始まり
いろいろと無計画な作品です
一応恋愛ジャンルにしてありますが微妙だと思います。
どこへ向かっていくのか作者にもわかりませんw
暇つぶしに読んで戴けたらさいわいです
「まいったなぁ~」
取りあえず立ち止まり、辺りを見回す。
見渡す限りの・・・・木。
「これは・・・・」
むむむっと眉間にしわをよせて沙羅はつぶやく。
「まよった(゜∀゜)」
* * * * *
「それにしてもねぇ」
改めて周りをみて沙羅はため息をついた。
「空気は澄んでるし、木漏れ日は気持ちいいし、迷ってるって感じがしないなぁ」
再びスタスタとあてもなく歩を進めながらのびをしてみたり。
家族旅行で森林浴にきた沙羅は、せっかくなので森を散策しようとひとりで歩き出し、現在に至る。
もともと、沙羅は方向感覚に優れているので自分が迷うなど思いもしなかったわけだが。
「まぁ、帰らなかったらそのうち捜索願い出してくれると思うんだけどね」
「じゃ、なんで歩き続けてる?」
「ん~?暇だから?」
「探してもらうんだったら、下手に動くべきじゃないだろう。」
「それもそうだね~・・・・」
・・・・・ん?
あれ?と思う。
わたし、ひとりなのに何で会話が成立してんの?
「おい」
これ、わたしが言ったんじゃないよ?
「おいっ」
大声とともに腕を強く引かれて、後ろへ大きくよろめいた。
「あぶなっ!こけるじゃん」
振り向きざまに掴まれていた腕をふりはらうと、
「おっと。」
上からふってきた声に顔を上げると不機嫌そうな仏頂面があった。
なんでこんなに不機嫌そうなんだろう、この男の人。
「なんでかって?ボケボケしながら歩いて、木にぶつかりそうになってるのを助けてやったのに礼も言わない女がいるからだよ」
「・・・・・・」
「後ろを振り返ってんじゃねぇ。おまえだ、アホ」
おぉ、初対面の奴にアホ呼ばわりされた。
こんなに失礼な人っているんだ、と沙羅はひとり納得(←?)する。
「まぁ、いいや」
「いいのかよ。つか、俺がよくない」
あぁ、そう。
「ところで、あなたはここでなにしてるの?」
「俺のセリフだろう、それ」
呆れたように男が言う。
少し考え、沙羅が再び口を開こうとしたとき、
「たけ~?」
男その2が登場した。
* * * * *
「俺は竹宮浩太だ」
「俺、藤谷康太」
ぶっきらぼうに名乗るその1の横でその2が人なつこい笑みを浮かべる。
「••••“たけ”って竹宮の“たけ”?」
とりあえず、失礼なその1のことは無視して藤谷と名乗ったその2に話しかけた。
「そーだよ。俺たちどっちも『こうた』だからね」
ふにゃっと笑っても答えるその2。人懐っこいのを通りすぎて、なんか緩い。
「じゃ、あんたは『ふじ』なの?」
「ううん、俺は『こーた』だよ」
「え、なんで」
「じゃんけんで勝ったから」
なるほど。