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野草料理が得意な貧困大学生、悪役令嬢のペットの豚に憑依する。  作者: 間宮芽衣
最終章:さらば異世界…というわけでもなく。

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【60】異世界任務、完了!……したと思ったら神様が来た。


 サンライズ帝国で用意してくれた馬車で快適に帰ってきた僕達は、2日くらいでムーンヴァレー王国に着いた。


 ムーンヴァレー城に着くと、ニーナ様と彩人、そしてハネスが出迎えてくれた。


 とりあえず、国についた時点で、みんな疲れているだろうとのことで一旦各自家に帰ることになった。


「お帰りなさい。佐伯君。


 …えーっと、色々サンライズ帝国からの水鏡魔法で聞いたんだけど。


 その、なんだかよくわからないうちに解決してたんだけど、良かったわ。とりあえず。」


そう言ってニーナ様がなんとも言えない顔で微笑んだ。


「…なんか、ルミナにサンライズ帝国でラーメンコンサルタントをしてたって聞いたんだけど。」


彩人が眉を下げて聞いてきた。


「そうだぶっ!向こうでは味豚と名乗ってたんだぶ。


 …結局帝都ではずっと豚の姿で過ごしてたんだぶ。おかげさまでめちゃくちゃ美味しい味噌ラーメンが出来たぶーよ。


 あと、近くの街ではサッパリした柚子の入った鶏醤油も開発したんだぶ。


 今度皆さんにも作りますブーね。」


饒舌に話す僕に何故かニーナ様と彩人は何とも言えない顔をして、ハネスは嬉しそうな顔をしている。


「わー!!僕、ブーちゃんのラーメン食べてみたいっ!」


「ぶっ!気合いを入れて心に残る一杯を作るブーよー!!!」


張り切る僕に、ニーナ様が切り出す。


「えっとね。とりあえず、ワクチンも貴方が送ってくれた血液サンプルのお陰でできた。


 あと、洗脳された人達も元に戻った。


 元凶である鮫島ヨシオも日本に帰ったじゃない?生物科学兵器が作られる心配もなくなった。


 …だから、今度こそ、佐伯君。貴方元の身体に戻る事できるわよ?」


その言葉に僕は目を見開く。


「そ、そうだったぶ!!でも、店の売り上げも気になるブーし、いきなり帰るって言われても実感が湧かないですブーなぁ。」


すると、彩人が教えてくれる。


「ああ。それは大丈夫だよ。


 取り敢えず、こっちでやりたい事があるなら元の身体に戻ってから僕んちから遊びに来たらいいじゃん。まあ、元の身体に戻ったらスキルや魔法はなくなっちゃうかもしれないけど。


 …今回、ワクチンを作るために豚の身体のままでいて貰ったけどさ。


 ノブの親も心配してるだろうし。」


…確かに。


(そっか、スキルも魔法も無くなっちゃうかもしれないのか。)


なんとなく僕はしんみりしてしまう。


「それより、レベッカとはどうなったの?」


ハネスがワクワクしたような顔で聞いてくる。


「へ?」

僕が訝しげに答えると、『あれ?』という顔をする。


「…え?付き合ってるんじゃないの?僕、レベッカから君の事好きだから婚約解消したいって言われたんだけど。」


その言葉に僕は固まる。


(なん、だと。)


「ハネスっ!!」

彩人が焦ったように言ってくる。


「…あれ?もしかして言ったらまずかった、、?」


「えっと、、何にもなってないぶ。。初耳だぶ。」


…僕の様子を見てニーナ様がため息を吐いた。


「…とりあえず、佐伯君。貴方、明日一回ノーリッジ家に行ってリュクスとレベッカと話してきなさい。リュクスに連絡しておくから。」


そう言われて僕は頷いた。


「そ、そうですブーね…」


「今日はうちでささやかだけど無事帰ってきたお祝いでみんなで食事しましょう。


 立花さんも週末だから来ているし、何か作ってもらうわ。」


そう言われて、僕は頷く。


「わかりましたぶ!!宜しくお願いしますぶー!!!」


◇◇


「今日のメニューはみんなで食べやすいようにちょっと居酒屋っぽいメニューにしました。


 蟹クリームコロッケと、唐揚げ、北海道風ラーメンサラダと、茹でたての枝豆、だし巻き卵、お刺身の盛り合わせ、殻ごと蒸した牡蠣とエビチリ、カマンベールチーズをのせた焼きおにぎりです。


 デザートはあとでクリームチーズの柚蜜ソースかけと、佐伯君が蓬だんご作ってくれたのでそれを入れたあんみつを出しますね。


 良かったらお酒も飲んでくださいね。」


立花さんの言葉にみんな歓声を上げる。


 夜にシリウス様とメイリンさん、ケネス前王陛下と奥様もいらっしゃってみんなで祝杯をあげる。


 お刺身は本鮪やイカ、サーモン、ヒラメなど新鮮なネタがワカメやツマと一緒に10種類ほどで、めちゃくちゃ豪華だった。


 ニーナ様は蒸し牡蠣と一緒に白ワインを飲んでいて、ケネス様はカマンベールチーズをのせた焼きおにぎりを1人で10個以上食べていた。


 カマンベールチーズはバーナーで炙ってあり、香ばしくてビールとの相性も抜群だった。


「ねえ、このピンクの飲み物何ー?」


そう言ってハネスが不思議そうな顔をしている。


「あ、それは佐伯君が作ってくれた紫蘇ジュースです。


 さっきうちの庭で一緒に紫蘇を収穫して重曹で煮込んで、はちみつやお砂糖や酢を入れて冷ましたんですよ。


 炭酸や焼酎と割っても美味しいです。


 ハネス君はまだ未成年だからソーダ割だね。」


そう言って立花さんが笑っている。


 そうなのだ。さっきムーンヴァレー城内の庭園をウロウロしてたらめちゃくちゃ日本にありそうな普通の家があって。


 びっくりしてたら庭のガラス戸から立花さんが手を振ってたので紫蘇を摘むのを手伝ったのだった。


 立花さんが昔、家ごと家族とこの世界に転移してきた話を聞きながら紫蘇ジュースを作ったのだった。


 …ちなみに週末だけ異世界で平日は基本日本という謎サイクルらしい。


「いやー、それより私達に心配をかけないように黙っていたのだと思うが、サンライズ帝国がそんな事になっていたとはな。」


そう言ってケネス様が溜息を吐いた。


 すると、ニーナ様が

「…さすがに、もう引退した父上にお手を煩わせる訳にはいきませんでしたし。」


と言って眉を下げた。すると、立花さんが困った顔をする。


「やー、びっくりしました。


 またロキさんがやらかしたんですね…。困ったもんです…。あの人、事業を立ち上げてから大人しくなったと思ってたんですけど。


 …誰も死ななくて本当に良かったです。」


(…え?露樹社長って前にも何かやらかしてるぶーか?!!でもそう言えば、僕が初めて会った時、『いい人っ』って言ったら初めて言われだって言われたんだよな。。


 …あれ、もしかしてこの人トラブルメーカー的なアレなの?)



立花さんが溜息を吐き、僕がそう思った瞬間。


ダイニングが一瞬光って黒い服を着た爬虫類系のイケメンと白い服を着た同じ顔のイケメンが現れた。


「――お食事中のところ、突然すみません。」



「神様っ!?」

「ロキさん!!」


2人が突然現れてダイニングが騒然となった。



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