0013話 ドライで鉄仮面な彼女も嫉妬はしている
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[SE/ドア開閉音]
「おかえり」
「『迎えに出るのは珍しい』って? ……そんな日も、ある」
「それはそれとして、何か私に言うことあるんじゃないの?」
「……ふーん、分からないんだ?」
[SE/衣擦れ音]
「これ、何か分かる?」
「『写真』って……そうだけど、そうじゃなくって」
「ここに映ってる人。片方は貴方だけど、もう片方の方」
「そう、その人。単調直入に聞くけど……誰、その人?」
「少なくとも、兄弟姉妹って訳じゃないよね。姉、妹……女のキョウダイはいないって言ってたよね、前に」
「『いとこ』? 聞いたことないけど、本当に……?」
「今、聞かれたからって……」
「君の言い分は分かった。けど、確認は取って良い?」
[SE/時間経過]
「あっ、はい、失礼しました。時間を取らせてもらって……はい。失礼します」
[SE/電子音]
「えぇっと……その、申し訳ありませんでした」
「疑ったのと……写真は……はい。消しておきます」
「……えと、どうしたの?」
「いや、あの、もっと怒っているのかと思って」
「『嫉妬してる姿が珍しかったから』?」
「そこまでドライじゃないっていうか……人並みに感情は持ってるからね……?」
「取り敢えずは、ごめんなさい」
「『謝るのはもう良い』? そう……でも何か、区切りというか、ケジメを付けるようなことはしておきたいと言うか……」
「うーん……」
「じゃあ、はい」
[SE/衣擦れ音]
「『何?』って、ハグだけど……」
「いつもは帰ってきたら君の方からしたいって言ってくるけど、何か変?」
「私は嫉妬した心の火を消せる。君はいつもハグしたがってる丁度良いタイミングになる。ウィンウィン」
「『いつもはあまりノリ気じゃなかった』って? それは……夏だと暑いから」
「あと、今でもちょっと……恥ずかしいとかは、思う」
「うん。そっちが本音。……今でも手を握るのだって、全く心拍数を上げずに出来るかは分からない、かも」
「今でも、そう」
「……ちょっと嬉しそうなのがムカつく」
「君は私より表情が表に出る人だけど、スキンシップするときはあんまり動じないように見えるし」
「私にとっては特別なスキンシップでも、君にとってはそうでもないのかなって、一人で勝手にモヤモヤしてるよ。今でも」
「そこの意識を少しでも合わせようって意味も込めて、はい。ハグ」
「ん」
[SE/衣擦れ音]
「すぅ~~~……はぁ~~~……」
「うん、これで私はもう大丈夫」
「……『もう少しこうしていたい』? 分かった。けど、このままで良いからもう少しだけ真面目な話、する」
「私はさっきまで、変に嫉妬して勝手に写真も撮って迷惑かけちゃったし……」
「今回みたいなことは私もしないようにする。から、君もあまり近い年齢の異性と距離が近くなるのは……ね?」
「うん、分かってる。親族に関してはしょうがないから……事前に言っててくれると、嬉しい」
「出来る? ……ありがと」
「ゴメンね、こんな……愛想も無いクセに面倒な彼女で」
「また笑ってる。私は本気なのに……」
「『笑ってるけど本気』って? どう、本気なの……?」
「『長年付き合ってるから愛想があるのは分かってる』? それなら良い、のかな。君が良いなら」
「うーん……って、面倒なのは否定してなくない!?」
「ハハハ、じゃなくて」
「むー……馬鹿にされてる気がする」
「こうなったら、別に罰が必要だよね」
「そこまで怯えなくてもけど……はい」
[SE/衣擦れ音]
「さっきも同じようにしてたから、分かるよね?」
「ハグ、もう1回、して?」
[SE/衣擦れ音]
「んー……これで許してあげる。次から、気を付けてね」
「あっ……これに味を占めてハグしたいからって変なコトしないでね。次やったら……うーん……」
「私の買い物の荷物持ちをしてもらいます。完全に私だけの買い物で、君の買い物はしません」
「……『そんなことで悩むくらいだから優しさを感じる』……? やっぱり馬鹿にしてない?」
「そんなこと言ってたら、次はもっとキツい罰にする……からね?」
[メイン声/小声]
「そんなことしなくても、これからは私からもっとハグするのに……」
[メイン声/普通~フェードアウト]
「なんでもない。じゃあ、この話はおしまい。お風呂は出来てるから、入ってきて。ご飯は」




