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0001話 ふつーな後輩幼馴染に流れで告白されて付き合うことになる話

SE指示などはあくまで目安です。

文字数(空白・改行含む):1430字

文字数(空白・改行含まない):1378字

「あー、先輩、今帰りですか?」

「私もですよ。一緒に帰りませんか?」

「やった。ではご一緒させていただきます~」

[継続SE/徒歩/ON]

「一応先輩後輩なんですから、敬語の方が良いかなって」

「『似合わない』ってチョットヒドいこといいますねー、先輩」

「そうですけど、中学以来外ではこんな感じで喋ってますよね? 外では。そろそろ慣れてくださいよーっと」

「確かに『別に良い』って言われても敬語を続ける私も、頑なだと思いますけど~」

「結局2人とも譲る気は無しってことで。これで上手くいってますからね~」

「そういや先輩、バイトは今どんな感じなんですか?」

「へー、欲しいもの、ですか? 何ですか?」

「『内緒』って……良いじゃないですか~私たちの仲なんですし~」

「ふーんだ。良いですよ、私もバイト始めましたし、先輩にも何のためにするかとか教えてあげませんからね」

「……もうちょっとは私に興味を持って欲しいですね~。なんですか『へー』って。私の名前は『へー』じゃないですよー」

「本当に憶えてるんですか~? 私の名前」

「苗字じゃなくて下の名前は?」

「ちょっと悩んだので減点です。及第点ということにしておいてあげますけどー」

「え、先輩の名前?」

「『いつも「先輩、先輩」って言ってるからお前こそ忘れてるだろ』って……はははまさかー」

「誤魔化してないですよー。全然。全然言えますから私」

「『敬語かどうかよりそっちの方が失礼』と言われたら確かに、ぐぅの音もないですけど……」

「でも私が『先輩』ってだけで言うのは『先輩』だけだから何も問題ないですよ……あ痛ーっ! 暴力反対ー!」

「本当、先輩は女の子をなんだと思ってるんですかー。他の子にもこんなことしてたらモテませんよー?」

「『お前以外しない』って……どういう意味ですかー」

「『ある意味特別扱い』……嬉しいようなそうでもないような。……私って今、もしかして騙されてます?」

「あーっ! 馬鹿にしましたねー!? 私のことー!」

「もー、私が先輩のこと好きじゃなかったら絶対許してないんですからー」

「ん?」

[継続SE/徒歩/OFF]

「え、え? 私……、今、なんて……?」

「いやっ、別に他意は無いというかそういう意味じゃな……いとも言えませんけど、あの……」

「せ、先輩もなんとか言ってくださいよ! 黙ってないでー!」

「……え? 先輩も、好き? 誰を……?」

「先輩も、私のことが、好き……?」

「それは……その……友達としてじゃなく、男女というか、付き合いたい……って意味で、合ってますか……?」

「私も……、はい……好き、です。先輩のこと、男の人として付き合いたいって、意味で……」

「それじゃあ、あの……今日から、彼氏彼女、ということで……よろしくお願い、します……」

「はぁー……一時はどうなることかと……って先輩、どして項垂れてるんです……?」

「あー、私とイイ感じになるためにデートをするための資金に、ですか……フフッ、確かに、そういう意味だと無駄になっちゃいましたね」

「別に馬鹿になんてしてませんよ。これからのデートの資金にしたらいいじゃないですか。それに私のバイト代も似たようなことのために使うつもりでしたしー」

「……はい。それじゃあ改めて、これからよろしくお願いします、先輩」

[メイン声/フェードアウトしつつ]

「名前で呼ぶのはその、恥ずかしかったといいますかー……」

挿絵(By みてみん)

イラスト/ここてぃ @kokoty_319(X/旧Twitter)

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