、水は電気を非常によく通すということがもたらす結果は最悪としか言いようがありませんでした。


「そっちから来ないなら、こちらから行く『雷魔術 稲妻乱舞』」


 彼がそれを発動した途端、いつかの盗賊が出した時よりもはやい速度で稲妻がこちらに向かってくるのが見えました。

 稲妻乱舞のみなら、耐雷付与した水城で防げる自信はあっても、雷竜の力が上乗せされているため、どうなるかわかりません。


 発せられた稲妻は、私の目の前に迫っていました。


「『物語魔術 やり直し(リセット) 対象:稲妻乱舞』」


 大多数の敵をいつの間にか蹴散らしていたらしい、竜也のおかげで稲妻乱舞の直撃はありませんでしたが、いまだ上空には雷竜が旋回していました。


「牡丹。おそらく、雷竜を召還したやつがリーダーだ。他の雑魚どもは蹴散らしたから、あとはあいつだけだ」

「軽くいってくれるわね。水と雷の相性が最悪だってことぐらいわかってるでしょ?」

「もちろん。でも、水城は保っていてくれよ」

「わかってるわ」


 竜也が、敵が持っていたものとみられる剣を構え、自分もまた、近くに落ちていた剣を拾いました。


「二人まとめて葬ってくれるわ! 『雷魔術 大いなる雷(ビックサンダー)』」


 視界いっぱいを覆うような電気の固まりがこちらに向けて飛ばされました。



 読んでいただきありがとうございます。


 久々の魔法および戦闘となりました。

 考えてみれば、「海底都市の謎」では、魔法がほとんどからんでこなかったので、実質「ひだまりの国」以来だったと思います。


 これからもよろしくお願いします。

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