お見合いパーティのあとで
明日香は、結婚を、焦っていた。今年、32歳だ。誰かいい人いないかな、と、常にアンテナを巡らしていた。
週末には、県内外のいろんなところでの、お見合いパーティに、参加するようになっていた。それでも、なかなか、タイプの男性とは、知り合えなかった。
本当に、自分は、このままだと、結婚できないのではないかと、焦りを隠せなかった。
そんな時、お見合いパーティのあとで、一人で、やけ酒を飲もうと、入った居酒屋のカウンター席で、隣に座った、ゆうき、35歳と、意気投合したのだ。ゆうきも、独身だった。明日香は、縁は、どこにあるかわからないというが、本当に、そうだな、と、思った。連絡先を、交換して、別れた。
明日香は、飲みたりなかったので、今度は、スナックに行って飲んだ。そして、そこでもまた、てつや、という、37歳で、バツイチの男性と、隣になり、話しはじめたら、同郷だということもあり、話しがはずんだ。今度、県人会に一緒に、行かないか、という話しになったのだ。てつやとも、連絡先を交換して、別れた。
明日香は、不思議なもんだな、と、思っていた。お見合いパーティに、行ってた時は、なかなか、いい人が、みつからなかったのに、こんなにも、出会う機会に、めぐまれることもあるもんだな、と、思っていた。
1度に、2人の男性と、知り合いになれて、明日香は、とても嬉しかった。どちらか、1人と、付き合えたらいいな、と、思っていた。
ゆうきから、連絡がきた。また、一緒に飲むことになった。話ははずんだ。旅館の一人息子で、跡取りだということ。明日香には、荷が重かった。明日香は、普通のサラリーマンが、いいと思っていたのだ。でも、当たり障りなく、その日も、別れた。恋愛関係には、発展しない感じがした…
てつや、からも、連絡がきて、県人会に、一緒に行った。いろいろ、話ていくうちに、てつやは、別れた子供に、養育費として、月10万支払っていることがわかった。
明日香は、どちらも、一長一短だな、と思いつつ、二人のことを考えていた。
旅館の女将は、自分には、むりだから、どうしても、てつやのほうに、気持ちがいった。
てつやも、同郷ということもあり、親しみやすかった。2人は、自然と、付き合うようになっていった。
今度こそ、明日香は、結婚できると、思っていた。
しかし、そこには、大きな落とし穴があった。
てつやが、子どもを引きとる、と、言い出したのだ。てつやのことは、いいと思っていたが、子どもの母親には、なれないと思っていた。それなら、ムリだと、てつやに、別れを告げた。
のりかえるようだが、ゆうきに連絡して、付き合ってほしい、と、言った。ゆうきは、少し、考えていたが、つきあおうと、言った。
デートを、重ねたが、旅館の女将になることは、気が重かった。でも、仕方がないと、あき
らめはじめていた。
女将さん修行は、なかなか、大変だったが、なんとか、頑張ってやっていた。
これで、私も、結婚できるのだ、と思っていた矢先の出来事だった。ゆうきが、交通事故に、あって、下半身ふずいの重傷だった。明日香は、もう、終わった、と、思っていた。思い描いた、結婚とは、違うものになっていく、と、思った。ゆうきの介護をしていかなければならないのだ。
でも、今更、結婚をやめるとは、言い出しにくかった。結婚式は、来月に控えていた。
お見合いパーティのあとで、会った2人の未来は、決して明るいものでは、なかったが、明日香は、人生とは、本当に、いろんなことが、あるのだなと、つくづく、思っていた。
大変だが、決して、人生を、諦めずに、生きていこうと思う、明日香だった。




