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0002話 クール新妻に「誕生日プレゼント何が良い?」と聞かれたので「バニーガールになって」と頼んでみた

SE指示などはあくまで目安です。

文字数(空白・改行含む):1881字

文字数(空白・改行含まない):1779字

[SE/ドア開閉]

[主音声/遠め]

「おかえりなさい」

[主音声/普通]

「……うるさい。何よ、『ただいみゃっはー』って」

「あなたが頼んだのでしょう?『誕生日プレゼントにはバニーガールになって欲しい』って、"あなた"が」

「はぁ……あなたが言ったもの以外にあなたが喜びそうなものが思いつかなかっただけ、他意は無いわよ」

「さ、手洗いしてダイニングに来なさい。晩御飯、できてるわ」

「晩御飯はハンバーグとから揚げよ。他にも……少しずつあるけど」

「喜びすぎよ。まあ、1つくらい誕生日に好きなものって考えはしたけど、から揚げについては最近作ってなくて、お惣菜が半額になってたから」

「さ、改めて、手洗いしにいって。用意しておくから」

[SE/時間経過]

「いただきます」

「よく、飽きもせず嬉しそうに食べるわね。……フフッ」

「別に、機嫌が特別良い訳でもないわ。これでもあなたと結婚したのよ、私」

「好きな人に笑っていて欲しいのはごく普通のことだと思うわ」

「……何よ、ジロジロ見て。やっぱり変なところがあったのかしら?」

「『頼んだ時に感触が悪かったから着てくれるとは思わなかった』?」

「さっきも言ったけど、あなたに惚れてるの、私は。ま、その『頼み』事態にドン引きしたのも事実ではあるけど」

「だからこの1回だけ、バニーガールは」

「『ええ!?」じゃない。こんな恥ずかしい恰好、2度としないわ。来年の誕生日は改めてマシなものを頼むことね」

「ダメよ。そこまで悲しむ演技をしても。私、泣き落としってあまり好きではないの」

「はぁ……『じゃあ代わりにキスして欲しい』ですって? まったくもう……」

「寝るときにしてあげるから、それまでは待ちなさい。デミグラスソース味のキスが良いなら今、してあげなくもないけど」

「勿論、今したら寝るときは無しよ?」

「……なんでそんなに悩んでるのよ」

「『今するのもそれはそれでアリ』? この件で改めて思ったけど、あなたって変態的なところがあるわよね……」

「結婚する前から少しは思っていたけど、結婚したら少しは治まるものだと思っていた私を殴ってやりたいわ……」

「それでも結婚自体はするのでしょうけど」

「『変態と結婚したがる時点でどっちもどっち』? 勘違いしないことね。普通にマイナスポイントよ、それより良いところがあなたにあるってだけ」

「この服のことも、さっきのキスの話も、どっちもマイナスのところよ」

「だからたまーにだけど、『なんでこの人のこと、好きになっちゃったんだろう』って、考えるときはあるわ」

「だから、そう落ち込まなくてもいいじゃない。今のあなたは離婚するほど変態ではないってところよ」

「はぁ……ご馳走様。お風呂も出来てるわよ。お先にどうぞ。食器は洗っておくわ。あ、それと」

「この服は私がお風呂に入るまで、だからね。お風呂から上がったら別のに着替えるわよ」

「少しの時間しか着てないとはいえ、汗とか気になるわ」

「それに一応カーテンとか閉めてるけど、こんな服を万が一周囲の家に見られたら出歩けなくなるわよ。そこまでちゃんと考えてる?」

「今、分かればよろしい。改めて、お風呂、いってらっしゃい」

「『一緒に入ろう?』……スケベ。入らないわよ」

[主音声/小声]

「そしたら『あの服』まで用意したのがバレるじゃない……」

[主音声/普通]

「なんでもないわ。とっとと入っちゃいなさい。ちゃんと歯磨きもすることね」

[SE/時間経過または風呂]

[SE/ドア開閉]

「上がったの? ええ、洗い物も丁度今、全部終わったわ。私のバニーガールはこれで見納めよ」

「ダーメ。こればかりは引くつもりはないから。じゃ、私のお風呂が終わったら、また」

[SE/時間経過または風呂]

[SE/ドア開閉]

「上がったわ」

「……なんとか、言いなさいよ」

「忘れたかも知れないけど、さっき、晩御飯を食べてるときに言った通り、"私はあなたに惚れてる"の」

「このバニーガール風の下着も、そういうことよ」

「『見られる云々はどういうこと』って……。だって、今日の残ってることは今から寝室に行くだけ。見られる心配はないわ」

「今まであなた、残業続きで"色々"、出来なかったでしょう? 時間的にも、体力的にも」

「だから、ね? あなたの体力があるうちに、あなたが誰かになびかないようにしたいって、そう思ったのよ」

「"私はあなたに、惚れているんだから"」

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